ブラジル人監督の実体験に基づく少年の成長譚『エイブのキッチンストーリー』。料理が大好きな12歳の少年が、バラバラになってしまった家族の絆を“手作り料理”で取り戻そうとする。と聞くと、よくあるお涙頂戴映画のようだが、本作が面白いのは、ニューヨーク・ブルックリン育ちの主人公エイブがイスラエル系の母とパレスチナ系の父を持つ、その境遇にある。それもそのはず、本作は映画監督でYoutuber、新聞や雑誌の記者でもある多彩なフェルナンド・グロスタイン・アンドラーデの半生をベースにしており、一種自伝的な側面もある物語だからだ。
2021年2月4日に第94回「キネマ旬報ベスト・テン」第一位作品&個人賞を発表しました!
キネマ旬報ベスト・テン第2位以降の作品ランキングは、2月5日(金)発売『キネマ旬報2021年2月下旬ベスト・テン発表特別号』にて掲載しております。
「第94回キネマ旬報ベスト・テン」はこちらからご覧頂けます
第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた戯曲を、小誌星取評でもおなじみの城定秀夫監督が映画化した「アルプススタンドのはしの方」は、昨年公開されるやいなや幅広い年齢層から反響を呼び、第12回TAMA映画賞特別賞、第42回ヨコハマ映画祭監督賞など複数の映画賞も受賞。そんな、昨年最も愛された青春映画の一つである本作のBD発売を記念し、城定監督、小野莉奈さん、中村守里さんにお話を伺った。
1974年12月1日「映画の日」に制定され、第46回目を迎えた城戸賞の準入賞作品「御命頂戴!」全文を掲載いたします。
1974年12月1日、「映画の日」に制定された城戸賞が46回目を迎えた。本賞は映画製作者として永年にわたり日本映画界の興隆に寄与し、数多くの映画芸術家、技術家などの育成に努めた故・城戸四郎氏の「これからの日本映画の振興には、脚本の受けもつ責任が極めて大きい」との持論に基づいたもので、新しい人材を発掘し、その創作活動を奨励することを目的としている。これまでも「のぼうの城」(11)、「超高速!参勤交代」(14)など受賞作が映画化され大ヒットした例もあることから本賞の注目度は高く、今回は未曾有のコロナ禍に見舞われた特別の一年ではあったが応募総数は406篇。本賞への高い意欲がうかがわれた。その中から10篇が最終審査に進み、島田悠子氏の「御命頂戴!」が準入賞を受賞した。その全篇を別項でご紹介するとともに、最終審査に残った10篇の総評と受賞作品の各選評を掲載する。
2020年1月に劇場公開され、単館系としては異例の大ヒット。さらに仏アヌシー映画祭などで国際的な評価も得た「音楽」。インディペンデントの長篇アニメーションとして、日本映画に新たな地平を切り拓いた画期的な一作だ。その中心人物である岩井澤監督に、作品の苦労や今後の見通しについて、改めて話を聞いた
一晩で全てが見える。夫婦のことも見えるし、彼女の人生も見えてくる 原作の映画化について「小説は完璧なもの、完結したものですからあえて映画にするならば、自分が読んだ時に心に残るエッセンスを大事にしたいと考えていま […]
前編に続き、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ!2020」を、すでに多くを購入済みだけど廉価版にはやはり手が伸びてしまう痛し痒し嬉し恥ずかしの映画評論家・松崎健夫と、ラジオ番組『アフター6ジャンクション』でもおなじみ、映画監督・スクリプトドクターの三宅隆太のお二人に語っていただいた。
ジャンル映画ファンにとっては、もはや夏の花火大会のごとく盛大に〝ぶち上げられる〟恒例行事、キングレコードのDVDキャンペーン「死ぬまでにこれは観ろ!」シリーズ。今年は、名作・快/怪作・珍作、ブルーレイ&DVD全210タイトル(122作品)がリリースされる。昨年に続き、すでに多くを購入済みだけど廉価版にはやはり手が伸びてしまう痛し痒し嬉し恥ずかしの映画評論家・松崎健夫と、ラジオ番組『アフター6ジャンクション』でもおなじみ、映画監督・スクリプトドクターの三宅隆太の二人が、目の前に並ぶパッケージに嬉々としながら、「これは観ろ!」という作品を挙げだすと話は尽きず……。
“終わり”を受け入れこれからの生き方を示す、“翔べない時代の「魔女の宅急便」”と呼び声が高い映画「わたしは光をにぎっている」。長野から上京し、下町の銭湯に居候する不器用な20歳の女性の生き様に私たちは何を見るのか。松本穂香演じる澪に中川監督が託した”これからの時代を生きるためのメッセージ”を聞いてみた。
2020年6月にこの世を去った映画業界の方々をご紹介いたします。映画界に多大なる貢献を頂きました皆様のご冥福をお祈りいたします。
2020年5月にこの世を去った映画業界の方々をご紹介いたします。映画界に多大なる貢献を頂きました皆様のご冥福をお祈りいたします。
市井昌秀監督と草彅剛の熱い思いが詰まった、人間くさい家族の物語
市井昌秀が、12年間温めてきた『両親への想い』を込めたオリジナル脚本の監督作「台風家族」。葬儀屋だった両親が銀行強盗を働き、奪った2千万円と共に姿を消して10年。時効を機に両親を亡きものとして葬儀を行うべく、肉親の事件によって人生を狂わされた鈴木家の4兄妹が、久々に実家で顔を合わせる。長男の妻と娘、長女の恋人までも揃った鈴木家では、それまでの確執や遺産を巡る様々な思惑と感情が交錯し、台風のような一日が繰り広げられる。一筋縄ではいかない人間くささに溢れた家族の物語だ。
2020年4月にこの世を去った映画業界の方々をご紹介いたします。映画界に多大なる貢献を頂きました皆様のご冥福をお祈りいたします。
2019年 第93回「キネマ旬報ベスト・テン」第1位に続き、全ての順位を発表!
映画「ジョーカー」日本語吹替版で味わう、アーサーの心に刺さる台詞 日本興収50億円超!「ジョーカー」が共感を得た理由 しがないピエロだった男アーサー・フレックが、人々から恐れられ、後にバットマン最大の宿敵ジョー […]
献身的な訪問看護師の女性が、ある事件をきっかけに“無実の加害者”となり転落していく姿を描いたヒューマンサスペンス「よこがお」。「淵に立つ」に続く深田作品出演となった筒井真理子の驚くべき女優魂から、光と影の中で次第に浮かび上がる真実や人間の真理まで、深田晃司監督が本作に忍ばせた知られざる思いを語った。
社会から外れた男たちと平凡な大学生の奇妙な旅路をざらついた映像で綴り、世界の映画祭で称賛を受けた映画「19(ナインティーン)」が、製作20周年を記念して初ブルーレイ化。世界のアニエス・ベーも絶賛し、 20年を経ても色褪せることのない鮮烈な青春映画の誕生秘話を、当時弱冠23歳で脚本・編集・出演を兼ねた本作で商業映画デビューを飾った渡辺一志監督に聞いた。
創刊100周年を記念し、渋谷のBunkamura Galleryにて、2019年11月29日〜2019年12月11日まで、記念企画展を開催いたします。
今から100年前に、4名の学生により創刊された「キネマ旬報」創刊号をはじめ、その時代を彩った表紙パネルや、1950年代以降の「キネマ旬報」約1,000冊を展示いたします。