全体としてはテンポよく退屈しない。いくつか気になった点を挙げる。
●女
ヒロイン?の行動原理がさっぱりわからなかった。ほんとうにアニメグッズがほしかっただけなのか?結婚詐欺のように男から巻き上げるために近づいたのか?しかし積極的に金をだまし取ろうとしている様子もないし、そもそも詐欺目的であれば悪の本性は隠し通すべきだろう。あのような行動を見せる意図がわからない。
●男
オタクという人種は基本、保守的で倫理観が強かったりする。もちろん個人差はあるが、本主人公は冒頭で酒もカラオケもやらない様が描かれているので、おおむねステレオタイプなつまり保守的なオタクと見てまちがいないだろう。
であればだ。このようなヒロインの反社会的行動を見て、失望するはずだ。すぐに「やばい」と感じて距離を置くはずである。またオタクは女性に幻想を抱きがちである。アニメのヒロインのような、非の打ち所のない、包容力のある、女神のような女性が好きなのだ。だから本作ヒロインのような行動を見ると激しく失望するのが自然だ。色香にクラクラっときたとしても、もう少し葛藤する姿は描く必用があったと思う。
●劇中アニメ
劇中アニメは…作画がひどすぎるのはまあ置くとして、
いくらなんでも成人のオタクがこのアニメにハマらないだろう。まずセクシャルな要素がまったくない。本作が意識していると思われるポケモンですら、エロいコスチュームのヒロインが出てくるというのに。成人男性がアニメにハマるメカニズムをあまり理解せずに描いているように思う。
●構図
全体にアップの構図ばかりで引きの絵が少ないので、狭苦しい印象を受ける。とくに外国映画をみる際はその国の空気感というか、なにげない街角や山林の風景も、楽しみの一つであるので…