踊って絶望から甦り、連帯する。ムニア・メドゥール監督「裸足になって」

 

「パピチャ 未来へのランウェイ」のムニア・メドゥール監督が再び主演にリナ・クードリを迎え、声と夢を奪われたダンサー女性の再生を描いた「裸足になって」が、7月21日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。本予告と本ポスタービジュアルが到着した。

 

 

内戦の傷が癒えず、不安定なアルジェリア社会。貧しいながらもバレエダンサーになることを夢見るフーリアは、ある夜、男に階段から突き落とされて大怪我を負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。抜け殻同然となったフーリアだったが、リハビリ施設で出会ったのは、心に傷を抱えたろう者の女性たちだった。「あなたダンサーなのね。わたしたちにダンスを教えて」。その一言から始まったダンス教室で、フーリアは生きる情熱を取り戻していく──。

1990年代に“暗黒の十年”と呼ばれる内戦が続き、治安回復の過程でも多くのテロが起きたアルジェリア。その傷を抱え続ける社会を舞台に「現代の問題や、人間と言語の豊かさをもっと掘り下げたいという気持ちがあった」というムニア・メドゥール監督は、以下のように続けている。

「『裸足になって』では、事故による変化に苦しむ若いダンサーの物語を語ることで、現在のアルジェリアの歴史に再び踏み込むことにした」
「私はドキュメンタリー映画出身だから、フィクションに書き直すために、自分の記憶の奥や体験に迫るのが好きなの。私自身、事故でかかとを複雑骨折した後、しばらく動けず、長いリハビリをしたことがあって、孤独や寂しさ、障害、そして何よりも再起について語りたいと思っていた」
「フーリアは再生して、最終的にはもっと強い女性、つまり彼女自身になる。耐えることにより偉大になったフーリアのヒロイン像は、傷つきながらも立ち上がるアルジェリアのイメージを想像して出来上がった」

なお製作総指揮は、「コーダ あいのうた」でろう者の俳優として初めてアカデミー助演男優賞に輝いたトロイ・コッツァーが担当。予告編のナレーターは、声優の沢城みゆきが務めている。

手話をモチーフに振り付けられ、言葉より雄弁に訴えるフーリアのコンテンポラリーダンス。そして抑圧的な社会で手を携え、立ち上がる女性たち。瑞々しく力強い物語に注目だ。

 

 

「裸足になって」

監督:ムニア・メドゥール
出演:リナ・クードリ、ラシダ・ブラクニ、ナディア・カシ
製作総指揮:トロイ・コッツァー
原題:HOURIA/99分/フランス・アルジェリア/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:丸山垂穂
配給:ギャガ
©THE INK CONNECTION - HIGH SEA - CIRTA FILMS - SCOPE PICTURES FRANCE 2 CINÉMA - LES PRODUCTIONS DU CH'TIHI - SAME PLAYER, SOLAR ENTERTAINMENT
公式HP:https://gaga.ne.jp/hadashi0721