カンヌ出品。ナンニ・モレッティが“孤独からの解放”を描く「3つの鍵」

ローマのアパートに住む3家族の運命を、濃密かつスリリングに紡いだナンニ・モレッティ監督最新作「3つの鍵」が、9月16 日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺ほかで全国公開。ポスタービジュアルが到着した。

 

 

「親愛なる日記」(カンヌ国際映画祭監督賞受賞)、「息子の部屋」(同パルム・ドール受賞)に続き、モレッティにとって7作連続のカンヌのコンペティション部門上映作となった「3つの鍵」。「ストーリーテリングの気迫と演出の巧みな技」が見られるモレッティの新境地として、メディアにも称賛された。

イスラエルの作家エシュコル・ネヴォの「Three floors up」を翻案した本作は、デビュー以来一貫してオリジナル作品を手掛けてきたモレッティにとって初の原作ありきの映画となる。ローマの高級住宅地のアパートに暮らす3つの家族。ある交通事故をきっかけに、扉の向こうに隠された顔が露わになり、それぞれの選択がもたらす運命が描かれる。彼らの未来を開く鍵は何なのか──?

キャストには、「夫婦の危機」以来のモレッティ作品の常連マルゲリータ・ブイ、「あしたのパスタはアルデンテ」のリッカルド・スカマルチョ、「幸福なラザロ」のアルバ・ロルヴァケルらイタリアの代表的俳優が名を連ねる。抑制された演技で、濃密な時間を生み出した。

モレッティのメッセージも寄せられた。
「この作品は、同じ建物に暮らす3つの家族の物語です。登場人物たちは脆く、恐怖や強迫観念に駆られ、時に極端な行動をとってしまいます。選択と行動が、自分の人生や大切な人たちにどのように影響するかを描いています。私たちがいかに孤立した生活を送り、コミュニティから自分を疎外するようになってしまったのか──この映画は私たちを外の世界へと心を開くように誘っているのです」

 

      

 

Story

ローマ、高級住宅地の同じアパートに住む3つの家族。
顔見知り程度の隣人たちの扉の向こう側に隠された顔を誰も知らない。
ある夜、建物に車が衝突して女性が亡くなる。運転していたのは3階に住む裁判官夫婦、ジョバンニとドーラの息子アンドレアだった。同じ夜、2階のモニカは陣痛が始まり、夫が長期出張中のためたった一人で病院に向かう。仕事場が事故で崩壊した1階の夫婦、ルーチョとサラは、娘を朝まで向かいの老夫婦に預けた。後日、認知症の老夫と娘が行方不明になり、ルーチョは娘に何か起きたのではと疑念を持ち始める……。

 

「3つの鍵」

監督・脚本:ナンニ・モレッティ
原作:エシュコル・ネヴォ
出演:マルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルヴァケル、ナンニ・モレッティ
2021年/119分/イタリア・フランス映画/原題:Tre piani/ 字幕:関口英子/ 後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館/配給:チャイルド・フィルム
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