この当時の東映時代劇はわたし隣町の映画館に毎週通いつめてほぼ全作見てるし
特に大川橋蔵さんのファンで後援会とみいにも入っていたし舞台も見に行った。小学生なのに。
このころになるときらびやかな娯楽作品が衰退してリアル残酷暗い作品が主流になってきて
錦之助さんは似合っているけど全然似合わない橋蔵さんもその路線に挑戦してはコケていたと思う
「風の武士」もどちらかと言えばリアル系の暗めの作品で
こどものわたしにはなんだかよくわかんないし楽しめなかったけれど
何十年ぶりかに観て、こんなに面白い話だったのかと感激した
出演者は脇役もほぼ全員おなじみの俳優さんたちでそれだけでもわくわく
桜町弘子さんがヒロインというのもよかった
東映三人娘は出演本数はすごいけど、女性が重要な役どころの作品となると
嵯峨美智子有馬稲子など他所の女優さんを引っ張ってきちゃって出る幕がなかったものだ
桜町さんが髪型や着物をとっかえひっかえ重要な役を演じていたのは喜ばしかったし
間違いなく桜町さんの代表作の一つだと思う
ちょっとだけ引っ掛ったのは
支度金500両は多すぎないか?ということと
隠れ里の長の道を選んだ姫はなにも橋蔵と別れなくたって
婿にとっていっしょに山で暮らしても良かったんじゃないか?ということ
自分は次男坊で行き場もないと何度も言っているのだから。
武士道残酷物語、天草四郎時貞・・どんどん暗く救いのない作品が増えていき
映画館に通うのがつまらなくなっていったあのころだが
実は大人の鑑賞に堪える作品に変わっていってたんだなあ という気がする。