長塚圭史 ナガツカケイシ

  • 出身地:東京都
  • 生年月日:1975/05/09

略歴 / Brief history

東京都の生まれ。父は俳優の長塚京三。早稲田大学第二文学部演劇専修在学中の1996年に、演劇プロデュースユニット“阿佐ヶ谷スパイダース”を旗揚げ。出演も兼ねて、同劇団の作・演出家として多数の舞台で活躍を続ける。フジテレビ『世にも奇妙な物語・秋の特別編』98の一篇『ホーム、スィートホーム』と、日本テレビの深夜ドラマ『東京らぶ』00では脚本を手がけ、映像業界でも徐々に頭角を現す。俳優としては、市川準監督「ざわざわ下北沢」00で喫茶店の跡取り息子・章介役で映画初出演。翌01年の石川寛監督「tokyo.sora」では流行らない喫茶店のマスターを演じ、高崎映画祭新人男優賞を受賞した。その後も、井筒和幸監督「ゲロッパ!」03、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督「1980」03などに出演し、脇役ながらも光る演技を見せる。なりゆきで出会った男女3人が織りなすおかしくもせつない道行きを描いた山下敦弘監督「リアリズムの宿」04では、駆け出しの脚本家・坪井小助役で初主演も果たし、冴えない20代男性のリアルをユーモラスに好演した。その独特な存在感からか個性的な役柄が多く、風間志織監督「せかいのおわり」05ではバイセクシャルの店長、行定勲監督「遠くの空に消えた」07では弟を失くして正気を失ってしまった兄、マイケル・アリアス監督「ヘブンズ・ドア」09では車を盗んだ主人公を執拗に追いかける不気味な悪役と幅広い役柄をこなす。若きジャーナリストと活動家の葛藤を描いた山下監督「マイ・バック・ページ」11では、東大全共闘議長・唐谷義朗を熱演した。テレビドラマも、フジテレビ『アンティーク・西洋骨董洋菓子店』01で、滝沢秀明演じる主人公の元ボクサーのライバルだった鬼塚トオル役をふてぶてしく演じて注目を集める。NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』09では、ヒロインに恋するキザなイラストレーター・佐古役でそれまでのイメージを一新、さらなる人気を獲得した。舞台の作・演出での活躍もめざましく、04年の『はたらくおとこ』『ピローマン』で朝日舞台芸術賞と芸術選奨文部科学大臣新人賞、『ラストショウ』05で読売演劇大賞優秀作品賞、『ウィー・トーマス』06で読売演劇大賞優秀演出家賞をそれぞれ受賞。11年、演劇のさらなる可能性を探るべく、阿佐ヶ谷スパイダースとは別の新プロジェクト“葛河思潮社”を起ち上げた。09年、「ゲロッパ!」で共演した常盤貴子と結婚。

長塚圭史の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 百花

    制作年: 2022
    プロデューサー、脚本家、小説家として活躍する川村元気が自身の小説を自ら映画化した長編監督デビュー作。レコード会社勤務の葛西泉と、母・百合子は過去のある事件をきっかけに、わだかまりを感じながら過ごしていた。そんなある日、百合子が認知症と診断され……。出演は「花束みたいな恋をした」の菅田将暉、「蜩の記」の原田美枝子、「MOTHER マザー」の長澤まさみ、「パターソン」の永瀬正敏。
  • シン・ウルトラマン

    制作年: 2021
    1966年の放送開始以来、今なお根強い人気を誇る、“ウルトラマン”を企画・脚本庵野秀明、監督・樋口真嗣の「シン・ゴジラ」コンビが映画化。次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。通常兵器が役に立たない禍威獣に対するため、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍特対(カトクタイ)】を設立。メンバーは日々任務にあたっていた。そんなある日、大気圏外から銀色の巨人が突然出現し……主人公の神永新二を斎藤工、彼とバディを組む浅見弘子を長澤まさみが演じる。西島秀俊、Hey! Say! JUMPの有岡大貴、早見あかりらが脇を固めている。
  • 海辺の映画館 キネマの玉手箱

    制作年: 2019
    大林宣彦監督が20年ぶりに出身地である広島県尾道でメインロケを敢行、戦争や映画の歴史を辿るファンタジー劇。尾道の海辺にある映画館が閉館の日を迎え、日本の戦争映画大特集のオールナイト興行を見ていた3人の若者がスクリーンの世界へタイムリープする。大林作品に多数出演する厚木拓郎と細山田隆人、「武蔵 -むさし-」に主演した細田善彦が銀幕の世界にタイムリープし移動劇団『桜隊』の運命を変えようとする3人の若者を、『桜隊』の看板女優を「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」と近年の大林作品を支える常盤貴子が演じる。第32回東京国際映画祭Japan Now部門にてワールドプレミア上映、大林監督に特別功労賞が授与された。
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  • 花筐/HANAGATAMI

    制作年: 2017
    檀一雄による同名短編小説を大林宣彦監督が映画化。「この空の花 長岡花火物語」「野のなななのか」に続く“戦争三部作”の最終章。1941年の佐賀県唐津市を舞台に、戦禍の中に生きる若者たちの心が火傷するような凄まじい青春群像劇を、圧倒的な映像力で綴る。出演は「野のなななのか」の窪塚俊介、「三度目の殺人」の満島真之介、「マイ・バック・ページ」の長塚圭史、「彼女の人生は間違いじゃない」の柄本時生、「クレヴァニ、愛のトンネル」の矢作穂香、「チア・ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」の山崎紘菜、「世界は今日から君のもの」の門脇麦、「だれかの木琴」の常盤貴子。脚本は大林宣彦と「HOUSE ハウス」「ふたり」の桂千穂。音楽の山下康介、撮影・編集の三本木久城、美術の竹内公一、録音の内田誠ら「野のなななのか」スタッフが引き続き参加。2017年12月7日より唐津先行上映。2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン日本映画2位、日本映画監督賞(大林宣彦)。
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  • バケモノの子

    制作年: 2015
    バケモノの世界に迷い込んだ少年がバケモノの弟子となり、奇妙な師弟関係の中、冒険を繰り広げるさまを描くアニメーション。原作・監督・脚本は「おおかみこどもの雨と雪」の細田守。声の出演は「蜩ノ記」の役所広司、「舟を編む」の宮崎あおい、「寄生獣」の染谷将太、「クローズEXPLODE」の広瀬すず、「そして父になる」のリリー・フランキー、「探偵はBARにいる」の大泉洋。
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    制作年: 2011
    川本三郎の同名ノンフィクションを「天然コケッコー」の山下敦弘監督が映画化。1960年代後半、激動の時代を背景に、理想に燃える週刊誌記者が左翼思想の学生と出会い、奇妙な絆で結ばれていく姿を描く。出演は「悪人」の妻夫木聡、「GANTZ」の松山ケンイチ、「BECK」の忽那汐里、「婚前特急」の石橋杏奈、「悪夢探偵2」の韓英恵、「ほしのふるまち」の中村蒼。
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