監督はルネ・クレール、1931年の作品です。
刑務所の二人部屋に収容されているルイ（レイモン・コルディ）とエミール（アンリ・マルシャン）は、ある日窓格子を切って脱獄を計るのですがバレてしまい、エミールはルイだけを逃がしてやります。その後、ルイは大会社の社長になり、エミールはその会社の従業員になるのですが・・・。
チャップリンの『モダン・タイムス』（1936年）で、ベルトコンベアに支配される流れ作業やそこから起こるドタバタ騒ぎ、そしてラストの野原の中の道を行く構図などが本作に類似しているため、製作会社であるトビス・フィルムはチャップリンを著作権侵害で告訴しようとしたのですが、証人に立ったルネ・クレールは、「もし『モダン・タイムス』が自分の映画からヒントを得ているならば、光栄に思う」と証言したため、告訴は取り下げられています。
いくら工場が機械化されたとしても、人間は労働の奴隷であることは今も変わりませんよね。
第1回ヴェネツィア国際映画祭での映画賞受賞作です。
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