カンヌ映画祭女優賞。イランの売春婦連続殺人を女性ジャーナリストが追う「Holy Spider」(原題)
- アリ・アッバシ , ザーラ・アミール・エブラヒミ , メフディ・バジェスタニ , 聖地には蜘蛛が巣を張る
- 2022年12月20日
「ボーダー 二つの世界」のアリ・アッバシ監督が、イランで起きた売春婦連続殺人事件に着想を得て女性ジャーナリストの追跡を描き、第75回カンヌ国際映画祭で女優賞(ザーラ・アミール・エブラヒミ)に輝いた衝撃作「Holy Spider」(原題)が、4月より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開される。
イランの聖地マシュハドで2000〜2001年に16人もの犠牲者を出した、 “スパイダー・キラー”ことサイード・ハナイによる売春婦連続殺人事件に基づき、イラン出身でデンマークおよびスウェーデンで活躍するアリ・アッバシ監督が描き出す本作。カンヌ国際映画祭女優賞ほか、セビリア・ヨーロピアン映画祭主演女優賞やストックホルム映画祭主演男優賞・作品賞を受賞し、本年度アカデミー賞デンマーク代表作に選ばれた。
主人公のジャーナリストを演じたザーラ・アミール・エブラヒミは、イランで女優として活躍していたが、2008年にフランスへ亡命。そのままフランスの映像業界で活動し、2017年にフランス国籍を取得後、意欲的に映画に出演している。本作ではキャスティング・ディレクター、アシスタント・プロデューサーも兼任する。
映画には「鋭く、不穏、そして、心奪われる」(Observer)、「信じられないほど恐ろしい」(Toronto Star)、「ぞっとする」(Daily Telegraph(UK))など、衝撃を物語る評が寄せられている。
Story
2001年のイラン。女性ジャーナリストのラヒミは、売春婦連続殺人事件を追うべく聖地マシュハドに赴く。犠牲者が増え続ける中、なぜか警察は捜査に消極的だった。性差別がまかり通る社会で、ラヒミは不条理な圧力と身の危険を感じながら真相を追求。そしてついに突き止めた犯人は、意外にも敬虔で家庭的な男だった。「社会の浄化」と信じて犯行を重ねていたその男・サイードは、一部の熱狂的な市民から英雄視されていく……。
「Holy Spider」(原題)
監督:アリ・アッバシ
脚本:アリ・アッバシ、アフシン・カムラン・バーラミ
音楽:マルティン・ディルコフ
撮影:ナディム・カールセン
編集:ハイェデェ・サフィヤリ、オリヴィア・ニーアガート=ホルム
出演:メフディ・バジェスタニ、ザーラ・アミール・エブラヒミ
製作:デンマーク、ドイツ、スウェーデン、フランス/ペルシャ語/2022/シネスコ/5.1Ch/118分/字幕翻訳:石田泰子/デンマーク王国大使館後援/配給:ギャガ
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