入賞者｜映画と育む、コトバとココロ。映画感想文コンクール2023

グランプリ
低学年の部

生きるということ

滋賀大学教育学部附属小学校2年生
石井大暉

「ロシアがウクライナをしんこうした。」このニュースをテレビで見て、せんそうにきょうみをもちました。お父さんにおねがいして「ラーゲリよりあいを込めて」を映画館で見ました。初めての映画館は、モニターの大きさやはく力がすごくてドキドキしていました。

人がじゅうでうたれていました。「人ってこんなにすぐしんでしまうんだ。」とかなしくなりました。となりにいるお父さんを見ると泣いていました。あとで聞いたら、お父さんは「心がくるしくて泣いていた。」と言っていました。気が付いたらぼくもなみだが出ていました。山本さんはつらい目にあっても生きようとしていました。家ぞくに会いたかったからです。せんそうをすると人がたくさんしんでしまうし、かなしい思いをする人がふえます。平和だと家ぞくでお出かけしたり楽しいことがたくさんできます。ぼくは、家ぞくとわらって生きていきたいと思いました。

グランプリ
中学年の部

私の生き方

関西大学初等部3年生
森脇望菜

「はじめはね、友達や先生の顔が真っ黒のマジックペンで消されたみたいに、顔のない人間になっていったの。そうしたら、今度は学校の階段がぐにゃぐにゃにゆがんでいて上ることができなくなって、最後は家から外に出れなくなっちゃった。」

小学校一年生の時、私は主人公のまひとと同じように、ファンタジーの世界で生きていたことがある。まひとのいたファンタジーの世界は、ちょっと怖いけど、色あざやかでにぎやかで、少しうるさい世界のように見えた。私が経験したファンタジーの世界は、真っ黒でどろどろしていて音のない静かな世界だったから、人によってなのか、なやみのちがいによってなのか、それぞれ感じる世界はちがうということをまひとと出会って知った。感じる世界はちがうけど、心にかかえた苦しみは、そうとう深いという事だけは同じかなって思った。

私のお姉ちゃんは、もともと左耳難聴だったけど、小学校六年生の時、学校でつらいことがあった日から音のない世界で生きていた。学校に通わず、会話もなく、毎日ただ天井を見つめているお姉ちゃんを見ていたら、私の心は大切な物をむりやりえぐりとられたみたいに、痛くて苦しくて、だんだんくさっていった。このとき私はファンタジーの世界で生きていた。

今はこっちの世界で生きている。まひとと同じように私のまわりの人たちが助けてくれたおかげだ。
ファンタジーの世界は存在する。そこからぬけ出せずに苦しんでいる人が、たくさん、たくさんいると思う。
「君たちはどう生きるか。」
私は、苦しんでいる人がいたら助けたい。
「こっちの世界でいっしょに生きよう。」
って手をのばしたい。そうやって、私はこっちの世界で生きていたい。

グランプリ
高学年の部

『猫たちのアパートメント』をみて

豊島区立朋有小学校5年生
安蔵直輝

ぼくは中学生になりたいけど、小学校を卒業したくない。ずっとこのままでいたいと思うけれど、新しいことにもチャレンジしたい。ネコたちも多分、そう。

『猫たちのアパートメント』は、韓国で大きな団地が取りこわされて、そこに住んでいた二百五十匹のネコたちのために、新しい生活の場所を探す映画だ。ぼくはこの映画を見たあと、どこにもよりみちしないで、まっすぐに家のとなりの神社へ向かった。とつじょこの神社のネコたちが、自分の仲間のように感じたからだ。

あの韓国のネコたちは、どんな気持ちで団地から新しい場所へ引っこしをしたんだろうか。ごはんのじかんになると会いに来て、決まった場所にエサをおいていってくれる人たちが、あるとき来なくなる。あたりまえのようにいた人たちに会えない。つかまえられてカゴに入れられて、次の日から新しい家族、新しい町での生活が始まる。ぼくは小学校を二回転校しているから、このときのネコたちの気持ちを勝手に想ぞうして、勝手に同情してしまった。四年生の三学期に今の小学校へ転校するとき、先生や家族に転校の理由は説明してもらったけれど、それでも友だちや先生たちとのお別れはつらくて、本当にいやだった。

今の小学校に転校して、半年がたった。ぼくはいつも心のどこかで「もどりたいなぁ」と思っているけれど、前の小学校にもどるということは、今の友だちとはなれてしまうということだ。それもぜったいにいやだなぁと思っている。

あの映画のネコたちも、ぼくと同じ気持ちなんじゃないだろうか。団地の人や仲間とお別れしてとてもさみしいけれど、今はとても楽しい。このくらしがずっと続けばいいなと思っているのかもしれない。後ろを見ながら前に歩くのはとてもむずかしい。

グランプリ
中学校の部

本当の幸せと夢への鍵

大阪教育大学附属天王寺中学校2年生
加藤結萌梨

現代を生きる女子、個性などないのではないか。中学二年生の中の一人の女である私はそう思う。前髪の長さ、一重より二重、痩せていなくちゃいけない……。だいたいの人が同じ理想の見た目の基準を持っているのだ。そして揃って口癖はこうである。

「私なんて全然可愛くないよ―！」
私もよく口にしたその言葉。今となっては、「自信と自己愛」に欠けていると思うのだ。

映画『ヘアスプレー（吹替版）』は、差別をテーマにした物語だ。体型（見た目）での差別と人種差別が中心である。私が深く学び、考えさせられたのは、見た目による差別についてだ。それは、私の身近でも無意識に起きていることだと感じたからだ。

中学生になり、多くの人が思春期に入る。それが原因なのだろうか、異常に見た目についてこだわり始める人が増えるのだ。私も例外ではなくその中の一人で、急に気になるようになった。髪型や服装、流行のアイテム。全ては周りに変だと思われないようにという考えからだった。体型も、痩せている方が絶対にいいという考えから、無理なダイエットを何回もしたことがある。栄養不足で倒れたこともあるほどだ。そしてたまに、ふと思うことがあるのだ。

「周りばっか気にしてなんにも楽しくない。」と。自分のために生きている感じが無くなるのだ。
じゃあ見た目のことを気にせず自由にすればいいじゃないかと思う人も多数いるだろう。それでも私たちがこんなことをする理由、こんな考え方をする訳をじっくり考えた。私が辿り着いた答えは、見た目に関する理想の基準が私たちの中でなんとなく決められていて、そのせいで完璧とは思えない自分に自信を持てないから、自分を愛せないから。これだった。『ヘアスプレー』を観て、主人公トレーシーを見て気が付いたのだ。周りに体型を何と言われようと髪型について言われても自分を曲げないのだ。そして、彼女は幸せと夢を掴み取った。それはきっと、自分への自信と愛が鍵であると思う。

ではどうすれば彼女のような「自信と自己愛」を持てるのだろう。それは、比べないことだ。トレーシーはずっと「私は私」のマインドで生きていることに気付いたのだ。周りに囚われず、自分らしさを追い求めることが、「自信と自己愛」に繋がるのではないかと思う。

この映画を観て、今の私たちは「自信と自己愛」が不足していると感じた。大袈裟かもと思うくらいに自信を持ち、自分自身を愛することは、あなたを本当の幸せと夢へと導いてくれるかもしれない。「私は私」なのだ。

私と同じような、なんとなくのモヤモヤを抱える人に届いて欲しい作品だ。

全国優秀賞
低学年の部

ゆめってなあに？

松戸市立小金小学校１年生
菅田あかり

みなさんのゆめは、なんですか？
わたしのゆめは、りょうりづくりがじょうずになることです。
すみっこのえいがをみて、すみっこたちがいっしょうけんめいにゆめにむかってどりょくしてがんばっているすがたが、とてもすてきだなとおもいました。

ゆめをすぐかなえるのは、かんたんなことではないです。
えいがでも、まほうつかいのこどもが、はじめはしっぱいもおおかったけど、いっしょうけんめいまほうがじょうずになるれんしゅうをしていました。

ゆめにむかってがんばると、まわりのすみっこたちもえがおになっていました。

わたしは、かぞくやともだちのえがおがすきなので、そのためには、わたしもりょうりのれんしゅうをしたり、おかあさんのおてつだいもがんばろうとおもいます。

全国優秀賞
低学年の部

えいが「ベンジー」を見て

上富田町立朝来小学校２年生
藤本デニズ

なぜ、このえいがえらんだかと言うと、ぼくのいえでわ２ひきの犬をかっていて、まい日いっしょにねたりせいかつをしたりしているのでこのえいがが気になり、えらびました。

ぼくが、一ばん心にのこったのは二つあって一つは、しゅ人こうの子どもたちがごうとうにつれていかれたのでベンジーは、もう一ぴきの犬を仲間にして子どもたちをいっしょにたすけようとがんばるところと、あと一つは、子どもたちをたすけるばめんでベンジーが、体をぶつけて気ぜつしたけどいしきをとりもどしたところです。

ぜんぜん知らない土ちに行ったりすることは、ゆうきがいることだしたすけをもとめたらすてきな仲間がたすけてくれるとゆうことや、たすけだせるまであきらめない気もちにもかんどうしました。

ぼくは、まいしゅう金曜日にラグビー行ってます。ボールをとられたりするとまけた気もちになります。でも、くやしいから何回かしてるうちにボールをうばいとったりトライをきめたらすごくいい気もちになります。

ぼくもベンジーみたいにまけない気もちやまけそうになってもあきらめない気もちをもってこれからもラグビーもべんきょうもがんばろうと思います。

それに、犬のせわもまい日して長生きしてもらえるようにこれからもせわをつづけたいしかわいがりたいです。

全国優秀賞
低学年の部

楽しい通学路

香川大学教育学部附属高松小学校２年生
白井愛梨

えいがに出てくる子たちのすんでいる家や生活は、わたしとぜんぜんちがくておどろきました。学校に行く時、道のない広いサバンナを二時間もあるいて、と中でゾウに会ってしまったり、ガケの道をあるいたり、馬にのって行ったりしていました。学校に行くだけなのに、大ぼうけんみたいでした。

えいがの中の通学路は、長い時間で大へんそうだったけれど、みんな兄弟やお友だちといっしょで楽しそうでした。わたしも朝学校に行く時、お友だちといっしょだとすごく楽しいです。うれしいことがあった時はうれしいねって言って、かなしいことがあったときはそんなことがあったんだねって話します。だから、通学は、とっても大切な時間です。

みんなしょうらいのために、ゆめをじつげんさせるために学校に行くと言っていました。わたしはまだ何になりたいかはきまってないけど、学校に通ういみがわかりました。

全国優秀賞
低学年の部

かぞくをむすぶつよいちから

日南市立吾田小学校１年生
黒木偉生

もりをおいだされたシンバがスカーにかったところがこころにのこりました。まさかシンバがかつとおもわなかったからです。シンバ一人ではかてなかったとおもいます。おかあさんやなかまたち、そらのうえからみまもってくれたおとうさんが、シンバにたたかうちからをいっぱいくれたんだとおもいました。

ぼくのひいじいちゃんが七がつにてんごくにいきました。おかあさんに、０さいのぼくをだっこしたりあやしたりしてくれていたどうがをみせてもらいました。ひいじいちゃんはぼくのことがすきで、だいじなかぞくだとおもってくれていたとわかりました。

かぞくはつよいちからでむすばれているとおもいます。ひいじいちゃんがぼくをたいせつにしてくれたように、ぼくはかぞくをたのしませてにこにこえがおにしたいです。そしてかぞくでシンバのように、しあわせにくらしたいです。

全国優秀賞
低学年の部

なかまといっしょにがんばる

福岡市立和白東小学校２年生
佐藤太一

わるい心にしはいされたみつるをたすけたのはしんのすけだった。みつるは、家の中でも一人でさびしくて、外でもいじめられたりしているところは見ていて苦しかった。でも、そこにしんのすけが来てくれた。なかまだと言って、いっしょにたたかってくれた。ぼくの心もたすけられた気がした。

少し前に、人にいやなことをされた時、
「おれの親友をいじめるな。」
とぼくをかばってくれた子がいる。ようち園の時からずっといっしょにいる友だちだ。自分たちよりもずっと体が大きい相手だったけど、親友が来てくれたから、ぼくの力は二ばいくらいになった気がした。友だちとならがんばれると思った。

えいがの中でも、ひろしやみさえが、
「がんばれ。」
となんども言っていた。ぼくはなかまといっしょにがんばって未来を生きていくんだ。

全国優秀賞
中学年の部

ずっとわすれない

坂戸市立浅羽野小学校３年生
星野みのり

わたしは、「リメンバー・ミー」というえい画を見ました。このえい画を見たきっかけは死後の世界が気になったからです。人間は死んでしまうと、終わると思っていました。でも死後の世界がある事を知りました。死後の世界は、きらきらとかがやいていて、とても楽しそうな場所でした。ただ一つ、生きている人の記おくからわすれ去られると、さいごの死といって、かん全に人間はきえて死んでしまいます。すごく悲しくて、なみだが出ました。

ミゲルは、エレナやママ・イメルダから、「家族を大切にし、家族がどれほどあなたをあいしているかわすれないで。」と言われます。さいしょは、家族なんて、と思っていたミゲルでしたが、ヘクターに会って家族の大切さに気づきました。

わたしは、おぼんの時きになると家族でおばあちゃんの家に行きます。おばあちゃんの家にはゲームもないし、わたしのすきなおかしもないので正直行きたくないと思っていました。でも行ってみると、おばあちゃんが、大きくなったわたしを見てとてもよろこんで、強くだきしめてくれました。そして、わたしが赤ちゃんだったころの話をうれしそうにしてくれました。しゃしんのおじいちゃんの話もたくさん聞かせてくれました。とてもうれしそうにわたしやおじいちゃんの話をするおばあちゃんを見て、わたしもとてもあたたかい気持ちになりました。

わたしは、ミゲルと同じように、家族に大切にされていることや、いつも見まもられていることに、気がつきました。家族あいといっても目に見えないし、家族は当たり前にすぐそこにあるから、時にはやつあたりをしてしまい、てきとうにあつかってしまうこともあるけれど、これからは少しでも、家族を大切にして、思い出をたくさんつくろうと思います。

全国優秀賞
中学年の部

自分を信じる勇気

滋賀大学教育学部附属小学校３年生
山中　澪

「君のてきは失敗じゃなく恐怖だ。」
映画の中で怖がりの主人公、マリネットにかけられた言葉が忘れられません。なぜなら、私も同じだと思ったからです。

三年生になった私は、学校生活でお友達との関係になやむことが多くなりました。いつも周りを気にしている。私にはムリ。居場所が分からない。マリネットが感じていること全て、まるで私の心を写しているかのようでした。

しかし、怖がりのマリネットは勇気を出して、世界を変えようと立ち上がることで、自分の世界も変わっていきました。その時、マリネットがこう言っていました。

「新しい自分に出会うためにかくごがいる。」私は、ドキッとしました。私も周りを気にして自分はとくべつではないから何もできないと思っていたからです。私にはいつも周りからどう思われているかな、と少し怖がってしまうところがあります。本当はこうしたい、と思っていても周りの人たちの言葉にながされて言えないこともあります。その時の自分を思い出しました。

この映画をみて、自分が周りからどう思われているかを気にしてばかりいたら、ただの怖がりから抜け出せずに世界も自分も変わらないということを感じました。自分の心に正直でいることは、今の私にはむずかしいこともあるけれど、自分を信じて、前を向いてみようという「かくご」ができました。

新しい自分に出会えると思うと楽しみになりました。気持ちもやわらかく、ワクワクする気持ちもあります。忘れそうになったらまたこの作品をみて「かくご」を思い出したいと思います。自分を信じて勇気を出して夏休みから抜け出してみよう！

全国優秀賞
中学年の部

ウッディが教えてくれたこと

学校法人就実学園就実小学校４年生
河中優真

映画を見た後、ぼくは、ひさしぶりにおもちゃ箱をのぞいてみた。か面ライダーの変身ベルトやぬいぐるみ、フィギュア、ミニカーと、思っていた以上にいっぱいあった。買ってもらった物もあれば、ゆずってもらった物もたくさんある。

おもちゃを見ていると、そのおもちゃで戦いごっこをしていたことを思い出した。毎日遊んでいた。でもそれらは今、全ぜん使われなくなったウッディみたいだった。おもちゃは悲しいだろうし、もっと遊んでほしいと思っている気がした。
アンディは、おもちゃを大切にしてくれるボニーに、ウッディ達をあげた。大好きだったおもちゃをあげるのは、ちょっとさみしい。でも、大好きで大切なおもちゃだからこそ、大切に遊んでくれる人にゆずってあげた。きっと、おもちゃもうれしいと思う。

アンディはボニーにおもちゃをゆずるとき、ウッディだけは大学に連れて行こうとした。アンディにとってウッディはそれだけ特別なそんざいだ。でもウッディは仲間と一緒にのこることを選んだ。ウッディは「仲間」を一番大切にしている。ぼくはどうだろうか？

ぼくのクラスは、「みんなのことを考えて行動すること」を大切にしている。でもぼくは、自分のことを一番に考えてしまうときがあった。授業中、先生から、次のことをするから早く片付けるように言われたのに、ぼくは自分のことに集中してしまい、なかなか片付けられず、みんなを待たせてしまった。もしかしたらみんなは、「この時間がもったいない」、「自分ももっとしたかったのに」と思ったかもしれない。

だから、これからぼくは、みんなが楽しく、気持ちよくすごせることを考えて行動できるようになりたい。ウッディみたいに。

全国優秀賞
中学年の部

あこがれることはやめられない

盛岡市立桜城小学校３年生
山田遥大

ぼくはこの言葉を聞いた時
「大谷選手でも、今もあこがれているんだ。」と思いました。WBCのけっせん前の大谷選手の言葉です。
「あこがれるのやめましょう。」
は、今でもぼくは思い出します。WBCに出ていた、大谷選手とささ木ろうき選手は、ぼくのすんでいる岩手県出身なので、ぼくは同じ岩手に生まれて、ほこりに思います。このえい画を見るまで、ぼくはメキシコとのたたかいで、ささ木選手がうらであんなにないていた事をしりませんでした。

ぼくも野きゅうがすきなので、まい日校ていで友だちと野きゅうをしています。まだ、チームには入っていないので、し合をした事はありません。だから、このえい画をみた時に
「一人だけががんばるんじゃなくて、みんなできょう力する事が大事なんだ。」
としりました。ささ木選手がうたれてしまってないている所は、ぼくもくるしくなりました。でも、その分をほかの選手がホームランや、サヨナラのぎゃく点ヒットでかった時は「ぜんいんで支えあう、ぜんいん野きゅう」
を思い出しました。

学校のクラスや家でも、一人でがんばるのではなく、チームプレーだと思います。大谷選手は
「あこがれるのをやめましょう。」
と言いました。ぼくも学校では高学年の人をすごいな、と思ったり、家ではお姉ちゃんの事をすごいな、と思います。そこを目ざしてがんばります。

でも、時にはすごいなぁという
「あこがれの物さし」
をはずしてみると、いいんだと思いました。

えい画をみて、チームＪＡＰＡＮはやっぱりすごいと思いました。そしてぼくはやっぱり全選手にあこがれています。

全国優秀賞
中学年の部

ずっと、わすれない

明治学園小学校４年生
能美にな

「人は死んだらどうなるの？」
　そう聞く私に母がすすめてくれたのが、この映画だった。そう祖母を亡くしてすぐのことだ。映画を見るまでの私にとって、死はただ恐ろしいもので、おはかはできれば行きたくない、暗くて怖い場所だった。

ミゲルは死者の日に、死者の世界に迷い込んでしまう。不思議なことに、会ったことのない大昔の先祖もミゲルのことを知っていて、心配し、彼のために行動を起こしてくれる。そういえば、母はいつも私に「ひいじいじが守ってくれてるよ」と言う。私が生まれる直前に亡くなったそう祖父のことだ。きっとひいじいじも、ミゲルの家族と同じようにはらはらしたり、心配したりしながらみんなで私のことを見守ってくれているのだろう。

お盆に、ご先祖様の写真を、母が一人ずつ説明してくれた。ひいじいじ、その両親、そしてその両親。写真は古いものばかりだ。当然みんな母が生まれるよりも前に亡くなっているのに、母はまるで見てきたかのように彼らについて生き生きと話す。祖母から、そしてひいばあばから、ずっと語りつがれてきた話だそうだ。聞いていると、同じ時代を生きてはいないけれど、近いところに彼らが「いる」ような気がしてくる。まさに、思い出とともにいつまでも生き続けているのだと思う。

ヘクターは、生きてきた時の思い出が大事だと言った。私はひいばあばと一緒に生きた思い出を持っている。どんな声で、どんなふうに笑うのかも知っている。私にしか語れない思い出がたくさんある。ひいばあばの死はたしかにさみしい。でも思い出を語りつむいでいけば、ヘクターとココのようにきっと死者の国でまた会える。「死＝終わり」ではないのだ。今度おはかにも行ってみよう。古い写真たちの横に新しく並べられた、ひいばあばの笑顔の写真に向かって声をかける。

ひいばあば、ずっと、わすれないよ。

全国優秀賞
高学年の部

美女と野獣を観て

川越市立川越第一小学校５年生
中島妃奈子

わたしはとてもおく病です。一人で新しい場所に行くときや、初めてのことにちょう戦するとき、友達とちがうことをするときはいつも、失敗したらどうしよう、みんなにどう思われるかな、という心配ばかりしてしまいます。

そんなわたしにとって、この映画で出会ったベルは、信じられないほど勇かんでした。自分が正しいと思ったことをおそれずにやり通します。たとえそこが見知らぬ場所であっても、相手がこわそうな見た目の野じゅうであっても、ひるまずに自分の意見を言える勇気を持っています。わたしならおこらせないようにてき当なことを言ってご機げんをとってしまうところです。

そして、もう一つすごいところは困っている人を放っておけないやさしさも合わせ持っているところです。その相手が自分のお父さんのきはもちろん、野じゅうであっても惜しみなく手をさしのべるのです。わたしなら自分に意地悪なことをした相手がきずついているときに迷わずに助けてあげることができるかな、と思いました。

わたしは、友達からやさしいねって言われると安心した気持ちになります。多分みんなによく思われたいからなのだと思います。でも、もしかしたら友達のためになっていないようなときでも、相手をよろこばせたくて良いことを言っているときもあるかもしれないことに気づきました。もしも、ベルだったら相手が本当に良い方向に進めるように言いづらいことでも友達のために正しいことを言っていると思います。
わたしもベルのように勇気を持って、おかしいと思うことには意見を言えて、困っている人を迷わず助けてあげられるような強い信念を持った人になりたいです。

全国優秀賞
高学年の部

リトル・ダンサーを見て

星野学園小学校５年生
水村彩乃

ビリー・エリオットは、色々な困難を乗り越えながら、バレエの魅力を知り、本当のバレエを学び、最後には立派なバレエダンサーになった人物です。

ある日、ビリーが友達と、隠れてバレエを踊っていました。すると、バレエをする事に反対しているお父さんに見つかってしまいます。ビリーは気まずい雰囲気の中、考えたあげく謝らず「僕は心からバレエが好きだ！」という想いを込めて精一杯踊ってみせたのです。私はそのビリーの行動に感動し、バレエへの熱い想いに強く心を打たれました。そして、まっすぐなその想いは人の心に響き、諦めなければ願いは叶うという事を学びました。

ビリーのお父さんは、貧しい中、ビリーをロイヤルバレエ学校に入学させてくれます。11才で親元を離れ、一人で夢に向かうビリーには不安もあったと思います。ですが何年もかけ、最後にはトップバレエダンサーになり夢を叶えるのです。

私は、大好きなバレエの道に進み、必死に頑張ったビリーと今の自分を重ねました。

私はビリーと同じくバレエを習っています。しかし私は、この夏で大好きなバレエを辞めようと決めていました。一才年下の子に私のポジションをとられてしまったのです。そんな時、この映画を見ました。そして、「技術ではない。大切なのは動きと表現力だ」というビリーの先生の言葉が私の心に深くささったのです。まさに私の先生は、いつも私の動きと表現力をほめてくれます。彼女にはかなわないと諦めかけていた私でしたが、この映画を見てバレエを続けようと決心しました。さらに、親が子供を想う気持ちや、そんな親に対する感謝の気持ち。大好きだという強い想いがあるのなら、諦めないで夢に向かっていく勇気が大切だという事も学びました。

そして私は、新しいトウシューズを買ったのです。

全国優秀賞
高学年の部

一期一会

倉敷市立連島西浦小学校６年生
對馬　蓮

『人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみないと分からない。』この言葉は余命わずかな母が主人公のフォレスト・ガンプにおくった言葉です。この言葉でぼくが考えたのは、自分の人生も同じようにちょう戦するまでは何も分からないということです。

知的障害があり、母子家庭で育ったフォレスト・ガンプは、周囲の人たちに支えられ助け合いながら派乱の人生を送ります。

特に印象に残った場面がいくつかあります。

まずは、フォレストがベトナム戦争で負しょうして入院していた時にたまたま出合ったたっ球です。毎日練習していくと全米チームの一員になって活やくできるほどになりました。

次に、そのたっ球でかせいだ賞金を元手に亡き親友バッバの夢を叶えるためエビ漁の事業を立ち上げたことです。

そして、理由もなくアメリカ大陸を走り続けたことです。ただ走っていただけなのに、マスコミに平和を願って走る男と取り上げられ、共感した人々が一緒に走るようになりました。

これらに共通して言えることは、人生何が起こるか分からない、何事にも失敗をおそれずちょう戦することに意味があるということ。まさに、人生はチョコレートの箱のようなものだと思いました。

今までは、できないと決めつけたり、失敗するのをおそれてちょう戦をあまりしてこなかったけど、この映画を見て、これからはどんなことでもまずはちょう戦してみようと思いました。

そして、これから出会うすべての人や出来事には意味があると分かったので、感謝の心を忘れず大切にしていこうと思いました。

やったことないからどうしようと思っていたけど、中学校の部活を決める時には、やったことないことでも楽しみながら努力ができる部活を選びたいと思いました。

全国優秀賞
高学年の部

月と恩恵の輝き

私立徳島文理小学校６年生
岡本篤典

「苦しみのどん底で見上げる月はいつもより輝いて見えます。まるであざけり笑っているように。」

ぼくは紫夏のこの言葉にどきっとした。六年生になり進学のプレッシャーと上手くいかない友人関係にまるで味方はだれもいないように感じていた。そんな時、自分の部屋から満月が見えて、えい政や紫夏と同じように、あんなにきれいに照らしている先にはぼくはいないような気分になったのだ。

えい政が自分はこわれている、といった時も紫夏がえい政は大丈夫だと優しく大きな愛で包んでえい政は本来の自分を取り戻した。正直なところ、ぼくはまだ苦しい気持ちから抜け出せずにいるが、えい政と紫夏を見て、気付いたことがある。それはぼくにはぼくを信じて見守ってくれる親も、変わらず接してくれる友人も、こんなぼくをしたってくれる下級生もいるということだ。ついいやな気持ちに支配され、目の前にある大切なことが見えなくなっていた。そう思えた日、見えた月は、頑張れと言ってくれているように感じた。

紫夏がえい政に「つきものは落ちましたな、瞳がとても美しい。」と言った瞬間、ぼくの目からもボロボロと涙があふれた。紫夏がまるでぼくに言ってくれたように感じたからだ。

お父さんから紫夏、そしてえい政へとつながった愛情と恩恵のバトン。そのバトンをぼくもこの映画を見て受け取ったような気持ちになった。苦しくたってどん底にいるように感じたって自分が不完全で不安になったって、誰かのひと言、少しのあたたかさで何度でも立ち直ることができる。前を向いて強く生きていけると優しく背中を押してもらった。

来年は中学生になる。これからも辛い苦しい時もあると思う。でも信じてくれる人からの力を胸に、どんな時もくさらず前進していきたい。そしてぼくも愛情と恩恵のバトンをつなげる人になる。瞳をかがやかせながら。

全国優秀賞
高学年の部

初めてのしょっぱい涙

防府市立右田小学校５年生
相良綾香

これは、初めての映画館デビュー作品だ。しんちゃんが食べていた手巻きずしが、おいしそうに空を飛んでいるのを見ながら、私の座席には、大量のポップコーンとジュースが鎮座して、完成された映画鑑賞スタイルでスクリーンを見つめた。

私がこの映画で印象に残った場面や言葉は最後のシーンで非理谷充君が恐竜のような怪物になった後に、野原家のみんなと国際エスパー調整委員会の池袋教授と深谷ネギコ達が非理谷充君に「がんばれ」と言っている所だ。非理谷充君は、自分のことを負け組と思っているみたいで、そこにしんちゃんが「俺たち仲間だ。」と言っているシーンが印象的だった。私がこの映画を見て理解したことは、「世の中を生きるって、難しく厳しいな。」ということだ。映画の中で感動した所もあったけど、何もかも失敗した非理谷充君に「がんばれ」と言うことで、人生の変化の始まりを迎える時があるかもしれないと感じた。加えて、この映画は「もう一度自分を振りかえって見て欲しい。」ということを伝えたい作品と受け止めた。日本には、非理谷充君みたいに世の中を卑屈に思っている人が多いかもしれない。でも、「自分を振り返って、ゼロから考えることをやってみないか」というメッセ―ジを伝えている映画のように感じた。

私の今を振り返ってみる。習い事の宿題をしながら、私はいつも考えることがある。それは、「この宿題は、いったい誰のためにやっているのだろう。」という疑問だ。パパとママに聞くと、答えは決まって「自分のためにやりなさい。」だ。映画のエンディングで、ひろしが非理谷充君に言った言葉は、私に一つの答えを導いてくれた。

そうか、何のためにしているか分からなくなったら、大切な人のためにやればいいのか。そうすれば、私は幸せになれるのか。そう、大切な人のために…。私は涙が出た。

全国優秀賞
中学校の部

噓と二面性

名古屋市立山王中学校３年生
福島　凪

「嘘」は難しい。私は昔、おもちゃを壊してしまったと母に言うのが怖く、兄が壊したと嘘をついたことがあります。案の定、すぐに嘘はばれて、母から嘘は絶対についてはいけないと教わりました。けれどある日、母が映画を観ている時「この嘘は愛のある嘘ね。素晴らしいわ。」と言いました。私は母の言葉を聞き、私がついた嘘と映画の嘘の違いは何だろうと思い、私もその映画を見ることにしました。

その映画は『私の中のあなた』という作品で、重度の白血病の姉ケイトのドナーになるために生まれてきた妹のアナが主人公です。今まで彼女は、ケイトの治療のために自分の体を犠牲にして協力していましたが、ある日「ケイトのために自分の体を傷つけるのは嫌だ。」と両親を訴えます。しかし、本当は彼女の訴えた理由は「嘘」で「これ以上、介護で人生を無駄にしてほしくない。」と、アナに両親を訴えるようにケイトが言ったのでした。

私はこの映画を観て、私が母についた嘘とアナが両親についた嘘の違いについて考えました。どちらも「嘘」ですが、私のは自分のための嘘で、アナのは自分ではない誰かのための嘘ということに気づきました。

また、私はなぜ自分のための嘘がだめなのか疑問を持ちました。嘘をつくことで、誰かを傷つけてしまったり、ばれて怒られたりするかもしれません。しかしそれ以前に、自分が嘘をつくことによって「人は嘘をつく生き物だ」という固定観念を自分自身に植え付けてしまうと考えました。それによって、誰かと話している時に「本当のことを言っていないかも」「ひょっとして嘘かも」と、相手のことも、自分のことも信用できなくなってしまうから、嘘は自分のためについてはいけないのだと思いました。

この映画を観るまでは、「嘘」について考えたり、何かを感じたりすることはありませんでした。しかし今は、人間の“見え方”と嘘は似ているものだと考えています。人は自分から見た自分と、相手から見た自分が違うように、嘘もつく場面や、理由、つき方によっては、人を喜ばせたり、守ったりすることができます。人も嘘もある一面から見ると悪いことでも、もう一方から見たら良いことになり得ます。やはり、「嘘」は難しいのだと思いました。

しかし私は、難しいものだからこそ人は嘘をついてしまうのだと考えました。難しいからこそ嘘をついた時の達成感や快感が大きいものとなり、回数を重ねれば重ねるほど、「嘘」という沼にはまってしまいます。生活していく中で、嘘をつかなければいけない場面や状況になった時は、「嘘」について深く考え、自分なりの方法で理解しながら使わなければいけないと、この映画、『私の中のあなた』を観て学ぶことができました。

全国優秀賞
中学校の部

ひいおばあちゃんの愛

名古屋市立山王中学校２年生
池　エリナ

地球の誰もが皆、生みの親がいる。動物だってそうだ。生みの親と育ての親が違ったり、自分の生活に家族の形がなくても、たどっていけば何十億もの先祖がいる。そこに新しい命が宿るとき、また命が尽きるとき、我々は何を思うだろうか？

『リメンバー・ミー』では、音楽に憧れる少年ミゲルが「死者の国」に迷い込む。ミゲルにはもうすぐ百歳になるひいおばあちゃんの「ママ・ココ」がおり、死者の国から帰ってきたミゲルは亡くなったお父さんの事を思い出してもらうために、歌を歌う。記憶を失いかけているココが彼の歌を聞いて笑顔になるシーンで胸が熱くなった。

私にも九十九歳で亡くなったひいおばあちゃんがいた。優しく話を聞いてくれるところや、最期まで家族みんなに愛され敬われる姿が重なった。私の曽祖母は八十代になっても元気で、趣味の花植えや野菜作りを楽しんでいた。畑で一緒に食べたきゅうりの味を今でも覚えている。また曽祖母は十代の時に戦争を経験しており、戦争の怖さも教えてくれた。

映画の中でココが昔のお父さんの話をしている表情から少し後悔と切なさを感じた。ココと私の曽祖母が重なる点だけでなく、私の気持ちとも共通する点があることに気付いた。ミゲルがココに歌を聞かせた時、
「大好きだよ、ママココ。」
と伝えていた。私の曽祖母は九十二歳で脳梗塞になり、ずっと寝たきりになってしまった。いろいろな事をしてくれた曽祖母が変わってゆくのはなんだか怖かった。そして病院で亡くなったと聞かされた。私は曽祖母に「大好きだよ」と伝えていない。感謝も伝えられなかった。だから一回忌やお墓で顔を見ると、胸がチクリとする。だからもし映画のように死後の世界があるならば、一番に会いに行きたい。そして「大好きだよ」と伝えたい。

そして私に今できることは、家族を大切にすることだ。ひいおばあちゃんの優しさを、私が行動でみんなに伝えるべきだ。家族という最も小さいチームで他人を優先することができなければ、仲間や知らない誰かのために動くことはすごく難しいだろう。どんな小さなことであれ、問題に気付ける人になりたい。いつか救いの手を差し伸べられるようになるために、ひとつひとつ努力を重ねていきたい。

そして、自分にとって大切な人の存在に感謝しながら、迷わず愛を伝えたい。

全国優秀賞
中学校の部

一歩踏み出そう派

愛知教育大学附属岡崎中学校３年生
飯見奈々

この『ハイスクールミュージカル』との出会いは、小学二年生のときだ。メロディー、ハーモニー、リズム。幼いながらも感情移入し、音楽に心を乗せた。

そして現在、中学三年生。受験生である。勉強なんて嫌だと思っていたある日、気分転換にこの映画を見ようと思った。英語の勉強にもなるだろうと軽い気持ちだった。

見終わった後、感動したが発見もあった。昔は「キラキラした高校生活」に目が行ったが、今は「周りと自分のギャップ」や「挑戦すること」などのテーマが見えた。

特に、ある曲を歌うシーンに惹きつけられた。「今までどおりが一番」という曲だ。主人公トロイのミュージカル立候補に感化された仲間たちが、隠していた一面を歌いだす。しかし、他の取り巻きはその面を認めない。今までどおりが一番だというのである。

私は「今までどおりが一番派」だった。挑戦するのが良いことだとは知っている。しかし、いざやるとなると臆病。良くなることもあれば、悪くなることも十分にある。だったら変化はいらない。だからこそ、仲間の新たな一面を認められない生徒たちに共感した。

しかし、曲の中盤、キャスト全員が入り乱れて踊り始める。まさにカオスだ。その姿を見て、私はふと思った。全身で表現する彼らも、心のどこかで「今までどおりではいけない」と気づいているのではないか。これは新たな自分と今までの自分との矛盾ではないか。「今までどおりが一番派」だった彼らが「一歩踏み出そう派」になりつつある。見ていると、私にも変化を恐れる気持ちと、挑戦を喜ぶ気持ちが生まれた。それらは何かに似ていた。普段の生活で、挑戦できるチャンスが目の前に現れたときに感じる恐れと好奇心。これだと思った。私も、矛盾した気持ちを持つ一人だったのだ。

映画の終盤、トロイとガブリエラの二人は全校生徒の前で歌を披露する。しかし、ガブリエラはたくさんの観衆を見て、怖気づく。トロイは彼女に「小さかったときのように」歌おうと声をかける。その言葉は私の背中を押した。思い返してみると、昔の自分は恐れるものなどなかった。しかし、成長していくにつれ、ありのままの自分で飛び込んでいくことの恐ろしさを知り、臆病になった。だからこそ、彼の言葉は私に響いた。自分で自分の道を狭めるのはやめよう。小さなころのように踏み出そう。彼はそう教えてくれた。

私は今、受験生であり、新たな地へ踏み出そうとしている。この映画を見ないままでいたら、きっと昔と同じ「今までどおりが一番派」だっただろう。しかし私は知っている。挑戦を阻むものは結局自分の臆病さだと。私はもう、「一歩踏み出そう派」だ。

全国優秀賞
中学校の部

良心との向き合い方

沖縄県立開邦中学校３年生
大木有美

もしも目が覚めたら、そこは「ザ・ビートルズ」が「存在しない」世界だったら？

誰しも一度はその音楽を耳にしたことがあろうロックバンド、ビートルズ。この映画は、売れないミュージシャンの主人公が、事故による昏睡から覚めたら自分以外は誰も彼らを知らない世界へ来ていたという物語である。彼はビートルズの曲を使い世界的スターへの階段を登っていくが、やがて自分は盗作をしている、という葛藤に苦しみ始める。

黙っていれば世界的な名声を手に入れられるこの状況で、自分だったらどんな決断をするか。私なら、決して誰にもバレないにしても、自分は盗作をし、その上それで金を稼いでいる、という事実への罪悪感で心が壊れそうになると思った。そのため、きっと途中で逃げ出し、「仲間に聞かせるくらいなら」と、自分の中の妥協点を探るに違いない。

例え自分の心以外は知る由もない嘘であっても、人間はその嘘にずっと罪悪感と後悔を抱き続けるのだと改めて思い知った。例えば日常生活でも、テストの点数が実際より高かったのにも関わらず黙っていたり、相手は忘れているだろう昔に借りたまま返していないものがあったりと、ほとんど責められることはないはずでも、折に触れ気が咎める経験を持つ人は多いだろう。

このように、多くの人の心は、例えその大部分が大なり小なり悪事に賛成していても、必ずどこかで小さな良心が必死に諭して抑えようとしてくれるものだと思う。思いの外誘惑に弱い人間の心を全力で守ろうとしてくれる良心ささやきに耳を傾け、それに応じ自らをしっかりコントロールできるような人間になれるよう、私も努力していきたい。

劇中にも、主人公が直面する良心との葛藤が伺える場面がある。例えば、新作アルバムの発表と同時に野外ライブで「ヘルプ！」を歌うシーンだ。曲中の「ヘルプ！」という歌詞が叫んでいるようで、良心の呵責と成功へのプレッシャーのはざまで苦悩する主人公の心の叫びを表していると感じた。得た成功や期待といった財産と引き換えに、罪悪感も」どんどん膨れ上がる、ということを改めて考えさせられた。まだ、犯した悪事で得た自分の財産が少ないうちは反省し未来へ歩みを進められるが、あまりに多くなると財産と罪悪感にしか目を向けられず、結局自己の破滅へと繋がるのではないか、と私は思う。

私は、もちろん、全ての悪事が必ず罪であり償うべきものだとは思わない。しかし、この映画を見て、何かを決断する時に良心の小さな抗いを感じたら、どんなことでも耳を傾け、自分の行動の指針とすることが最終的に自分を救い未来への第一歩となる、と改めて気付くことができた。これからは、自分の良心に素直になり、その瞬間に心から「後悔しない」と思える行動や決断をなるべく取れるように、自分を磨いていきたい。

全国優秀賞
中学校の部

怪物からの導き

呉青山中学校１年生
海生玲圭

（怪物だーれだ）
映画のポスターに書かれていたその言葉に導かれ、私は怪物を探し始めた。しかし、その内容は想像をはるかに超え、身動きすらとれず、冷たくなった爪先から次第に何かに飲み込まれていった。

この映画は、一つの物語を三つの異なる視点からのぞいていく。愛する息子を全力で守ろうとする、シングルマザーの早織の視点。生徒を守る為、不器用ながら真面目に頑張っている保利先生の視点。そして、大切な友達を守る為、特別な秘密を守る為に嘘をついてしまう湊と依里の視点。

一つの視点からだけ見えた真実と、無意識の思い込みや偏見、曖昧で不確かな常識を相手に押し付け、知らないうちに傷つけ追い込んでしまうことは恐ろしい。この映画のように視点を変えてみれば、全く別の真実を突き付けられ打ちのめされてしまう。

早織も保利先生も、港と依里も校長先生も視点を変えて見れば、皆、何かを守ろうと必死だ。大切に思うあまり感情的になり、都合の良い真実だけを見ようとしてしまう。それが、他者から見たら怪物に見えようとも。彼らは決して特別な存在ではなく、怪物でもない。現実世界のどこにでもいる人間だ。

私はとても臆病な人間だ。人を傷つけたくもないし、傷つけられたくもない。いつも頭の中で色々と考え込んでしまい、適当な言葉が見つからず、ただ笑ってその場をやり過ごしてしまうことが多い。そして、後から悔やむ。その繰り返しだ。相手と激しくぶつかることも、とことん話し合うことも避けてきた気がする。周りの人に守ってもらうばかりで、誰かを守る為に必死になったこともない。誰かの痛みに本気で寄り添えたこともない気がしている。自分が情けなくなる。

この映画を観て、これからは視点を変えて考えてみたいと思う。偏見や価値観を押し付けたりせず、理解できないことは、素直に伝え話し合い、相手の気持ちをわかろうとすることを心がけていきたい。誰かの目に怪物として映らないように。

台風が去って、港と依里は眩しい光に包まれながら草むらを駆け抜ける。二人を邪魔する柵はもうない。私は目を閉じて想像する。きっと二人の前には豊かな森があり、もう少し走ると湖が見えてくる。近くには大きな木が生えていて、その一番上には小さな家がある。そこが新しい秘密基地だ。夜になると、天窓からは星がたくさん見えて、まるでそこが宇宙のように感じることができる。湊と依里には、二人で笑い合っていてほしいと心から願う。そこに怪物はいない。

（怪物だーれだ）
この映画は怪物だ。スクリーン程の大きな口に飲み込まれたまま、今も抜け出せないでいる。

特別賞
SDGｓ特別賞

命のぎせいと感しゃ

尼崎市立清和小学校４年生
元氏星莉奈

生きるためには、命のぎせいも必要だ！
こ児院で里親に引き取られて幸せにくらすのを夢見ていた子供達が、大きく育って出荷時期になると、里親が見つかったと他の子供達に話しながらも、本当は殺されてオニのエサになっていた。オニに食べられるために生かされていた食用人間だなんて、子供達は本当にかわいそうに思いました。これ以上、家族が死ぬのはいやだと願った子供達が、知恵をしぼって逃げようとする姿を見て、がんばって逃げて！と応えんしたくなりました。

そもそも、なぜオニは人間を飼ってまで人間の肉を求めるのだろう？地球上には、何万もの生物が存在しているんだから、わざわざ人間を食べなくても、他にもおいしい動物がたくさんいるのだからと、ぎ問に思いました。人間が食べるステーキやとんかつ、やき鳥やおさし身など、どれも本当においしいです。では、人間が食べる牛や鳥は何を食べるのかな？と考えると、草やこん虫を食べています。

ここでわかったことは、生きているものには、「食べる」「食べられる」の関係が生まれていること、生きるためには、他の生き物の命をいただいているということに気づきました。オニにとっての食べ物は人間であって、人間にとっての食べ物は、牛や鳥、魚。だれもが命をうばわれて食べられたくないから、逃げて生きのびようとします。食事のたびに、つかまえることができなかったり、必要な量をかくほできないことを考えて、人間は魚や動物を食用に飼育したり、養しょくしたりしていて、こ児院は、オニにとっての人間養しょく場みたいです。

私は、食べ物を食べる時には、きらいだから食べないではなく、生き物の命をいただいていることにちゃんと感しゃして、これからは食べていきたい。みんなが命の感しゃを忘れずに食事をしたら、食品ロスの問題も解決につながってくると思いました。

特別賞
TSUTAYA賞　低学年の部

ま女のたっきゅうびんを見て

板橋区立板橋第一小学校２年生
殿谷かなで

わたしは、ま女のたっきゅうびんを見ました。ま女のキキが十三さいになって町を出て、新しい町でいろいろなことがおきたけれど、その町をすきになるお話です。キキがまほうのほうきをつかって、たっきゅうびんやさんをします。しごとをしていくうちに、だんだん人のことをしんじられなくなり、まほうをうしなってしまいました。ある日、うみのちかくにあるひこうせんが風にあおられて、とばされてしまい、キキのともだちの男の子もいっしょにとばされてしまいました。なんとか男の子をたすけようとして、さっきまでとべなかったはずなのに、とべるようになりました。

キキが男の子をどうしてもたすけたい気もちがつよくなって、またまほうをつかえるようになったことがすごいと思いました。

わたしはこのお話を見て、えい画を作りたくなりました。

特別賞
TSUTAYA賞　中学年の部

戦争は終わらない

上三川町立本郷北小学校４年生
竹下維吹

ちょっと前に「千羽鶴」というえい画を見ました。このえい画は、おさない時に原子爆弾でひ爆した女の子がずっと元気だったのに戦争が終わって十年後のある日、とつぜん具合が悪くなりたおれます。原因は原爆しょうで治りょう方法はなく小学校六年生で死んでしまいます。

火垂るの墓では十四さいの清太が戦争が終わった一ヶ月後にガリガリにやせて駅でたった一人で死んでしまいます。

この二つのえい画を見て思ったことは、戦争は八月十五日に終わっても戦争のひ害はそうかん単には終わらないということです。清太の周りにも同じように食べ物がなく何人も死んでいく子どもがいました。きっと清太と同じように戦争で両親をなくして食べ物も家もたよる人もいなくてやせてのたれ死んでしまったんだと思います。

戦争は長くとりかえしのつかないひ害をうみます。国は時間をかければ元にもどることができると思います。こわれたたてものや会社、道路、町は作りなおすことができます。しかし、死んでしまった人や失った足、心はもどりません。妹の節子、お母さん、お父さん、清太も清太の家族も死んでしまうし、やさしかった親せきのおばさんも戦争のせいで心が変わってしまいました。清太が駅で死にかけている時に通りかかった人や駅員の人の言葉からも戦争が死に対しての人の心をどんかんにすることが分かります。

今世界の中で戦争をしている国は約五十くらいあるそうです。その国ではとりかえしのつかない長いひ害が今も生まれていると思うと戦争は決っしてしてはいけないと強く思いました。戦争のひ害者の多くは弱い立場にいる子どもでその後の人生にもひ害をおよぼすからです。日本でけっして二度と起きないことをねがいます。

特別賞
TSUTAYA賞　高学年の部

「いまを生きる」とは

滋賀大学教育学部附属小学校６年生
平山真央

映画感想文をかこうと思った映画の題名「いまを生きる」このフレーズは、聞きなれています。なぜなら私のかよう学校の正門の前にその言葉がほられた象のようなものがあるからです。それなのに私はいまを生きることについてふかく考えたことは、ありませんでした。でもこの映画をみてその一言について考えるキッカケになると思ってみてみました。そしていまを生きることのヒントになった３つの文について思った事をかこうと思います。

まず、一つめは、“誰がなんと言おうが言葉とアイディアで世界は変えられるんだ”という一言今は、空気をよんで周りにながされた方が気楽に生きられる時もあると思うし、みんなに意見をあわせる事もある。だけど他とは、ちがう考えをもつことでよりよい結果をつくる事になるかもしれない。無理に自分の考えをかえなくても自分自身を信じきる事が大切なんだと感じました。

２つめは“今日を楽しめ”です。過去の失敗に囚われないでいまを楽しむ事が未来の自分をじゅうじつさせることにつながると私は、思いました。

３つめは、“賢い人というのは”です。パッと思いうかべるのは、知識がたくさんある人テストでいつも満点をとる人でも本当に賢い人っていうのは、めのまえにおかれた選択を冷静にはんだん出来る人という後の言葉から知識や点数も必要。でもそれ以上に今の状況を理解して自分が正しいと思う判断をすることが重要なんだと思いました。

結果的に私が思う「いまを生きる」とは、まだまだ答えには、たどりつけません。でも、この映画をみて最後まで考えることが大切。いまをじゅうじつして過ごす。自分の意思を強く持ち自分自身を信じ、大切にすることがいまを生きる事につながるんだと私は、思いました。

特別賞
TSUTAYA賞　中学校の部

本当の幸せと夢への鍵

大阪教育大学附属天王寺中学校２年生
加藤結萌梨

現代を生きる女子、個性などないのではないか。中学二年生の中の一人の女である私はそう思う。前髪の長さ、一重より二重、痩せていなくちゃいけない……。だいたいの人が同じ理想の見た目の基準を持っているのだ。そして揃って口癖はこうである。
「私なんて全然可愛くないよ―！」
私もよく口にしたその言葉。今となっては、「自信と自己愛」に欠けていると思うのだ。

映画『ヘアスプレー（吹替版）』は、差別をテーマにした物語だ。体型（見た目）での差別と人種差別が中心である。私が深く学び、考えさせられたのは、見た目による差別についてだ。それは、私の身近でも無意識に起きていることだと感じたからだ。

中学生になり、多くの人が思春期に入る。それが原因なのだろうか、異常に見た目についてこだわり始める人が増えるのだ。私も例外ではなくその中の一人で、急に気になるようになった。髪型や服装、流行のアイテム。全ては周りに変だと思われないようにという考えからだった。体型も、痩せている方が絶対にいいという考えから、無理なダイエットを何回もしたことがある。栄養不足で倒れたこともあるほどだ。そしてたまに、ふと思うことがあるのだ。

「周りばっか気にしてなんにも楽しくない。」と。自分のために生きている感じが無くなるのだ。
じゃあ見た目のことを気にせず自由にすればいいじゃないかと思う人も多数いるだろう。それでも私たちがこんなことをする理由、こんな考え方をする訳をじっくり考えた。私が辿り着いた答えは、見た目に関する理想の基準が私たちの中でなんとなく決められていて、そのせいで完璧とは思えない自分に自信を持てないから、自分を愛せないから。これだった。『ヘアスプレー』を観て、主人公トレーシーを見て気が付いたのだ。周りに体型を何と言われようと髪型について言われても自分を曲げないのだ。そして、彼女は幸せと夢を掴み取った。それはきっと、自分への自信と愛が鍵であると思う。

では、どうすれば彼女のような「自信と自己愛」を持てるのだろう。それは、比べないことだ。トレーシーはずっと「私は私」のマインドで生きていることに気付いたのだ。周りに囚われず、自分らしさを追い求めることが、「自信と自己愛」に繋がるのではないかと思う。

この映画を観て、今の私たちは「自信と自己愛」が不足していると感じた。大袈裟かもと思うくらいに自信を持ち、自分自身を愛することは、あなたを本当の幸せと夢へと導いてくれるかもしれない。「私は私」なのだ。

私と同じような、なんとなくのモヤモヤを抱える人に届いて欲しい作品だ。

特別賞
映倫・次世代映画賞

さかなくんのことをしりたい

大阪市立築港小学校1年生
林　綾真

なぜこのえいがをみたのかというと、さかなはかせがなんでこうなったのかきになったからです。

さかながすきすぎるみいぼうはいつもさかなのことばかりかんがえて、さかなのえばっかりかいていました。いえのごはんはいつもさかなりょうりでした。

えいがのなかでおもしろかったところは、おとなになってからじつはかぞくぜんいんさかなりょうりがにがてだったときかされたところです。

すごかったところは、かぶとがにのじんこうふかににほんではじめてせいこうさせたところです。

かっているいしがきふぐのはをみがいていたのもおもしろかったです。ほんとうにふぐにはみがきができるのかきになりました。

さかなはかせはこどものころからさかながすきだったし、えをかくのもすきだったのがわかりました。

すきなことはずっとつづけていこうとおもいました。

特別賞
映倫・次世代映画賞

平和が一番

静岡サレジオ小学校5年生
内山結愛

私は、「金の国、水の国」を選びました。この映画は、敵国同士の若い二人が夫婦を演じて国の未来を変えるお話です。

選んだ理由は、戦っていた国がどのように変わり平和になったのかを、今のロシアとウクライナの戦争も重ねて考えられるといいと思ったからです。

金の国はお金はあるが水がない、水の国は水はあるが貧しい。だからそれぞれ欲しいものをうばいたい気持ちや手に入れたいと思うことは、だれにでもあると思います。でも、力でうばうのは良くないと思います。

主人公のサーラとナランバヤルは、戦いではなくお互いを思いやり気遣う心や、ナランバヤルの熱意が国を平和に導きました。

私が一番心に残ったサーラの言葉は、「いつでも難しい方の道を選んでください。後で良かったと思える」と言ったことです。なぜかというと、人は困難なことがあったら、楽な道を選んでしまうと思います。しかし、サーラは自分が傷つくことはおそれずに、辛くても周りの幸せを願う心をずっと持っているからこそ伝えられたのだと思います。

ナランバヤルの熱意からは、サーヤへの愛と国の発展を願う強さが伝わってきました。

この映画を見て、ロシアとウクライナの戦争と重ね合わせてみると、ロシアはウクライナの何かが欲しいかもしれません。ウクライナはそれをうばわれたくないかもしれません。そういう欲しい、うばわれたくないという小さなことから大きな戦争が起こってしまうです。

もし戦争が起きそうになってしまったら、ナランバヤルのように困らない対策や対応をすることも大切だし、サーラのように自分に何を言われようとおそれずに周りのことを考えて相手の言いたいことを聞いてあげることも大切だと思いました。話し合いが一番です。

特別賞
映倫・次世代映画賞

「金の国　水の国」を見て

京都市立下京中学校１年生
村田結衣

昔々、アルハミトとバイカリというとなり合う仲の悪い国はある誓いをした。それは、「アルハミトは有効の証に国で一番美しい娘を嫁としてバイカリに送り、バイカリもまた国で一番かしこい若者を婿としてアルハミトに送る」というものだった。その近いが今果たされようとしている――。

私は「金の国　水の国」という映画を見た。
この映画は五百年前の誓いを果たすため、おたがいの国から娘、若者がやってくるはずだった。しかし、アルハミトに来たのは犬、バイカリに来たのは猫だった。この事実を知られるとまた戦争になると思いかくす。ある日、アルハミトの一番美しい娘サーラとバイカリで一番かしこい若者ナランバヤルが出会い、ある理由からいつわりの夫婦を演じることに。そして、二人はひかれあい…。そんな時ある事件が起きる―。

私が一番印象に残ったのは、バイカリで受け入れがたいことを聞いたサーラがナランバヤルにやさしくだきしめられる場面だ。泣きながら「みっともない。」といったサーラを「みっともなくない。」とやさしくだきしめる姿に思わず胸に手を当ててしまうほどホッとした。さらに二人でこん難をのりこえていく姿に、太陽の光がやわらかく差し込んだようにポカポカと温かい気持ちになった。

なぜなら私も似たような経験をしたことがあったからだ。私は吹奏楽部で木管楽器で一番難しいといわれているオーボエという楽器の音色にひかれ、オーボエを担当している。オーボエパートには先ぱいがおらず、正しい音やいい音がなっておるのかも分からずまるで心の中が黒雲でうめつくされたように不安になった。さらに他の楽器の子はどんどん上手になって曲を吹いているのを見てまるで心の中で嵐がおこっているようにつらくなった。そんな時、友達が「楽器難しいよね。オーボエは特に。でも一生懸命に取り組んだらきっと上手になるよ。おたがいがんばろう。」といってくれた。その言葉でじっとしていられなくなり一生懸命練習した。指が痛くなるくらい練習した。そうすると前よりもいい音がなるようになってみるみる上達しているように感じた。

私は友達に応援してもらえてとてもうれしかったし、勇気や元気がわいてきた。きっと、サーラもナランバヤルにやさしく「みっともなくない。」といってもらえてうれしかったと思う。

この映画を見て人を思いこみではんだんしてはいけないと思った。さらに人への思いやりや勇気はとても大切だと気づかされた。これから私はサーラのように勇気を持って何事にも挑戦したい。また、ナランバヤルのようにどんな人にもやさしく、思いやりを忘すれずに一生懸命な人になりたい。そして友達やナランバヤルのようにこまっている人を助けられるような人になりたいと思った。

特別賞
映倫・次世代映画賞

好きなものとの向き合い方

埼玉県立伊奈学園中学校３年生
穂積凪沙

今、何か熱中していることはあるだろうか。読書やスポーツ、ライブなど好きなものが様々にあるのじゃないだろうか。

でも、何かを好きになるより、好きで居続ける方が難しい。ふとした瞬間に飽きてしまったり、もしかしたら周囲の人に何か言われてやめてしまうこともあるかもしれない。「そんなもの役に立たない」「そんなことしても無駄だ」と心の奥底に好きという気持ちを閉じこめてしまうかもしれない。でもそんなとき、好きなものは好きなままでいいんだと教えてくれる作品がある。それが「さかなのこ」だ。

この映画の主人公は、魚が大好きなミー坊という子だ。小さい頃に水族館で見た蛸に魅了され、どんどん魚に夢中になっていく。食べてみたり、観察してみたり、描いてみたり。父親からは「変わった子」と心配されるが、そんな父親をよそにミー坊はどんどん魚が好きになっていく。

高校生になっても変わらずのミー坊は地元の不良と魚を介して仲良くなっていく。あるとき、漁師の孫だった不良からカブトガニの世話を任されたミー坊は、高校生ながらに繁殖に成功する。卒業後は、水族館で働くも、想像していた仕事内容とは違った上に中々仕事が上手くいかず辞めてしまう。その後も魚に関する仕事をするも自分が思い描くものとは一致しないという状態が続く。そんなとき不良と再会し、テレビに出ないかと誘われる。そこから人気を博したミー坊は次第に魚にまつわる仕事が入ってくるようになる。

この映画は、大人になったミー坊が小さかった頃と同じように海へ飛び込み、魚たちと泳ぐシーンで終わる。魚に魅了されたあの頃から大人になっても変わらず、ずっと魚を好きで居続けたミー坊。全てが上手くいった訳ではないが、自分が何をやりたいことは何なのか考え実行し、それでも駄目ならまた考える。どんどんミー坊の周りに温かい人達が集まっていくのは、ミー坊が自分の好きなものを蔑ろにせず生きているからだ。始めはミー坊を変わり者だと思うが、みんなミー坊の姿を見ていると何だか応援したくなり、そして自分自身も一歩踏み出す勇気を受け取るからだ。私達も観ている内にミー坊から作中の登場人物と共に、好きなものに夢中になる勇気を貰える。

何かを好きになるより、好きで居続ける方が難しい。でも、自分の好きに蓋をし続けて豊かな人生を歩む方がもっと難しい。今好きなものは、いつか好きじゃなくなるかもしれない。でも自分がそのとき好きだと思ったものは、諦めないで信じ続けたい。それは、きっとミー坊のように好きという気持ちに素直になることだ。その方法はこの映画の中でミー坊が私達に教えてくれたのだ。

特別賞
ラーゲリより愛を込めて賞

生きるということ

春日部共栄中学校２年生
石田啓人

心臓を素手で掴まれているような感覚だった。この映画を見終えた直後の僕の心境である。

僕は幼い頃、上海に二年ほど住んでいた。幼かった僕にとって、その記憶は微かに覚えている程度である。両親から時折聞くその頃の話から微かに覚えている僕の記憶を辿ることがたまにあるくらいだが、日本ではない国と接することは過去の戦争という歴史が今につながっていることを感じる。

僕は、日本語教師をしている母から、日本にいる中国帰国者と交流した話や、台湾へ家族で旅行に行った際、第二次世界大戦の話に触れたことがあった。そのような事実を知ってはいたし、戦争はとてもつらい出来事だったということを理解することはできたが、当時の状況や生活、まさに戦っていた人達の事を深く想うことはこれまでなかった。この映画を観るまでは、当時の戦争というとても残忍で悲しい現実の中で戦う人たちの心情、精神的な気持ちまでを想像することはできなかった。

捕虜として、人間としての扱いさえされない状況。感情を奪われ、心を無にしなければ日々を乗り越えられない状況。いつ家族に会えるのかもわからず、希望など持てないほどの状況。

もし、自分がそこにいたら、ぼくは山本幡男ほどの希望を持ち続けられただろうか。仲間をかばえば自分に罰が降りかかることが見えているにも関わらず、正しいと思う行いができただろうか。自分を売り、二十五年の労働へ導いた同じ日本人を許せただろうか。上からの命令とはいえ、人に酷いことができただろうか。そうしてしまった自分を抱えて生きることができるだろうか。目の前で死んでいく人々を目の当たりにして、それでもなお、生きることを諦めずにいられるだろうか。僕はこの映画を観ながら、自分自身に何度も問いかけていたように思う。

僕は、みんなで野球をしている場面がとても心に残っている。野球という一つのことをして、みんなが笑顔になっていたあの場面は、本当に心が明るくなった。球を取りに行ったクロを見て、そこにいた全員が笑っていたあの場面はとても印象深かった。特別なことではない、自然なことで笑い合える時間は、とても大切なんだと感じた。

今、終戦から七十八年後を生きている僕は、この映画の世界と比べたら、何不自由ない日常を送っていると思う。両親のおかげではあるが、毎日腹いっぱいご飯を食べることができる。空腹の中、強制労働を強いられることもない。笑い合える友達も家族もいる。この当たり前の僕の日々は、とてもかけがえのない時間であると思う。そして僕は、こんなにも簡単に人の命を奪い、仮に生き延びても心を殺されてしまう戦争は二度と起こしてはいけないと強く思った。どの国に生まれても。

特別賞
ゴジラ賞

たがいを思いやる心

星美学園小学校3年生
中村洋翔

ぼくはゴジラのえい画が大好きです。その中で一番好きなえい画全てのものをはかいするとんでもないはかい生物デストロイアとかいじゅう王ゴジラがたたかうゴジラVSデストロイアです。

デストロイアははじめに飛翔体や集合体でゴジラジュニアにおそいかかりました。はじめのほうはデストロイアが優勢でジュニアをおいつめたのですが、ジュニアの熱線があたるとデストロイアは一どすがたをけしました。その間、バーニングゴジラがジュニアをさがしにきて東京に上陸しました。ジュニアとバーニングゴジラが出会った時、消えたと思われた。デストロイアが原子力発電所で巨大化して完全体になりました。デストロイアはバーニングゴジラをたおしてからジュニアをもちはこび東京ビックサイトにおとしました。一どはまけてしまったバーニングゴジラですが、ジュニアがしんでしまったことによりいかりがはげしくなり、デストロイアにもう一度立ち向かいました。

ぼくが一番心にのこっている場面は、仲間のジュニアのためにバーニングゴジラがデストロイアに立ち向かいメルトダウンするシーンです。なぜかというとまるでバーニングゴジラとジュニアのあいが通じあっているように感じるからです。ぼくはゴジラがメルトダウンしていくとき悲しく美しい音楽にあわせて、バーニングゴジラが自分のさい後の力をジュニアにあげてとけていくのを見て、二人のきずなは本当に強くてすてきだなと思いました。

今年に夏は、お母さんが手じゅつのため入院し、しばらく歩けませんでした。とても大変そうだったので、せんたくものたたみやはいぜんなどを自分からすすんでおてつだいしました。これからもバーニングゴジラとジュニアのように、おたがいを思いやりながら、家族みんなで助けあっていきたいと思います。

特別賞
アバター：ウェイ・オブ・ウォーター賞

家族の愛

京都市立下京中学校２年生
宮本知佳

私はこの映画を見て、サリー一家の家族愛がわかったと同時に、自分の家族を大切にしようともう一度認識ができました。この話は、アバターのジェイクなどのオマティカヤ族が住んでいたパンドラに人間が移住するため侵略してきて、争いになる話です。人間たちの侵略により、サリー一家などオマティカヤ族は住んでいる森を焼き払われ住む場所を失ったジェイクは、家族も危険な目に合わせないようにオマティカヤ族をはなれていきました。サリー一家は海で生活するメトケイナ族の元を訪れ、一緒に生活していくうちにサリー一家とメトケイナ族との絆は、深まっていった。オマティカヤ族にはトゥルクンという心をかわすクジラに似た生物もいました。しかし、トゥルクンの頭に、人間の老化を止めることが出来る物質があることを海洋物理学者は発見していました。また同じころ、人間のクリオッチ大佐がサリー一家を探し求めて、海の部族を燃やすなどしてそうさくを進めていました。そしてトゥルクンが殺されていき、戦争になってしまい子どもたちは人質となってしまいました。長男のネテヤムは人質の弟妹を助けようとしますが銃でうたれて死んでしまいます。それからも激しい戦いは続きました。ですがジェイクは水中での戦いでクリオッチに勝利し海でメトケイナ族で生活することをジェイクは決め、話はおわっています。この映画を見て、人質の子どもを助けるために命の危険がありながら、戦いに参加したサリー一家の家族同士が信じ合い助け合う姿にとても感動しました。また養子のために殺意を見せる母、ネイティリの顔は今でも心に残っています。サリー一家の、家族の絆は絶対切れない糸でどこにいてもつながっています。私もサリー一家のような家族になりたいなと思いました。私は初孫、初ひ孫で家族や親族に愛されて育ってきました。どこにいてもみんなに見守られていて私はとても幸せでした。でも映画を見てこの幸せはあたりまえではないことに気付き、家族との時間を大切にしようと思いました。また今まで助けてもらっていたのでいつか家族にお礼がで来るようにがんばりたいです。そして最後に戦争は絶対にしてはいけないことで、日本も戦争をしてさまざまな被害が出ました。「戦争はしても何も良いことはおきない。家族の絆をひきさいてしまうぐらいのいりょくがあり、たくさんの人が心に深い傷をおう戦い」だということを作者の方は映画を通して伝えたい思いだと思います。どうか世界が地球が平和でありますように。

特別賞
NBCユニバーサル賞

『バッドガイズ』=(イコール) グッドガイズ

鶴ヶ島市立長久保小学校2年生
大木　碧

さいきょうのかいとうしゅうだん「バッドガイズ」。かっこいいアクションとたくさんのユーモアなひょうげん力で、テンポよくコロコロとすすむので、グイグイと話にひきこまれました。

えいがの中で、はじめにふしぎだったのは、わるもののハズの主人公ウルフがおばあさんをうっかりたすけてしまったあと、しっぽをふってしまいあわててかくしたことです。そして、それをなかまたちにもかくしていたのも、わかりませんでした。かれらは、とてもチームワークがばつぐんでさい高のなかまだと思います。けれど少しのズレがだんだんと大きなちがいへとへんかしてしまい、みんなバラバラになりかけてしまいます。ぬすみをするなんてわるいなかまだし、まさかやさしい心やよい行いができるようになることで、バラバラになりかけたチームがまたふたたびきづなとしんらいをとりもどしていくなんておどろきました。このえいがは、ただのアクションコメディではなく、友じょうをえがいた話だと気づきました。

てきがわなをしかけるために言ったことばに「だれにでも心の中にぜんの花がある。花がさけば、ぜんのぞくぞくをかんじ、またそれをほしくなる」とありました。ウルフやスネークたちは、みんな見た目はこわいようすだけど、それだけできめつけたり、はんだんしてはいけないんだと学びました。ぼくも、友だちやあい手のことを考えた行どうをしたり、「バッドガイズ＝グッドガイズ」のように大切ななかまにであえるように、ぜんの花をさかせていきたいと思いました。

特別賞
ポニーキャニオン賞

諦めない心

京都市立下京中学校３年生
竹内　咲

「君が医師じゃないと人を救えないと思っているとしたら、良かったよ。君が医師にならなくて。」これは私がこの映画を見ていちばん心に残っているセリフです。主人公である五島先生が島の漁師、剛利の息子である、剛洋に放ったことばです。剛洋は昔、五島先生に命を救ってもらったことをきっかけに、五島先生のような先生になりたいと志し、中学受験で東京の進学校へ無事入学しました。その後、東京の医科大学に入学しましたが、上手くいかず、中退してしまいました。また、クリニックの事務として働くことにしましたがそのクリニックでは不法滞在外国人の手術も違法、高額で引き受けその際に医療事故が起きました。剛洋は薬を取るように頼まれますが、医師免許を持っていないため、何もできず目の前で亡くなっていく命に自分の無力さを感じ、どうしたら良かったのか五島先生に聞いたのです。このきつい言葉には私は二つの意味があるのではないかと考えました。

一つ目は、人を助けることに資格はいらないということです。たとえ医師の資格を持っていなかったとしても何かしら考え行動することはできます。見捨てるという選択をしてしまうような人は医師になれない、なってはならないということを伝えたかったのだと考えました。また助けたいと思う気持ちこそがいちばん大切だということを感じて欲しかったのではないかと思いました。

二つ目は、結果的に医師にならなくてもいいから何事も諦めないで欲しいということだと思いました。人の命に関わっている関わっていない関係なく諦めない心の大切さを教えてくれたのだと考えました。

もしも私が剛洋の立場だったら剛洋と同じように何も動けず終わってしまいその後も医師免許を持っていなかったから仕方ないと自分に言い聞かせてしまうと思います。実際にこの映画のような大きなことは経験したことがないですが、勉強のときに「自分は頭が悪いから仕方ない」などと自ら逃げ道を作り努力もせず終わってしまうことがあります。この映画をみて大切だと感じたことは、「諦めず自ら考え工夫し行動に移すことが、どんな状況に置かれても臨機応変に対応できる力になる」ということです。ついついテストの点数だけに一喜一憂しがちですが、結果よりも、最後まで自分なりにやり遂げたか、取り組んだ過程は間違っていなかったか、そのようなことを常に自問自答することで、自分自身の心の弱さを克服し、自ら考え行動できる人間になれるのではないかと考えました。勉強以外にも日々の生活の中で意識して取り組みたいと思います。

特別賞
東映賞

願いとやさしさ

大阪教育大学附属天王寺中学校３年生
高畑　了悟

一輝は、相棒のことを覚えながら戦おうとすると、家族のことを覚えられない。しかし、家族のことを覚えようと思うと、相棒と戦えない。それを救ったのは浮世英寿の優しさではないだろうか。

一輝は、十八年前、実家、しあわせ湯がベイルによって襲われた際、バイスと契約を結んでいた。それは、共に戦う代わりに家族の記憶を失うこと。この影響はギフとの戦いが始まった本編開始時からはじまっていた。八話の温泉旅行も物語中盤には既に消えていた。一輝とバイスはこれ以上ない、最高のバディである。しかし、十八年前の契約によって、バイス、家族どちらかしか覚えていられないようになってしまった。ギフとの最後決戦終了後、一輝は遂に大二やさくら、そして両親の存在すらも忘れてしまった。だが、バイスは異変に気付く。悪魔との契約は、条件である家族の記憶が全てなくなれば終わるはず。しかし、契約は終了していない。その理由は、一輝に五人目の家族がいた、つまり、バイスを家族として認識したからである。これによりバイスは覚悟を決め、真意を告げることなく、街で暴れた、それこそ二人の始まりのように。そうして、一輝に変身するように仕向け、自分自身の存在を忘れることと引き換えに、一輝が元の生活にもどれるようにした。バイスなりのやさしさだ。最後は、思いを吐露し、涙の別れをした。

映画では、一輝が瀕死の重傷を負った際、炎の道、現実に戻る道と光の道、死を選ぶ道の狭間に立ったとき、一輝が炎の道を選び、バイスの手をとったことにより、復活と遂げた。その後、全てが終わり、また別れることになっても、二人は笑顔で別れた。

リバイス編では、本編の伏線が多く回収された一方、ギーツ編では、多くの伏線が張られた。カゲロウが景和に触れた際、普段からは考えられないドス黒い表情をしていたり、ラストシーンでは英寿は、この時代の人間ではないことが明かされた。後に、ブジンソードの時の景和や、二千年前から記憶つきで転生してきたことがあかされた。

そんな英寿だからこそ、バイスとの笑顔の別れの裏に一輝にあった、バイスを忘れたくない、という気持ちに気付けたのではないだろうか。英寿は創世の力で願った世界を叶えるとき、常に最初の母、ミツメに近付くような願いを叶えていた。そんな英寿が他者の為に叶えた唯一の願いが「五十嵐一輝が戦いの記憶を忘れない世界」である。これにより、一輝はバイスのことを忘れることなく家族と暮らせることになった。

私がこのシーンにいても一輝のこの気持ちには気付くことはできないだろう。しかし、家族に会いたくても会えず、二千年間、生き続けた英寿だからこそ、一輝の「家族を守りたい」の裏にあった、もう一つの願いに気付くことができ、そのやさしさで叶えることができたのではないだろうか。

特別賞
プライム・ビデオ賞

夢の可能性

大谷口中学校２年生
宮地心愛

「スピリットとオポチュニティに築かれた探検の物語は、次のローバーへと引き継がれます。」人々が見守る中、ローバーを乗せたロケットが暗闇に光を与える。夢はまだ終わっていないのだ。私たちが諦めない限り。

きっかけは推奨映画であったことだ。ただ、科学部に所属し、宇宙の神秘にはとても興味がある。そのぐらいに思っていたのに、見終わった後、涙が出ていた。

この映画はNASAが開発した双子の探査車、「オポチュニティ」と「スピリット」が想定を遥かに超える長期間の活動を行い、火星調査に多大な貢献をした実話だ。

最も印象的だったのはロボットと人間との家族のような絆だと思う。問題に直面するたび、丁寧に実証し解決していく。何度失敗しても諦めず、その姿はまさに娘たちを想う親、家族そのものだった。その想いに応えた娘たち。このシーンが実話だなんて思えず、胸が熱くなった。そこまでしてチームが一丸となって突き進めた原動力はいったい何だったのだろう。私はそれについて考えてみた。

ある技術者がこう言った。「ラジオの中に人がいるのかと思った。開けたら誰もいなくて失望した。だからエンジニアをしている。」その言葉を聞いて私は驚いた。ちょっとしたきっかけでこんなに大きなプロジェクトの技術者をしているのか、と思ったからだ。だが、NASAの研究チームにはそんな経験者が集まり、一つになっているのだ。

私の夢は何だったのか、と改めて考えてみた。保育園の頃は花屋、小学校の頃はパティシエ、それだって当時の私にとって大きな夢であり憧れだった。今の私はどうだろう。夢として思い描いているものがないのが現実だ。NASAに入るだなんて非現実的で考えもしないことだ。いつの間にか手が届かないものは追い求めないようになってしまったのかもしれない。

このチームの人たちは、幼い頃のたわいもない疑問や気づきからこの長期にわたる大きなプロジェクトを成功させた。夢はちょっとした疑問や気づきから生まれる。そんなちょっとしたことでも無視をせず、向き合うことが大切だということに気づいた。そして自分で自分の限界を決めずにやりたいことに従順に。

念願叶ってプロジェクトが動き出した後も夢中になってまた次の段階に進んでいく。そうか、まだまだ夢の途中なのだ。私も夢中になって夢を追い続けてみたい。叶う夢、叶わない夢、いろいろなことを経験してその先を見てみたい。そのために、私はたくさんの出会いや気づきを大切にしていこうと思う。

夢と感動を与えてくれた姉妹は実は火星のどこかで出会っていて、次の探査車が自撮りじゃないふたりを映し出す。そんな続きを思い描いている。それが今の私の夢だ。

特別賞
プライム・ビデオ特別賞

チームを一つにするために

坂戸市立浅羽野小学校３年生
三村春翔

ぼくは、サッカーが大好きです。サッカーにひつような服やボール、くつなどを作るメーカーは、さまざまです。だれもが知っている、ナイキのくつにかんけいするプロジェクトの様子がえがかれている映画があるとしりきょうみをもちました。

「AIR／エア」という作品は、当時、新人だったマイケル・ジョーダンとナイキのバスケットボール部門のたんとうしゃたちが契約するまでの出来事がえがかれています。それまで、存在していなかった、エアジョーダンがたんじょうするまでの物語です。ソニーというスカウトマンが、たくさん考えて行動をおこします。はじめは反たいする人も多かったけれど、一人一人にしっかりせつめいして、ジョーダンをかくとくする、ひつよう性や、じゅうようせいをうったえていました。思いが伝わり、チームのみんながそれぞれのやくわりを理かいしながら、協力しあっていました。こうしょうを重ねて、ついにマイケル・ジョーダンと契約できました。

この映画を見ていんしょうてきだったのは、契約できた時にソニーが、部門のみんなとハイタッチしてよろこんでいるすがたです。みんなで連けいできたから、勝ちとれたとソニーが感じたと思います。どんなことでも一人で行うにはげんかいがあり、チームのみんなもそれぞれの力を出すことで大きな一つの力になるとおそわりました。

サッカーとにている所があると感じたので、くらべて考えてみました。サッカーは一人だけうまくてもなり立ちません。さいきん大きな大会がありましたが負けてしまいました。チームの動きがかたく、パスがつながりにくかったです。ぼくができることとして、チームを一つにするために声をかけることをもっととりくんでみます。これからも一つ一つのことをていねいに行って、人間力を高めたいです。そして、チームを強くしたいです。

入賞者

2023年グランプリ受賞作

全国優秀賞 低学年の部

全国優秀賞 中学年の部

全国優秀賞 高学年の部

全国優秀賞 中学校の部

ＳＤＧｓ特別賞

特別賞

団体賞

ーー【小学校】ーー

ーー【中学校】ーー

生きるということ

滋賀大学教育学部附属小学校2年生石井大暉

私の生き方

関西大学初等部3年生森脇望菜

『猫たちのアパートメント』をみて

豊島区立朋有小学校5年生安蔵直輝

本当の幸せと夢への鍵

大阪教育大学附属天王寺中学校2年生加藤結萌梨

ゆめってなあに？

松戸市立小金小学校１年生菅田あかり

えいが「ベンジー」を見て

上富田町立朝来小学校２年生藤本デニズ

楽しい通学路

香川大学教育学部附属高松小学校２年生白井愛梨

かぞくをむすぶつよいちから

日南市立吾田小学校１年生黒木偉生

なかまといっしょにがんばる

福岡市立和白東小学校２年生佐藤太一

ずっとわすれない

坂戸市立浅羽野小学校３年生星野みのり

自分を信じる勇気

滋賀大学教育学部附属小学校３年生山中 澪

ウッディが教えてくれたこと

学校法人就実学園就実小学校４年生河中優真

あこがれることはやめられない

盛岡市立桜城小学校３年生山田遥大

ずっと、わすれない

明治学園小学校４年生能美にな

美女と野獣を観て

川越市立川越第一小学校５年生中島妃奈子

リトル・ダンサーを見て

星野学園小学校５年生水村彩乃

一期一会

倉敷市立連島西浦小学校６年生對馬 蓮

月と恩恵の輝き

私立徳島文理小学校６年生岡本篤典

初めてのしょっぱい涙

防府市立右田小学校５年生相良綾香

噓と二面性

名古屋市立山王中学校３年生福島 凪

ひいおばあちゃんの愛

名古屋市立山王中学校２年生池 エリナ

一歩踏み出そう派

愛知教育大学附属岡崎中学校３年生飯見奈々

良心との向き合い方

沖縄県立開邦中学校３年生大木有美

怪物からの導き

呉青山中学校１年生海生玲圭

命のぎせいと感しゃ

尼崎市立清和小学校４年生元氏星莉奈

ま女のたっきゅうびんを見て

板橋区立板橋第一小学校２年生殿谷かなで

戦争は終わらない

上三川町立本郷北小学校４年生竹下維吹

「いまを生きる」とは

滋賀大学教育学部附属小学校６年生平山真央

本当の幸せと夢への鍵

大阪教育大学附属天王寺中学校２年生加藤結萌梨

さかなくんのことをしりたい

大阪市立築港小学校1年生林 綾真

平和が一番

静岡サレジオ小学校5年生内山結愛

「金の国 水の国」を見て

京都市立下京中学校１年生村田結衣

好きなものとの向き合い方

埼玉県立伊奈学園中学校３年生穂積凪沙

生きるということ

春日部共栄中学校２年生石田啓人

たがいを思いやる心

全国優秀賞　低学年の部

全国優秀賞　中学年の部

全国優秀賞　高学年の部

全国優秀賞　中学校の部

滋賀大学教育学部附属小学校2年生
石井大暉

関西大学初等部3年生
森脇望菜

豊島区立朋有小学校5年生
安蔵直輝

大阪教育大学附属天王寺中学校2年生
加藤結萌梨

松戸市立小金小学校１年生
菅田あかり

上富田町立朝来小学校２年生
藤本デニズ

香川大学教育学部附属高松小学校２年生
白井愛梨

日南市立吾田小学校１年生
黒木偉生

福岡市立和白東小学校２年生
佐藤太一

坂戸市立浅羽野小学校３年生
星野みのり

滋賀大学教育学部附属小学校３年生
山中　澪

学校法人就実学園就実小学校４年生
河中優真

盛岡市立桜城小学校３年生
山田遥大

明治学園小学校４年生
能美にな

川越市立川越第一小学校５年生
中島妃奈子

星野学園小学校５年生
水村彩乃

倉敷市立連島西浦小学校６年生
對馬　蓮

私立徳島文理小学校６年生
岡本篤典

防府市立右田小学校５年生
相良綾香

名古屋市立山王中学校３年生
福島　凪

名古屋市立山王中学校２年生
池　エリナ

愛知教育大学附属岡崎中学校３年生
飯見奈々

沖縄県立開邦中学校３年生
大木有美

呉青山中学校１年生
海生玲圭

尼崎市立清和小学校４年生
元氏星莉奈

板橋区立板橋第一小学校２年生
殿谷かなで

上三川町立本郷北小学校４年生
竹下維吹

滋賀大学教育学部附属小学校６年生
平山真央

大阪教育大学附属天王寺中学校２年生
加藤結萌梨

大阪市立築港小学校1年生
林　綾真

静岡サレジオ小学校5年生
内山結愛

「金の国　水の国」を見て

京都市立下京中学校１年生
村田結衣

埼玉県立伊奈学園中学校３年生
穂積凪沙

春日部共栄中学校２年生
石田啓人

星美学園小学校3年生
中村洋翔

京都市立下京中学校２年生
宮本知佳

鶴ヶ島市立長久保小学校2年生
大木　碧

京都市立下京中学校３年生
竹内　咲

大阪教育大学附属天王寺中学校３年生
高畑　了悟

大谷口中学校２年生
宮地心愛

坂戸市立浅羽野小学校３年生
三村春翔