篠井英介 ササイエイスケ

  • 出身地:石川県金沢市
  • 生年月日:1958/12/15

略歴 / Brief history

石川県金沢市の生まれ。高校生の時に見た杉村春子主演の舞台『欲望という名の電車』に深い感銘を受け、密かに“女優”になることを目指す。1980年に日本大学芸術学部演劇学科を卒業後、西村晃の付き人をつとめながら、舞台を中心に活動。84年の『敷布を捲くって虹色世界』より“加納幸和事務所”に参加し、87年には加納らと“花組芝居”を結成する。旗揚げ公演の『ザ・隅田川』87以降、歌舞伎を題材にした演目を上演する男優だけの“ネオ・カブキ”劇団として注目を集め、篠井は女形のトップスターとして活躍。『新雪之丞変化』88、『イッヒ・ビン・ヴァイル』89、『花組沙翁ロミオ&ジュリエット』90などを経て、90年に退団する。その後は“水戸芸術館ACM劇場”に3年間在籍して、『サド侯爵婦人』『ディオニュソス』90、『マクベス』91など鈴木忠志演出の作品に連続出演。現代劇の女形として確固たる地位を築き、小劇場から商業演劇まで和洋問わず多数の舞台を踏んで、92年にはゴールデンアロー賞の演劇部門新人賞を受賞している。映画は、カルト人気を博した深夜ドラマの劇場版である飯田譲治監督「NIGHT HEAD」94で初出演。超能力を持つ主人公の兄弟と敵対する異能力者・三雲玄吾を妖しく演じた。以降も篠田正浩監督「写楽」95などに出演するが、非凡なバイプレイヤーとして一層注目を浴びたのはテレビドラマで、TBS『リスキーゲーム』96、フジテレビ『総理と呼ばないで』97、日本テレビ『FIVE』97、『君といた未来のために』99、テレビ朝日『研修医なな子』97、『アナザヘヴン eclipse』00などで、主に中性的な人物や個性的な悪役を演じ、存在をアピールした。舞台でも強烈な個性を発揮する一方、庵野秀明監督「キューティーハニー」04、鈴木清順監督「オペレッタ狸御殿」05、行定勲監督「クローズド・ノート」07などの映画に助演。テレビドラマはほかに、NHK『元禄繚乱』99、『功名が辻』06、『瞳』08、日本テレビ『女王の教室』05、『ホカベン』08、『ザ・クイズショウ』09、フジテレビ『鹿男あをによし』08などがある。日本舞踊・宗家藤間流の名取でもある。

篠井英介の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • あるいは、ユートピア

    制作年: 2024
    大量発生した謎の巨大生物から逃れてホテルに避難した12人の中から、ひとりの人物が遺体となって発見されたことで、平穏な生活が変容していく様子を描いたドラマ。「若手映画作家育成プロジェクト(New Directions in Japanese Cinema=ndjc)」の2016年度作品「白T」や、第34回東京国際映画祭でAmazon Prime Videoテイクワン賞を受賞した「日曜日、凪」などの短編で注目を集めてきた金允洙(キム・ユンス)監督のオリジナル脚本による長編デビュー作。秘密を抱えた小説家・牧雄一郎に藤原季節が扮したほか、ホテルに滞在する人々を、渋川清彦、吉岡睦雄、原日出子、渡辺真起子、篠井英介、麿赤兒など個性あふれる俳優が演じた。2024年・第37回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」にて上映後、11月16日よりユーロスペースにて劇場公開。
  • 愛のこむらがえり

    制作年: 2023
    映画の街・調布を舞台に映画制作の夢を叶えるべく同棲カップルが奮闘するハートフルコメディ。並外れた行動力で人生を切り開くヒロインの香織役を「まいっちんぐマチコ!ビギンズ」以来17年ぶりの映画主演となる磯山はるか、もう一人の主人公・浩平役を劇団東京乾電池に所属する舞台俳優で本作が映画初主演となる吉橋航也。監督は根岸吉太郎監督や相米慎二監督らに師事し、「渇水」が今年公開される高橋正弥。監督自らプロデューサーも兼ね、加藤正人と安倍照雄の脚本家コンビによるオリジナル企画を映画化した。柄本明、品川徹、吉行和子、浅田美代子らベテラン勢が脇を固める。
  • バカ塗りの娘

    制作年: 2023
    青森県の伝統工芸・津軽塗をテーマにした人間ドラマ。津軽塗の職人・清史郎とその仕事を手伝う娘・美也子の青木家。母は仕事優先の清史郎に愛想を尽かして出ていき、兄は自由に生きる道を選んだ。美也子は津軽塗に興味を持ちながら、継ぎたいと言えなかった。原作は、第1回暮らしの小説大賞を受賞した髙森美由紀の『ジャパン・ディグニティ』。監督は、「まく子」の鶴岡慧子。出演は、「かぐや様は告らせたい」シリーズの堀田真由、「仕掛人・藤枝梅安」シリーズの小林薫、「フタリノセカイ」の坂東龍汰、Kis-My-Ft2の宮田俊哉。
  • ある役者達の風景

    制作年: 2021
    緊急事態宣言解除後、ベテラン俳優たちが撮影期間半日、制作費0円で制作し、話題を集めた短編映画を長編映画にリメイク。コロナ禍により劇場から客足が遠のく中、壮年の舞台俳優・大谷は、俳優仲間の草野、中西とたった3人で”独劇”の公演に挑むが……。出演は「ダンスウィズミー」の大谷亮介。その他、モロ師岡、半海一晃、マギー、余貴美子ら錚々たる俳優陣が友情出演。
  • マスカレード・ナイト

    制作年: 2021
    「マスカレード・ホテル」から続き、東野圭吾のミステリーを主演・木村拓哉、監督・鈴木雅之で映画化。ホテル・コルテシア東京での捜査から2年。大晦日の仮装パーティーに殺人犯が現れるという密告状が届き、新田は再びホテルマンの山岸と組み潜入捜査する。前作から続き破天荒な刑事・新田浩介を木村拓哉が、優秀だけど生真面目なホテルマンの山岸尚美を長澤まさみが演じるほか、豪華キャスト陣が揃う。
  • Fukushima 50

    制作年: 2020
    門田隆将のノンフィクションを原作に、東日本大震災時の福島第一原発事故を描いたドラマ。2011年3月11日、巨大地震が発生。大津波で原子炉が冷却できなくなった福島第一原発では、吉田所長や現場作業員の伊崎が、最悪の事態を回避しようとするが……。出演は「楽園」の佐藤浩市、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の渡辺謙。監督は「空母いぶき」の若松節朗。
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