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  • 第93回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞を受賞するなど、硬軟自在の高い演技力で幅広い役柄を演じてきた成田凌。彼のハマリ役の一つに、サスペンスミステリー映画「スマホを落としただけなのに」シリーズで演じてきた、”連続殺人鬼・浦野善治”がある。 物語と登場人物を引き継ぎながらも、主人公が毎回変わるというユニークな設定のシリーズ第3弾「スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム」(11月1日公開)では、ついに浦野を主人公となり、シリーズを締め括る衝撃的な内容となっている。 国内外で注目を浴びる大人気シリーズ 現代社会ならではの恐怖の連鎖を描く「スマホを落としただけなのに」シリーズは、志駕晃の同名ベストセラー小説を原作に、第1作の「スマホを落としただけなのに」が2018年に劇場公開。興行収入19億6千万円をあげる大ヒットを記録した。2020年には同名続編小説を映画化した第2作「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」が公開され、コロナ禍で映画館の休館が相次いだ時期にもかかわらず、11億9千万円の興行収入をあげた。また、原作はオーディオブック、ラジオドラマ、朗読劇、舞台など、さまざまなメディアミックスも行われたほか、韓国でも映画化され、中国でもリメイクが準備中と、国内外で注目を浴びる人気作品として成長してきた。 そして映画シリーズ第3弾となる最新作は、志駕晃の続編小説『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』が原作。シリーズキャストはもちろん、いまやジャパニーズホラーの第一人者となった中田秀夫監督や、脚本の大石哲也などのメインスタッフも続投し、3部作の最終章にふさわしい物語が描かれる。 シリーズものには大人の事情で主人公やキャストが変わることもあるが、このシリーズはキャスト陣が続投しながらも、物語の展開にあわせて毎回主人公が変わってきたのも面白い。 第1作「スマホを落としただけなのに」の主人公は、北川景子が演じた稲葉麻美。彼女の彼氏・富田誠(田中圭)がスマホを落としたことをきっかけに個人情報が流出し、麻美は長い黒髪女性に執着する連続殺人鬼・浦野善治(成田凌)に命を狙われてしまった。 第2作「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主人公は、前作で浦野を逮捕した千葉雄大が演じた刑事・加賀谷学。謎のブラックハッカー“M”の捜査のため、加賀谷は天才的ブラックハッカーでもある浦野の力を借りざるを得なくなり、刑事と連続殺人鬼が禁断のバディを結成。ブラックハッカー“M”の事件は解決に至るものの、その過程で加賀谷の彼女・松田美乃里(白石麻衣)の命が狙われ、浦野の逃亡を許してしまった。 「人生を変えてくれた大好きな役」と語る成田凌が狂気の殺人鬼を怪演 そして前作で刑務所内からサイバー攻撃を計画し、警察内の混乱に乗じて海外逃亡した浦野が、本作では遂に主人公となり、韓国・ソウルに潜伏していたことが発覚。そのブラックハッカーとしての腕を買われた浦野は、日本政府への大規模なサイバーテロ攻撃を計画する韓国の反政府組織“ムグンファ”に強制的に取り込まれてしまう。 日本と韓国を股にかけ、日本政府への大規模サイバーテロ攻撃が仕掛けられる本作は、シリーズ最大スケールの物語が展開。田中圭の演じた普通の会社員・富田が、タクシー内でスマホを落とし、他人に拾われてしまったという、誰にでも起こりうる小さな事件から始まった物語が、シリーズ3本で国境も越え、国家規模のテロ攻撃の物語にまで発展するとは、誰にも想像できなかっただろう。 毎回、予測できない展開で楽しませてきた本シリーズだが、最終章というだけに、シリーズキャラクターが総出演し、浦野と加賀谷の因縁の決着はもちろん、様々な伏線の回収や、衝撃の結末が描かれ、シリーズを見続けてきたファンにとっては、最高傑作となっている。また、本作は悪役・浦野を深堀りし、狂気のルーツなど初めて描かれることも多いため、シリーズ未見の方にも、浦野という人の心を操る天才的ブラックハッカーのダークヒーローを描くサスペンスミステリーとして、本作単体でも楽しめることだろう。 第1作で成田は、浦野の狂気を最高の不気味な怪演で表現。それは何度見ても強烈なインパクトがあり、トラウマとなった人も多いという。シリーズに欠かせない代表キャラとなり、今回は主役にまで昇格した浦野を演じてきた成田は、最新作の公開前にシリーズ第1作と第2作が地上波放送されることにあわせて、「よく言われます。スマホの映画を観てからすごく苦手ですとかトラウマですとか、こっちみないでとか、散々です」とコメント。喫茶店で女子高生が「あの作品を見てから成田凌苦手、わかるー」と盛り上がっていたことを偶然耳にしたエピソードも披露していた。それはある意味「役者冥利に尽きる」し、浦野は「大好きな役」であるとも語り、「私ごと嫌いにならないでください」「役ですからね!」とのお願いもユーモアたっぷりに伝えている。また、映画化発表時の公式コメントで「自分の人生を変えてくれた役」とも語っており、成田にとって思い入れの深い役であることは間違いないようだ。 誰が味方で誰が敵かもわからないスリリングな物語 主人公が変わっても、シリーズキャストが再登場し、続編ならではの奥深い物語を楽しめるのが魅力の一つのため、浦野と因縁深い刑事・加賀谷役の千葉雄大、加賀谷の亡き父を知る警察庁公安部刑事・兵藤役の井浦新、物語のきっかけを作った富田役の田中圭、加賀谷の妻となった美乃里役の白石麻衣、加賀谷の先輩刑事・毒島役の原田泰造らも出演。彼等の中には真の顔を隠し初めて本性を明かす者もいる。浦野も含め、善悪の境界線が曖昧で、誰が味方で誰が敵かもわからない。 もちろん新キャストも登場。その最大のキーマンとなるのが、日韓合同アイドルグループIZ*ONE(アイズワン)でリーダーを務め、現在はソロアーティストとして活躍する K-POP スターのクォン・ウンビが演じたスミン。韓国の反政府組織で浦野の世話役兼監視役を務めることになる彼女は、浦野が執着してきた長い黒髪の美女。二人の関係性は、物語の大きな鍵を握ることになる。さらに、大谷亮平、佐野史郎、真飛聖、利重剛、猪塚健太、髙石あかりなどの多彩な新キャストも出演し、スリリングな物語が展開される。 身近な生活必需品のスマートフォンを落としたことから始まった恐怖の連鎖の結末がどうなるのか。本作の完成披露舞台挨拶で成田は、結末について「笑いました」「(最後の表情は)ハッピーエンド」だと意味深な発言をしている。その意味は、見ていただければわかるとしか言えないが、シリーズを通して描いてきた“ゆがんだ愛”の狂気の決着には、ゾッとする方もいれば、ニヤリとする方もいるはずで、まさに“衝撃の結末”という言葉に偽りなしの作品と言えるだろう。   文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=dQVGsUGCsIA 「スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム」 11月1日(金)より全国東宝系にて公開 2024年/日本/116分   監督:中田秀夫 原作:志駕晃『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』(宝島社文庫) 脚本:大石哲也 音楽:堤博明、カワイヒデヒロ 主題歌:imase「Dried Flower」(Virgin Music/ユニバーサルミュージック) 出演:成田 凌、クォン・ウンビ 大谷亮平、白石麻衣/井浦 新、佐野史郎、真飛 聖、利重 剛、猪塚健太、髙石あかり、田中 圭(特別出演)、原田泰造(特別出演) /千葉雄大 配給:東宝 ©2024「スマホを落としただけなのに最終章」製作委員会 公式HP:https://sumaho-movie.jp/
  •   「ブランカニエベス」のパブロ・ベルヘル監督が、ひとりぼっちの“ドッグ”と友達ロボットとの交流を描き、第96回アカデミー賞長編アニメーション映画賞ノミネートをはじめ各国賞レースを賑わせた「ロボット・ドリームズ」が、11月8日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で公開される。ハロウィンのシーンの画像が到着した。             ドラキュラに仮装したドッグ、「シャイニング」の双子の少女や「エルム街の悪夢」のフレディ・クルーガーに扮して菓子をねだる子どもたち、羽に《Happy Halloween》とペイントしたコウモリなど、楽しさ満点。一方でドッグと離ればなれになった友達ロボットに扮した子どもの登場シーンは、切なさを呼ぶ。 11月4日(月・祝)の先行上映で監督の舞台挨拶とサイン会を行うことも決定。併せてチェックしたい。   https://www.youtube.com/watch?v=7zXF-qD1ybY   Story 大都会ニューヨークで孤独に暮らすドッグは、テレビCMで知った友達ロボットを発注。彼らは街の名所を巡りながら友情を育み、世界を色づかせていく。しかし夏の終わりの海水浴で、ロボットが錆びて動けなくなり、両者は離ればなれに。再会を心待ちにしながらそれぞれ時を過ごし、また夏がやってくる──。   © 2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL 配給:クロックワークス ▶︎ ドッグとロボットの愛おしい友情。アカデミー賞長編アニメーション映画賞ノミネート「ロボット・ドリームズ」
  • [caption id="attachment_43490" align="aligncenter" width="931"] 「ゴジラVSモスラ」[/caption] 昭和・平成を彩った人気スター、キャラクターの作品が登場する。キャラクターでは、今年生誕70年を迎えたゴジラの『平成・VSシリーズ』6作品を一挙に放送。84年、9年ぶりにスクリーンへ復帰したゴジラは、89年の「ゴジラVSビオランテ」を皮切りに、物語が連続する『平成・VSシリーズ』へと発展した。「ゴジラVSキングギドラ」(91)はタイムパラドックスによるSF、「ゴジラVSメカゴジラ」(93)ではメカゴジラを対ゴジラ兵器として登場させるなど、いずれもアイデアを凝らした娯楽大作になっている。中でも「ゴジラVSモスラ」(92)は、「シン・ゴジラ」(16)に破られるまで、平成以降に作られたゴジラ映画として最高の観客動員数を誇った大ヒット作。『インディ・ジョーンズ』ばりの冒険活劇の要素も盛り込み、ゴジラとモスラ、バトラの三つ巴の戦いが横浜みなとみらい21で展開する。今回は他にも「ゴジラVSスペースゴジラ」(94)と、〝ゴジラ、死す〞のキャッチコピーも話題になった『平成・VSシリーズ』最終作、「ゴジラVSデストロイア」(95)を放送する。   [caption id="attachment_43494" align="aligncenter" width="1024"] 「Wの悲劇」[/caption] 薬師丸ひろ子は1970年代後半から80年代半ばにかけて、角川映画が生み出した最大のスターだった。彼女は中学1年生のときに「野性の証明」(78)のヒロイン役オーディションに合格し、以降は角川映画の主演女優としてヒット作を連発。特にやくざの組長になる女子高生を演じた相米慎二監督の「セーラー服と機関銃」(81)で、一躍トップスターの座に躍り出た。今回は彼女が角川映画時代に出演した7作品を一挙に放送する。青春SF「ねらわれた学園」(81)、松田優作と共演した「探偵物語」(83)、深作欣二監督によるアクション時代劇「里見八犬伝」(83)、森田芳光監督と組んだロードムービー「メイン・テーマ」(84)と、作品ごとに新たな魅力を見せていったが、女優としての表現力と輝きを最も放った作品として、澤井信一郎監督の「Wの悲劇」(84)をお薦めしたい。原作は夏樹静子のミステリー小説だが、ここでは原作を劇中劇として使い、物語はスキャンダルに巻き込まれた、劇団の若手女優のラブストーリーにしている。無名の女の子から主演女優へと上りつめるヒロインを見事に演じた薬師丸は、この演技でブルーリボン賞主演女優賞を受賞。名実ともに映画界のスターになっていった。   [caption id="attachment_43495" align="aligncenter" width="1024"] 「懲役太郎 まむしの兄弟」[/caption] 1960年代後半から70年代、東映で活躍したのが菅原文太である。新東宝から松竹を経て、67年に東映へと移籍した彼は、73年に始まる「仁義なき戦い」シリーズでトップスターの座を手にした。今回は東映時代の出演作6本が放送される。東映での初主演作「現代やくざ 与太者の掟」(69)や「日本の仁義」(77)、「総長の首」(79)といった大作、孤独な渡世人に扮した「木枯し紋次郎」(72)、文太がスターとして浮上するきっかけを作った「関東テキヤ一家」(69)などが登場するが、ここでは彼のコミカルな魅力が光る「懲役太郎 まむしの兄弟」(71)に注目。ハードなやくざ映画に出ながら、一方で〝ゴロ政〞という無鉄砲な男に扮して義兄弟役の川地民夫と絶妙の掛け合いを見せる、こういうコメディやくざ映画もこなすところに、菅原文太の俳優としての奥行きが感じられる。   文=金澤誠 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年11月号より転載)   BS松竹東急 BS260ch/全国無料放送のBSチャンネル ※よる8銀座シネマは『一番身近な映画館』、土曜ゴールデンシアターは『魂をゆさぶる映画』をコンセプトにノーカット、完全無料で年間300本以上の映画を放送。 ■11/6[水] 夜8時 「ゴジラVSモスラ」 監督:大河原孝夫 出演:別所哲也、小林聡美、村田雄浩 ほか © 1992 TOHO STUDIOS CO., LTD. ■11/18[月] 夜8時 「Wの悲劇」 監督:澤井信一郎 出演:薬師丸ひろ子、世良公則、 三田佳子 ほか © KADOKAWA 1984 ■11/27[水] 夜8時 「懲役太郎 まむしの兄弟」  監督:中島貞夫 出演:菅原文太、安藤昇、川地民夫、岩上瑛、佐藤友美、 ほか © 東映 詳細はこちら:https://www.shochiku-tokyu.co.jp/special/eiga/  
  • ダークなストップモーション・アニメと実写を融合させ、ファンタスティック・フェスト監督賞受賞ほか、各国の映画祭で話題となったホラー「ストップモーション」が2025年1月17日に全国公開が決定。日本版ビジュアル、予告編、場面写真を解禁された。     主演は、アシュリン・フランチオージ。監督はストップモーション・アニメの短編「Bobby Yeah」が英国アカデミー賞最優秀短編アニメ賞にノミネートされたロバート・モーガン。本作は彼の記念すべき長編監督デビュー作となる。 解禁されたビジュアルには、破られた顔から覗く少女の人形が描かれ、見た瞬間に鳥肌が立つほど強い不安感を与える。予告編では、創作に苦悩する主人公が謎の少女との出会いをきっかけに狂気に満ちた世界へと引き込まれていく様子を描く。誰もみたこともないモンスターたちが禍々しい姿で登場するのも見どころだ。ホラー漫画家の伊藤潤二氏は、『一コマずつ動かして人形に魂を与えるのがストップモーションアニメだとすれば、本作の人形はその材料から不気味な姿形に至るまで、魂を与えてはいけないヤバさです!しかし、それは私の期待通りに魂を得てしまいました!』と絶賛のコメントを寄せている。   https://www.youtube.com/watch?v=nixf2BOB_04   Story 偉大なストップモーション・アニメーターであるスザンヌ・ブレイクの愛娘エラは、母の病により中断された作品を完成させようと奮闘する。しかし、独力では作業が進まず、偶然出会った謎の少女の力を借りながら制作を進めるが、次第に現実と虚構の壁が崩壊し精神的に追い詰められていく...。   「ストップモーション」 監督・脚本:ロバート・モーガン 出演:アシュリン・フランチオージ、トム・ヨーク、ケイリン・スプリンゴール、セリカ・ウィルソン・リード and ステラ・ゴネット 2023年/イギリス/英語/93分/16:9/5.1ch/カラー/原題:Stopmotion PG-12 配給:スターキャット宣伝:AMGエンタテインメント © Bluelight Stopmotion Limited / The British Film Institute 2023
  •   巨匠ペドロ・アルモドバルがティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアの共演により、病に侵され安楽死を望む主人公と寄り添う親友とのかけがえのない数日間を描き、第81回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」が、2025年1月31日(金)より全国公開される。     重病に侵されたマーサ(ティルダ・スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会し、会わなかった時間を埋めるように病室で語らう日々を送っていた。治療を拒んで安楽死を望むマーサは、最期に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末にそれを受け入れたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」とマーサは言い、残された日々が始まる──。 アルモドバルのフィルモグラフィで英語による長編は初めて。持ち前の映像センスで紡ぎ、「魂を激しく揺さぶられる」(TIME)、「心の奥に深く刻まれる」(Vanity Fair)、「命の輝きを描く物語」(Deadline)と称えられた話題作だ。     「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」 監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 原作:シーグリッド・ヌーネス「What Are You Going Through」 出演:ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タートゥーロ、アレッサンドロ・ニボラ 配給:ワーナー ブラザース映画 原題:The Room Next Door/2024年/スペイン ©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©El Deseo. Photo by Iglesias Más.