制作年: 1952
フランス及びイタリア映画人の協力によったオムニバス映画一九五二年作品で、聖書に説く七大罪の一つ一つをテーマにしたエピソードが集められている。以下各挿話毎に解説・略筋を紹介する。なお狂言まわしのシークェンスは「夜は我がもの」のジョルジュ・ラコンブが監督、「花咲ける騎士道」のジェラール・フィリップが出演している。 〔第一話・欲ばりと怒り〕「壁にぶつけた頭」などで知られるエルヴェ・バザンのオリジナル・ストーリーを、「裁きは終わりぬ」のシャルル・スパークが脚色、「ナポリの百万長者」のイタリア監督エドゥアルド・デ・フィリッポが監督・主演する。撮影はエンツォ・セラフィン、音楽は「海の牙」のイヴ・ボードリエの担当。主演はデ・フィリッポの他、「ミラノの奇蹟」のパオロ・ストッパ、「輪舞(1950)」のイザ・ミランダである。 〔第二話・怠けもの〕「飛んで行く箪笥」などのファンタジー映画作家カルロ・リムのオリジナル脚本を、「うるさがた」「春の凱歌」のコンビ、ジャン・ドレヴィル(監督)とノエル・ノエル(主演)が担当。撮影は「二つの顔」のアンドレ・トーマ、音楽は「肉体の悪魔(1947)」のルネ・クロエレックである。ノエル・ノエルの他、新人ジャクリーヌ・プレシスが共演。 〔第三話・色好み〕バルベイ・ドールヴィリーの原作を「肉体の悪魔(1947)」のジャン・オーランシュとピエール・ボストが脚色、「デデという娼婦」のイヴ・アレグレが監督する。撮影は「しのび泣き」のロジェ・ユベール、音楽は「オルフェ」のジョルジュ・オーリックの担当。主演は「娼婦マヤ」のヴィヴィアーヌ・ロマンス、「調馬場」のフランク・ヴィラール、新人フランセント・ヴェルニヤ。 〔第四話・ねたみ〕「ジジ」などで有名なフランス女流作家コレット・ウィリーの原作「牝猫」(La Chatte)から、「ドイツ零年」のロベルト・ロッセリーニが脚色・監督する。第一話と同じく撮影はエンツォ・セラフィン、音楽はイヴ・ボードリエの担当。主演はアンドレ・ドバールとオルフェオ・タンブリ。 〔第五話・大喰らい〕第二話のカルロ・リムがオリジナル脚本を書き監督するコント風の一篇。撮影は「肉体の冠」のロベール・ルフェーヴル、音楽はイヴ・ボードリエ。主演は「ファビオラ(1948)」のアンリ・ヴィダル、クローディーヌ・デュピュイ、ジャン・リシャール。 〔第六話・見えっぱリ〕第三話と同じくジャン・オーランシュとピエール・ボストの脚本から「肉体の悪魔(1947)」のクロード・オータン・ララが監督。撮影は「赤針嶽」のアンドレ・バック、音楽は第二話のルネ・クロエレック。「ファビオラ(1948)」のミシェル・モルガン、「旅愁」のフランソワーズ・ロゼー、「娼婦マヤ」のルイ・セニエ、「肉体の悪魔(1947)」のジャン・ドビュクールが共演。 〔第7話・第八の罪〕「環礁地帯K」、のレオ・ジョアノンと「花咲ける騎士道」のルネ・ウェレルが脚本を書き、ジュルジュ・ラコンブが監督。撮影は第五話のロベール・ルフェーヴル、音楽は第六話のルネ・クロエレック。ジェラール・フィリップが出演する。なお、このエピソードは全篇のオチで、七大罪には関係ない。