レア・セドゥが心揺れるヒロインに。ミア・ハンセン=ラブ新作「それでも私は生きていく」

 

レア・セドゥ主演でシングルマザーの揺れる心模様を繊細に綴り、第75回カンヌ国際映画祭監督週間で上映されてヨーロッパ・シネマ・レーベル賞に輝いたミア・ハンセン=ラブ新作「それでも私は生きていく」が、5月5日(金・祝)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。日本版ポスタービジュアルと場面写真が到着した。

 

 

通訳として働きながら、パリの小さなアパートで8歳の娘リンと暮らすシングルマザーのサンドラ。哲学教師だった父のゲオルグは病を患い、視力と記憶を失いつつある。別居する母フランソワーズと共に頻繁に父を訪ねるサンドラだったが、変わりゆく姿に直面しては無力感を覚えている。仕事、子育て、介護に明け暮れる日々。そんな中、旧友のクレマンと偶然再会した彼女は、自然と恋に落ちる。そうして父へのやるせなさと、新たなときめきを同時に抱えるが……。

父が病を患う中で脚本を執筆したミア・ハンセン=ラブの自伝的側面を持つ本作。監督が「人間味のある人物として捉えたかった」「彼女に新しい光を当ててみたかった」との理由でサンドラ役に起用したレア・セドゥは、心の機微を見事に表現して「この映画のレア・セドゥを観なければ、今年最高の演技を観逃すことになるだろう」(Los Angeles Times)と賛辞を贈られた。

元教師ゆえに知識や言葉を失う哀しみが際立つ父ゲオルグを演じるのはパスカル・グレゴリー、曖昧ながらもナイーブな魅力に溢れる恋人クレマン役にはメルヴィル・プポー。両者ともエリック・ロメール作品をはじめ、数々の名作でおなじみだ。

なお、本国版からデザインを一新した日本版オリジナルポスターは、監督も気に入って欲しがるほどの鮮やかな仕上がり。母親で、娘で、恋人であるヒロイン。喜びと悲しみとともに続く人生。柔らかな色調で描かれる、愛すべき一作だ。

 

 

 

「それでも私は生きていく」

監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
撮影:ドゥニ・ルノワール 編集:マリオン・モニエ 美術:ミラ・プレリ
出演:レア・セドゥ、パスカル・グレゴリー、メルヴィル・プポー、ニコール・ガルシア、カミーユ・ルバン・マルタン
2022年/フランス/ 112分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Un beau Matin/英題:One Fine Morning/日本語字幕:手束紀子 R15+
配給:アンプラグド
HP:unpfilm.com/soredemo Twitter:soredemo_movie