多くのルパン作品にあった、ヒロイン達へのチャーミングな扱いを望む方には、
お勧めできない作品ですが、私は外国の映画を観ているように楽しめました。
本作はめずらしくルパンが盗みに成功している話でもあります。
「キルビル」や「レディウェポン」等の作品が好きな人ならお勧めです。
敵は反米武装組織と名乗っていますが、
実体は女の殺人鬼集団といってもいいかもしれません。
ジークンドーの使い手やマジシャン、
妖刀を使う剣士(通り名の英語名がカオル・ザ・リッパー
切り裂きジャックの英語名にそっくりです。)
そして戦闘員が赤のハイレグコスチュームです。
原作ルパンとアニメ初期のルパンの感覚が、この作品にありました。
ルパンは本心を言わない、日常会話でさえ騙す為に使う事や
自分達のルールで、自分や相手の生死を決めている事です。
それらを本作では、ルパンが、おちゃらけているようにしか相手には見えないと
描写している事が、よりいっそう原作や初期のイメージを強く感じました。
また私的な感覚ですが1960年代から70年代の007風スパイ映画の雰囲気も感じました。
冒頭は、「ロシアより愛をこめて」を彷彿させ、アマゾネス集団は、
「電撃フリント・アタック作戦」「ビキニマシン」等を思い出させます。
円盤は、「サイレンサー 待伏部隊」「カジノロワイヤル」です。
初回限定版には、単体でも素晴らしい本作の音楽CDがついています。
「カリオストロの城」の主題歌「炎のたからもの」のジャズバージョンが良かったです。
またDVD付属のブックレットも物語を更に知る情報が載っていて楽しめました。
ここまでレビューを読まれた方で、何か心の琴糸に触れるものを感じたり、
感性に似ているものを感じたら、買われたほうが良いかと思います。