「世界のどこかで塞ぎ込んでしまいたくなる人の心に、少しでも光が届けば」東出昌大、映画「草の響き」にコメント
- 2022年05月11日
「世界のどこかで塞ぎ込んでしまいたくなる人の心に、少しでも光が届けば」東出昌大、映画「草の響き」にコメント
5月11日、映画『草の響き』のBlu-ray&DVDが発売(レンタル・配信も開始)を記念して、主演の東出昌大⼤を始め、斎藤久志監督、脚本の加瀬仁美よりコメントが到着した。
■主演:東出昌大
人類の長い歴史から見たら、戦争も飢饉もない21世紀の日本で生きる私達に、心を病む理由が存在するのは可笑しいのかも知れません。古には衣食足りて礼節を知ったが、行き過ぎた現代では生きる理由が分からなくなり、自死を選んでしまう人が多くいる現実があります。
人生のどん底に落ちたと自覚した和雄は、それでも這いあがろうと、日夜走り続け、傷めた膝にサポーターを巻き、歯を食い縛りながら走り続けた。函館の冷たい風は火照った身体を冷やし、激しく打ちつける雨は立ち止まる事を許さなかった。走る事で感じられる一つひとつの事象に、生の実感を得ようと必死だった。
明るい映画では無いのかも知れません。
でも日本のどこかで、世界のどこかで、同じように塞ぎ込んでしまいたくなる人の心に、少しでも光が届けばと思い、小説『草の響き』の映画化に寄り添いました。映画の力は非力かも知れませんが、少しでもあなたの生きていく力になればと、切に思います。
ありがとうございます。
■監督:斎藤久志
東出昌大と「今回は俳優と監督の関係ではなく、共犯で行こうよ」と話したところからこの映画はスタートしました。そこに大東駿介、奈緒が加わってくれました。芝居をするのではなくそこに生きることを目指した作品です。
あえて監督の傲慢さで言わせてもらいます。3人の俳優ともにこの映画がそれぞれ作品歴の中でベストアクトだと思っています。それを見るだけでも一見の価値があると思います。
物語としてだけでなくそれぞれの人生を感じる映画です。函館の町で駆け抜けた僕らの思いが少しでも多くの人に伝われば嬉しいです。
■脚本:加瀬仁美
治ってほしい人がいる。
だけど治らない人もいる。
では治らないことは不幸なのか。
どんな状況でもそれなりの生活の楽しみはあるだろうし、幸せは他人が決めるものではない。
願わくばその瞳に映るのは希望の光であってほしい。
そんなことを考えながらこの本を書きました。
出来上がった映画を観て、東出昌大さん演じる和雄の孤独に何度も涙し、ラストの表情に胸が震えました。
人は人を救えなくても、映画は人を救うことがあります。
この映画が誰かにとっての救いになれたら、こんなに嬉しいことはありません。
Blu-ray:5,280円(税込)/DVD:4,290円(税込)
特典:予告集
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
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