「千尋とハクと私」
名古屋市立植田南小学校5年生
水野安珠
今年の春、私は四年間過ごした長崎から名古屋へ引っこしてきました。
長崎の学校では、平和や福祉についてたくさん学びました。原爆の爆心地から近い学校には、平和モニュメントや被爆したクスの木、少年平和像などがたくさんあり、平和学習を深めました。また、友達と毎日楽しく遊んだり、勉強したり…。私はこの学校に通うのがとてもほこらしかったです。
名古屋に引っこすと聞いたとき、新しい学校で友達ができるのか、とても不安でした。
私と同じ10才の千尋も、転校することになり、不安な気持ちを抱えながら新しい家へ向かう途中、不思議な世界に迷い込みます。
この不思議な世界で、声をかけて勇気づけてくれたのがハクでした。千尋にとってハクは、とても大切な存在だったのです。
ハクがいたから、千尋は色々な経験を通して強くなり、成長することができました。
私にとっての不思議な世界は、初めての学校、初めての教室そして初めて見る先生、クラスの友達でした。
新しい学校になじめるのか、新しい友達はできるのか不安な気持ちでいっぱいでした。ドキドキしながら自分の席につくと、たくさんの友達が声をかけてくれました。わからない事を親切に教えてくれる友達のおかげで、私の心は晴れわたるようでした。
これからも私は、新しい場所で、新しい友達とたくさんの事を経験したいです。友達と意見が合わずに落ちこんで悩んだり、一緒に遊んで笑ったり、みんなで力を合わせ、1つの目標に向かってがんばったりしながら私も千尋のように成長していきたいです。
そして、不安な人や困っている人を見かけたら、「大丈夫だよ。」とハクのように声をかけられるような存在になりたいです。
夏休み、お父さんに頼んで、「油谷」のモデルだと言われている清洲城へ行き、私は千尋のように朱橋を息を止めて通ってみました。