■ 概要
本作には原題が二つ(Born to the West,Hell Town)、邦題が三つ(西部地獄街,荒野の激闘,荒原の激闘)ある。
出演はジョン・ウェインの他にマーシャ・ハントなど。
マーシャ・ハントは1917年10月17日生まれで、もうすく105歳、少しでも長生きしますように。
ストレートに言ってしまえば、ジョン・ウェインは好きではない。「どうだ、俺はスゴイだろう。感心しろよ」みたいな役ばかりである。これが面白くない。
いやしかし、本作は面白い。わりとトンマな役をしている。デア(ジョン・ウェイン)は、まず牛泥棒をして捕まる。それが親戚の牧場。それでその牧場で働くことになった。料理係。
ジュディ(マーシャ・ハント)の助言で牛を町まで連れて行って売却するリーダーの役をする。途中で敵に牛を奪われそうになるが、ここは切り抜けて、売却契約までこぎつける。
しかし売却代金を賭けに突っ込んで負けてしまう。相手がインチキしているのも気がつかない。
このようなところが、ジョン・ウェインの映画にしては面白い。いやいや、格闘は強いし銃もうまい。最後はちゃんとやり抜く。
それとジュディとのやり取りがコメディ。最初は誘いを断って牧場から立ち去ろうとするが、ジュディを見た途端に撤回し、その場でジュディにプロポーズ。
喧嘩をしてジュディに手当てを受けている時に、プロポーズの返事を催促する。すると「またケガをするわよ」と反撃される。そういえば「駅馬車」でもクレア・トレヴァーにプロポーズの返事を催促している。
しかしジュディの馬が毒蛇に驚いて暴走したところを追いかけ追いついて、ジュディを助けるカッコいい場面もある。
■ マーシャ・ハント
モデルでもある。有名女優にしては出演作は少ない。それと悪役はしていない。
「(1940)彷徨う女性/Women In Hiding」。ジェーン(マーシャ)は妊娠したが夫が失業した。無料で妊婦を世話してくれる病院が見つかり入院した。(ジェーンはまだ知らないが)生まれた赤ん坊を、母親の女性が知らないうちに養子に回している。ジェーンはこの病院が怪しいことに気がつく。
「(1948)脱獄の掟/Raw Deal」。弁護士役。出演はデニス・オキーフ、クレア・トレヴァー、マーシャ・ハント、レイモンド・バー。マーシャが拳銃を撃つ場面がある。
服役中のジョー(デニス)は脱獄し、パット(クレア)と弁護士アン(マーシャ)の二人の女性を連れて逃亡した。この脱獄は仲間であったはずのリック(レイモンド)がジョーを陥れるために仕組んだものだった。
警察とリックの追跡を逃れて、ジョーとパットはパナマ行の船に乗り込んだが、出港直前にアンがリックに捕らえれたことが分かった。ジョー(とパット)はアンを助け出すために船を下りて、リックのアジトに乗り込む。
「(1949)メアリー・ライアン刑事/Mary Ryan, Detective」。マーシャが刑事となる。この時代では女性刑事の映画は少ない。メアリー・ライアン刑事となって、犯罪組織に潜入して捜査する。しかし刑事であることがばれてしまう。
「(1957)死からの帰還/死人の憑依/Back from the Dead」。これはオカルトもの。ケイト(マーシャ)の妹マンディは気を失った。しかし気がつくと「自分はフェリシアである」と主張する。ケイトが探偵役となって真実を追求する。
他におすすめは「(1952)幸福の時間/ビビとペギー/The Happy Time」。これはコメディ。「(1947)スマッシュ・アップ/Smash-Up,The Story of a Woman」。主演はスーザン・ヘイワード。