“投げかけられた課題は多い”。罪なき孫たちの救出劇を追う「“敵”の子どもたち」コメント到着

 

娘がISIS(イスラム国)に参加して死亡し、現地に遺された孫7人を救おうと決意したミュージシャンのパトリシオ・ガルヴェス。その命がけの旅を追ったドキュメンタリー「“敵”の子どもたち」が、9月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開される。森達也監督はじめとする識者のコメントが到着した。

 

©Gorki Glaser-Müller

 

イスラム過激派組織であるIS版宗教二世の問題を提示する本作は、信仰のために妻と娘を失った夫が主人公だ。でも孫がいる。奪還は可能なのか。激しい戦闘や殺戮のシーンはない。でも激しい信仰は戦闘や殺戮を伴いながら肉親への愛を引き裂く。このとき政治や制度はどのように機能すべきなのか。投げかけられた課題は多い。
──森達也(映画監督・作家)

「敵の子どもたちを連れて帰るな」
というSNSの空気に負けない覚悟がいい。
ISISに身を投じた娘は助けられなかったけど、
7人の子どもたちは助けたい。
若いじいちゃんの想いが、ヒシヒシと伝わってくる。
久々に素敵なドキュメンタリー映画を観た。
子どもに罪はないはず、としみじみ思った。
感動!感動!
──鎌田實(医師・作家)

テロリストの子供達にも人権はあるのか。
欧州出身のIS「イスラム国」の戦士の遺族と、
どう向き合うのか。
欧州の人権の理念そのものへの問いかけだ。
──高橋和夫(放送大学名誉教授)

社会に拒絶された「“敵”の子どもたち」を受け入れ、全てを愛する祖父の目が忘れられない。
彼が見たのは希望なのか。それとも、絶望なのか。今も続くシリア内戦が引き裂いた、家族の激動の記録。
──須賀川拓(JNN(TBS系)中東支局長)

パトリシオの7人の孫たちは、「テロリストの子どもたち」なのか。
「過激派組織の下で暮らした子どもたち」を、社会は受け入れられるのか。
これは「子どもたち救出の物語」ではなく、子どもたちが救出された後の世界へ問いかける映画だ。
──綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)

 

 

配給:ユナイテッドピープル

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