『ザ・リング2』(2005年、米国)は、Jホラー映画の傑作である『リング』のハリウッド版リメイク第2作目にあたる作品である。
ホラー映画の第2作目というのは、大抵大きく評価がわかれるものである。
単なる第1作目の焼き直しに終わるかシリーズものとしての地位を確立する傑作になるかということである。この『ザ・リング2』は、完全オリジナストーリーで作られており、監督は中田秀夫がつとめている。個人的には、シリーズものとしてうまく物語を綺麗に完結させた映画だと思う。明らかに作品としては、後者の評価になるのではないだろうか。
特に、終盤で息子の声を聞いた母親があえて息子を水の中に溺れさせてサマラから救い出すシーンは圧巻。その後、さらに復活しようとするサマラから息子を守るために自分を犠牲にするのも展開としてグッドだったと思う。ただ、第1作目では、それが行き過ぎてコピーしたテープを(息子を救う為とはいえ)レンタルビデオ店に持っていったのは擁護できないだろう(第1作目の特典映像参照)。
ちなみに、リングシリーズは日米あわせてハリウッド版リメイク第2作目までの時点で、以下の作品がある。
『リング』/『らせん』(1998年同時公開、日本)
『リング2』(1999年、日本)
『リング0 バースデイ』(2000年、日本)
『ザ・リング』(2002年、米国)ハリウッド版リメイク
『ザ・リング2』(2005年、米国)ハリウッド版リメイク第2作目
その後、『貞子3D』が公開され、2017年にはハリウッド版リメイク続編『Rings(原題)』が公開されている。
あの恐怖から6カ月後。忌まわしい記憶から逃れるべく、シアトルから片田舎アストリアへと引っ越したレイチェルとエイダン親子。しかし、平和な生活を送るはずが、エイダンの身体に異変が起こる。謎を追って再び旅に出るレイチェル。その旅の中で息子の声に耳を傾けるようにアドバイスを受ける。息子の声に耳を傾けたレイチェルはサマラから息子を救う為に究極の選択を迫られるのだった……
完全版は劇場公開版より約18分長くなっている。その分、見応えのある作品になっているのではないだろうか。いまだに新作が公開されるリングシリーズ。そのハリウッド版リメイク第2作目となる本作をぜひとも堪能してほしい。
『ザ・リング』、『ザ・リング2』と続けてみることで作品の魅力がよりわかるはずだ。
(2018.3.19記)