小学校 高学年の部
最優秀賞
ぼくは中学生になりたいけど、小学校を卒業したくない。ずっとこのままでいたいと思うけれど、新しいことにもチャレンジしたい。ネコたちも多分、そう。
『猫たちのアパートメント』は、韓国で大きな団地が取りこわされて、そこに住んでいた二百五十匹のネコたちのために、新しい生活の場所を探す映画だ。ぼくはこの映画を見たあと、どこにもよりみちしないで、まっすぐに家のとなりの神社へ向かった。とつじょこの神社のネコたちが、自分の仲間のように感じたからだ。
あの韓国のネコたちは、どんな気持ちで団地から新しい場所へ引っこしをしたんだろうか。ごはんのじかんになると会いに来て、決まった場所にエサをおいていってくれる人たちが、あるとき来なくなる。あたりまえのようにいた人たちに会えない。つかまえられてカゴに入れられて、次の日から新しい家族、新しい町での生活が始まる。ぼくは小学校を二回転校しているから、このときのネコたちの気持ちを勝手に想ぞうして、勝手に同情してしまった。四年生の三学期に今の小学校へ転校するとき、先生や家族に転校の理由は説明してもらったけれど、それでも友だちや先生たちとのお別れはつらくて、本当にいやだった。
今の小学校に転校して、半年がたった。ぼくはいつも心のどこかで「もどりたいなぁ」と思っているけれど、前の小学校にもどるということは、今の友だちとはなれてしまうということだ。それもぜったいにいやだなぁと思っている。
あの映画のネコたちも、ぼくと同じ気持ちなんじゃないだろうか。団地の人や仲間とお別れしてとてもさみしいけれど、今はとても楽しい。このくらしがずっと続けばいいなと思っているのかもしれない。後ろを見ながら前に歩くのはとてもむずかしい。
小学校 高学年の部
最優秀賞
わたしはとてもおく病です。一人で新しい場所に行くときや、初めてのことにちょう戦するとき、友達とちがうことをするときはいつも、失敗したらどうしよう、みんなにどう思われるかな、という心配ばかりしてしまいます。
そんなわたしにとって、この映画で出会ったベルは、信じられないほど勇かんでした。自分が正しいと思ったことをおそれずにやり通します。たとえそこが見知らぬ場所であっても、相手がこわそうな見た目の野じゅうであっても、ひるまずに自分の意見を言える勇気を持っています。わたしならおこらせないようにてき当なことを言ってご機げんをとってしまうところです。
そして、もう一つすごいところは困っている人を放っておけないやさしさも合わせ持っているところです。その相手が自分のお父さんのきはもちろん、野じゅうであっても惜しみなく手をさしのべるのです。わたしなら自分に意地悪なことをした相手がきずついているときに迷わずに助けてあげることができるかな、と思いました。
わたしは、友達からやさしいねって言われると安心した気持ちになります。多分みんなによく思われたいからなのだと思います。でも、もしかしたら友達のためになっていないようなときでも、相手をよろこばせたくて良いことを言っているときもあるかもしれないことに気づきました。もしも、ベルだったら相手が本当に良い方向に進めるように言いづらいことでも友達のために正しいことを言っていると思います。
わたしもベルのように勇気を持って、おかしいと思うことには意見を言えて、困っている人を迷わず助けてあげられるような強い信念を持った人になりたいです。