ようやく加藤泰の代表作の数々がDVD化され始めたがあまりに遅すぎます。
加藤映画との出会いは緋牡丹博徒が最初で、学生時代に名画座で観た
「沓掛時次郎遊侠一匹」の感動は忘れられません。
特に、雪の場面転換はこれまで観てきたどの映画をも凌駕する最高の
シーンのひとつです。「瞼の母」や未DVD化の「みな殺しの霊歌」
など加藤泰のローアングルによる独特の映像は登場人物の情感を完璧
に描き出します。確かに黒澤明や小津安二郎のような世界的な知名度
は無いかもしれませんが、私にとって最高の日本映画とは加藤泰映画
なのです。