金井勇太 カナイユウタ

  • 出身地:東京都福生市
  • 生年月日:1985/04/24

略歴 / Brief history

東京都福生市の生まれ。1998年、6,000人を超える一般公募者の中から選ばれ、鹿島勤監督「ズッコケ三人組・怪盗X物語」のハカセ役で主演デビュー。TBS『家族になろうよ』99などの出演を経て、2000年には山田洋次監督「十五才・学校Ⅳ」の主役に抜擢される。不登校の中学3年生が独り旅に出て、さまざまな人と触れ合い変化していく姿を丹念に演じきり、日本アカデミー賞新人俳優賞、日本映画批評家大賞新人賞などに輝く。その後も、松岡錠司監督「さよなら、クロ」03、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督「グミ・チョコレート・パイン」07、熊澤尚人監督「君に届け」10といった爽快な青春群像劇の常連として観客の郷愁をくすぐりつつ、若さゆえの痛みや輝きを絶妙に体現。その一方で、佐々部清監督「夕凪の街・桜の国」07では、恋愛もままならぬ被爆二世の苦悩を、瀧本智行監督「イキガミ」08では、かつての相棒に思い出の歌を捧げるミュージシャンの最期を通して、生命の尊さをフィルムに刻んでみせた。岩田ユキ監督の中篇「8ミリメートル」10でも別れた恋人を忘れらない青年の未練や切なさを妙演するなど、重ねた年齢を演技にも着実に反映させていく。自身は生粋の都会っ子であるが、地方出身者を演じる機会が多く、行動派の主人公に翻弄される凡人のペーソスをにじませた李相日監督「69/sixty nine」04の長崎、母親と離ればなれのヒロインを支える幼なじみを好演した熊澤監督「ニライカナイからの手紙」05の沖縄、遠距離恋愛によって出会いと別れを繰り返す主人公の友人に扮した土井裕泰監督「ハナミズキ」10の北海道と、各地の風土を身体に染み込ませるような卓抜したチューニング能力を発揮する。テレビドラマも、フジテレビ『危険なアネキ』05、NHK『スロースタート』07、『江・姫たちの戦国』11、テレビ東京『トラブルマン』10など多数に出演。とりわけ、フジテレビ『ギルティ・悪魔と契約した女』10では薬物中毒の快楽殺人者を怪演し、イメージを一新させた。

金井勇太の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 風よ あらしよ 劇場版

    制作年: 2023
    大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝を描き第55回吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説原作、吉高由里子主演の2022年放送のNHKドラマを映画化。家のための結婚を蹴り上京した伊藤野枝は、青鞜社に入り婦人解放を訴え、波乱に満ちた人生を歩むが……。吉高由里子が主演した2014年NHK 朝の連続テレビ小説『花子とアン』のディレクターを務めた柳川強が演出を手がけ、2016年放送のTBSドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』で第35回向田邦子賞を受賞した矢島弘一が脚本を担当。短くも激しい人生を送る伊藤野枝を吉高由里子が、平塚らいてうを松下奈緒が、野枝の第一の夫であるダダイスト・辻潤を「正欲」の稲垣吾郎が、後のパートナーとなる無政府主義者・大杉栄を「福田村事件」の永山瑛太が演じる。
  • 仕掛人・藤枝梅安2

    制作年: 2023
    池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』『剣客商売』とともに人気の高いシリーズを映画化する第一弾。人の命を救う「鍼医」と人を殺める「仕掛人」という二つの顔をもつダークヒーロー・藤枝梅安が、江戸ノアールの世界で活躍する。清濁あわせのむ矛盾した存在・梅安を演じるのは、「必死剣 鳥刺し」「ミッドウェイ」の豊川悦司。相棒の彦次郎を片岡愛之助が演じる。同じく池波原作である「雨の首ふり坂」の大森寿美男が脚本を書き、河毛俊作が監督。2月3日公開の「仕掛人・藤枝梅安」に続く二作目は、一ノ瀬颯、椎名桔平、佐藤浩市らが出演。
  • 劇場版 美しい彼 eternal

    制作年: 2023
    凪良ゆうによるBL小説を原作にテレビドラマ化した『美しい彼』の劇場版。紆余曲折の末、恋人同士になり同棲中の平良と清居。大学卒業を控え、人気カメラマンのアシスタントとして働き始める平良だったが、俳優の道を進む清居との距離を少しずつ置くようになり……。テレビ版に続き、平良を「牛首村」の萩原利久が、清居をFANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征が演じ、脚本の坪田文、監督の酒井麻衣も続投。
  • ラーゲリより愛を込めて

    制作年: 2022
    辺見じゅんのノンフィクション『収容所から来た遺書』を二宮和也主演で映画化。第二次世界大戦終結後、シベリアの強制収容所(=ラーゲリ)に抑留され、死と隣り合わせの日々を過ごしながらも、生きることを諦めず、仲間たちを励まし続けた山本幡男の半生を描く。共演は「大河への道」の北川景子、「流浪の月」の松坂桃李、「桜のような僕の恋人」の中島健人。監督は「とんび」の瀬々敬久。
  • 大綱引の恋

    制作年: 2020
    「八重子のハミング」などを手がけた佐々部清監督の遺作となった、薩摩川内市を舞台にしたラブストーリー。35歳にしてまだ独身である鳶職・有馬組の三代目・武志は、駅で倒れた老人の救命措置を一緒に行った韓国人女性研修医のジヒョンと心を通わせるが……。400年以上続く伝統行事で薩摩川内市の三大イベントのひとつである川内大綱引を題材に、家族を軸にした物語の中で男女の愛を描き出していく。主人公の有馬武志を「大コメ騒動」の三浦貴大が、ジヒョンを「どすこい!すけひら」の知英が演じる。また、数々の佐々部監督作品に参加し本作でも武志の父親役として出演する西田聖志郎が、本作の企画・原案を務めている。2020年10月31日より鹿児島先行公開。
  • サイレント・トーキョー

    制作年: 2020
    秦建日子による小説『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』を「SP」シリーズの波多野貴文監督が映画化。クリスマス・イブの東京で突如発生した連続爆破テロ事件と、事件に巻き込まれていく政府・警察・マスコミ・市民の様々な思惑が交錯するサスペンス。出演は「Fukushima 50」の佐藤浩市、「マチネの終わりに」の石田ゆり子、「空母いぶき」の西島秀俊。