
「インサイド・ヘッド」を観て
私のおばあちゃんは、認知症という病気です。たくさんの、楽しい想い出や、大切な家族のこと、小さい時に学校で、いっしょうけんめい勉強した事を忘れていく病気です。
私のことも少ししかわかりません。
インサイド・ヘッドに出てきた想い出のゴミおき場にどんどん想い出のボールがすてられて保管のたなに、ボールが少ししかありません。ヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリイカリたちも、どこかへ出かけてしまって、おばあちゃんは、あまり感情を見せてくれなくなりました。
小さい頃の歌や、お母さんが小さい頃のお話を、おばあちゃんは、とても優しい笑顔でうれしそうに話します。
たぶんスペシャルなボールは、まだおばあちゃんの頭の中には大切に残っていて、輝いているのだと思います。
この映画は、お父さん、お母さん、私の三人で観ました。
すごく楽しい想い出で、私の頭のヨロコビのボールとして保管されていると思います。
もしも、私たちの頭の中が、この映画のように、想い出の保管庫や想い出のゴミおき場があるなら、おばあちゃんのヨロコビのボールをこれ以上、ゴミおき場へすてないでほしいと強く思いました。
家族のことや、楽しかったこと、頑張ったこと、ひとつでも多く、おばあちゃんの頭の中に残しておいて下さい。
そして、こわれてしまった楽しかった頃の島が新しくできるかどうかわからないけれど、こんど会ったときに、この映画の歌とお話を私が笑顔でおばあちゃんにお話してあげようと思います。新しいヨロコビのボールが、できますように。