ヘイトクライムが招く惨劇を全編ワンショットで描く「ソフト/クワイエット」、イラストポスターと著名人コメント到着

 

「ゲット・アウト」「セッション」のブラムハウス製作により、ヘイトクライムを題材に全編92分ワンショットで描くスリラー「ソフト/クワイエット」が、5月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開。イラストポスターと著名人コメントが到着した。

 

 

 

ポスターはイラストを柳智之、アートディレクションを坂脇慶が担当。ペインティングと線画の2バージョンとなる。

 

〈コメント〉

数多の映画が省いてきたカット後の時間によって、 ドキュメンタリーとも呼べる緊張がうまれ、 動揺する波として数えられた私は白人至上主義者の一員の視点として90分間の奇行に同行し、最後現実という虚空に裸のまま放たれる。
──マヒトゥ・ザ・ピーポー(GEZAN)

筋金入りの白人至上主義者や、社会からの疎外感を“有色人種への嫌悪”に結びつけてしまった、ある意味では平凡な人々が、仕事帰りの密やかな会合から、やがておぞましいヘイトクライムへと至る様を、90分ほどのワンショット撮影で描写。同じブラムハウスが手掛けた傑作ホラー『ゲット・アウト』の知的で抑制的な恐怖演出と無意識に比べてしまっているうちは、この狂騒的で救いのない物語が最終的に何をもたらすために企図されたものなのか掴みづらかったが、カラードの女性監督による作品であることと、作中で、昼間から黄昏時を挟んで夜に至るまで、一度もカメラが途切れないまま演技が続いていくことに気づいた2度目の視聴では、陽が落ちるにつれファナティックさを増し、瓦解しながら夜の暗がりへと呑み込まれていくこの悪夢的な時間を具現化して見せた制作陣と役者陣の凄みに背筋が凍った。まるで街路に飛び出した演劇のようでもある。カラードが抱える切迫した身体感覚が、強いライブ感を伴いながら現実を引きずり寄せ、変化を拒み続ける古い社会の喉元に突きつける。かつて人種問題やレイシズムを扱った映画は、リベラルな他者(非当事者)が人間の尊厳を重厚にドラマティックに描ききるというものが多かったが、より広範なジャンルで被差別当事者が意欲的な作品を提示する機会が増えつつある現在のダイレクトさをつよく表している作品のひとつだと思う。
──七尾旅人(シンガーソングライター)

1カットで魅せる狂気のクレッシェンド。その繊細なグラデーションとレンジの広さに驚愕し戦慄する。
──柳智之(イラストレーター)

華やかな女子会も一歩間違えば悪口大会。どうやらそれはどこの国でも変わらない。でもさすがにこれは、ヤバいんじゃ?映画史に残る、凶悪女子会ここにあり。いや、凄いもの見てしまった...。本物の恐怖と対峙する。大好きだった女子会。しばらくしなくて良いかも...あれ?私、この映画に相当やられてる!?
──東紗友美(映画ソムリエ)

ワンショット・リアルタイムのスリラーと言えば、ヒッチコックの『ロープ』が映画史に残る傑作だけれど、本作はそれに挑戦している。途中から加速する登場人物たちの暴走と救いのない精神崩壊は『ロープ』を凌駕している。
──内田樹(思想家・武道家)

悪霊も悪魔もゾンビもモンスターもファイナルガールも出ない。何処にでもいる主婦たちが日常から転げ落ちる。人が人でなくなる恐怖をワンショットで見せつける。吐き気がするほど恐ろしいのは、それが心霊現象でも超常現象でもないからだ。今のご時世を見事に逆手に取った新しい“人間ヘイト”ホラー映画だ。
──小島秀夫(ゲームクリエイター)

必然のワンカット撮影が異次元の緊張感を生み出す。現代を切り取る、胸クソ悪い傑作誕生!
──樋口毅宏(ハードボイルド育児作家)

これほどひどい映画はちょっと記憶にない。でも絶対にあなたは最後まで目を離せない。
悔しい。すごい。悲しい。怖い。すべてが凝縮されている。
この映画だからこその全編ワンショット。一人でも多くの人に観てほしい。
──森達也(映画監督/作家)

黄昏の〈逢魔が時〉がリアルに過ぎる92分。
暮れゆくワンカットの中、人々は狂気に陥り、魔物に出会ったと自ら信じ込む。
それは「分断」の時代を生きる我々自身の姿だ。
──瀬々敬久(映画監督)

 

 

Story
郊外の幼稚園に勤める教師エミリーが、〈アーリア人団結をめざす娘たち〉という白人至上主義グループを結成。教会の談話室で行われた第1回の会合には、エミリーを含む6人の女性が集まった。多文化主義や多様性を重んじる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いする彼女らは、日頃の不満や過激な思想を共有して大いに盛り上がる。そしてエミリーの自宅で二次会を行うことにするが、立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹との激しい口論が勃発。腹の虫が治まらないエミリーらは、悪戯半分で姉妹の家を荒らそうと計画する。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった……。

 

© 2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.
配給:アルバトロス・フィルム

▶︎ ブラムハウスの衝撃作!ヘイトクライムが招く惨劇を全編ワンショットで描く「ソフト/クワイエット」