原作・池井戸潤 × 主演・阿部サダヲ。メガバンク群像劇「シャイロックの子供たち」

メガバンクを舞台に描いた池井戸潤のベストセラー小説を、阿部サダヲを主演に迎え、本木克英監督はじめ「空飛ぶタイヤ」チームの再結集で映画化したクライム・エンタテインメント「シャイロックの子供たち」が、2023年2月17日(金)より全国公開される。

 

 

池井戸が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と言う原作小説は、今秋のドラマ化でも話題だが、今回の映画は小説、ドラマとも展開が異なり、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリーだ。

阿部サダヲが演じるのは、東京第一銀行・長原支店のベテランお客様係・西木雅博(にしき・まさひろ)。上戸彩演じる北川愛理(きたがわ・あいり)、玉森裕太演じる田端洋司(たばた・ようじ)といった支店員とともに、支店で起きた現金紛失事件の裏側を探る中で、ある事実に辿り着く。それはメガバンクを揺るがす不祥事の始まりにすぎなかった──。

他のメンバーは、支店長の九条馨(くじょう・かおる)に柳葉敏郎、パワハラ副支店長・古川一夫(ふるかわ・かずお)に杉本哲太、支店のエース・滝野真(たきの・まこと)に佐藤隆太、滝野に近づく不動産会社社長・石本浩一(いしもと・こういち)に橋爪功、映画オリジナルキャラとなる支店の客・沢崎肇(さわざき・はじめ)に柄本明、事件をきっかけに支店の調査に訪れる銀行本部検査部・黒田道春(くろだ・みちはる)に佐々木蔵之介が扮する。

 

 

 

特報映像は、現金紛失事件を発端とした衝撃の展開を予想させる。終盤に映し出される札束を掴んだ西木の不敵な笑みは、まるで“裏”の人格が覗いたかのようだ。それと同調するように、ティザービジュアルには「金か、魂か。」という強烈なコピーが打ち出された。

 

制作陣コメント

原作・池井戸潤
原作とも違う、先んじて放映されるドラマ版とも違う、まったく新しい『シャイロックの子供たち』が誕生しました。主役の阿部サダヲさんはじめ、上戸彩さん、玉森裕太さん、佐々木蔵之介さんら個性的なキャストも注目ですが、唯一原作にはない柄本明さんの役どころも目が離せません。映像化が難しいこのミステリをどう解きほぐし、真実を明かすのか。ぜひ劇場に足を運んでいただき、驚倒の顛末を見届けてください。

監督・本木克英
人間らしく生きるとは何か? なぜ人はお金に執着するのか? 働く意味は? 自問自答しながらこの映画を撮り終えました。勝者も敗者もいないこの群像劇は一体どこに向かうのか、企業社会を冷徹に見つめ、予定調和に陥らない池井戸潤さんの物語を慎重に追いつつ、心から楽しんで監督しました。複雑な心情をリアルに定着させられる才能ある演技陣を得て、深みのある人間ドラマになったと思います。

プロデューサー・矢島孝
読めば読むほど複雑で深い迷宮の中に感動があるこの原作小説を、映画化しようなどと思い上がったことを何度後悔したことか。
しかし大勢のキャスト・スタッフに支えられ、壁を突破して完成した映画は、えも言われぬ味わいを持ったエンターテイメント作品になりました。一見人が良さそうではあるけれど目の奥底に狂気を孕んだ阿部サダヲさん、その他のキャストも善と悪の境目が曖昧になるような一癖も二癖もあるアンサンブルキャストで、悪人さえも憎みきれない危険な人間模様を、是非映画館という場の暗闇に座って観ていただきたいと、切に願います。

 

キャストコメント

阿部サダヲ
気が付かないところで起きている、お金の怖さと面白さ、身近な人を信じていいのか疑っていいのか?
堪能してみたかった池井戸潤さんの世界!
上戸さん玉森くんはじめ、好きな俳優の皆さんに囲まれて西木を演れて楽しかったし、原作には無い柄本明さんとのシーンがどんな風に仕上がってくるのか? 楽しみです! 劇場がスーツで埋まったらかっこいいなぁ……。

上戸彩
阿部サダヲさんとは初めて共演させていただきましたが、穏やかさの中にユニークなブラックさが垣間見え(笑)、毎日楽しい刺激をいただいていました。現場ではみんなのイジられ役だった玉森裕太くんが、そのキュートさで常にみんなを癒してくれていました。
人間の欲望が蠢くスリリングな作品ではありますが、和気あいあいとしたとても素敵な現場でした。
今回こうしてお声がけいただき、再び池井戸潤さん作品に携わらせていただけたことを純粋に嬉しく思いますし、この作品を多くの方に是非とも劇場でご覧いただきたいと思っています。
何より、私自身が劇場で見れる日を心待ちにしております。

玉森裕太
池井戸さんの作品に携われたことがとても嬉しく思います。阿部サダヲさんをはじめ素晴らしい俳優の方々と一緒に作品作りをさせていただけて、とても勉強になる現場でした。銀行員の役は初めて演じます。30代の経験少ない未熟な青年が葛藤する姿は、どなたにでも感情移入して頂けると思います。是非、劇場でご覧下さい!

柳葉敏郎
自分にとってはチャレンジでもありましたが、非常に達成感のある素敵な現場でした。
本木監督とは初めてご一緒しましたが、自分の思いにもしっかりと耳を傾けていただいたので、安心して過ごすことができ、映画を撮影していることを肌で感じる日々でした。
九条という役は、こんな人もいるのかと驚くようなキャラクターですが、その嫌な人間性が少しでもお客様に伝われば満足です。

杉本哲太
池井戸作品でバンカーを演じられたことがとにかく嬉しいです。古川という人物は、典型的な昭和のパワハラ上司ですが、その大きな声とは裏腹にとても心の狭い小さな人間なので、そのニュアンスがうまく出るよう、現場で本木監督とも話しながら役を作り上げていきました。様々なキャラクターがぶつかり合う、バンカー達の白熱した演技を是非ご覧頂ければと思っております。

佐藤隆太
主演のサダヲさんをはじめ大好きな演者の皆さん、そして映画愛溢れる素晴らしいスタッフの皆さんの輪の中で芝居をする事ができて、本当に幸せでした。原作を読んでこの作品を“知った気”になっていた自分に、新たな真実を突きつけられる様な、刺激的な毎日でした。原作ファンの皆様にも、是非この興奮を味わって欲しいと思います。

柄本明
元々好きだった本木監督の作品で阿部サダヲさんとの共演楽しかったです。
また私が尊敬する名優、橋爪功さんと久しぶりに現場でご一緒できて大変嬉しかったです。

橋爪功
こういう小悪党みたいな役は大好きなので、楽しく演じさせていただきました。
映画ならではの緊張感、顔なじみのスタッフ、そして本木監督の的確なサジェスチョン。
完成を心から楽しみにしております。

佐々木蔵之介
撮影現場は劇中のごとくヒリヒリ・ピリピリの駆け引きの連続! なんて事はなく、いつもの穏やかな本木組でホッとしました。
ただ、私の役もこれが現実なら結構ヤバい橋渡ってます…… 。
原作の小説からも更に深化した池井戸ワールド、是非劇場でお楽しみください!

 

「シャイロックの子供たち」

原作:池井戸潤『シャイロックの子供たち』(文春文庫)
出演:阿部サダヲ、上戸彩、玉森裕太、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、柄本明、橋爪功、佐々木蔵之介
監督:本木克英
脚本:ツバキミチオ
音楽:安川午朗
製作:映画「シャイロックの子供たち」製作委員会
配給:松竹
公式サイト:movies.shochiku.co.jp/shylock-movie/
公式Twitter:@shylock_film
© 2023映画「シャイロックの子供たち」製作委員会