シスターフッド映画の金字塔が、輝きを増してリバイバル。「テルマ&ルイーズ 4K」

 

リドリー・スコット監督がスーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスの共演で、女性二人の冒険と友情を描いたロードムービー「テルマ&ルイーズ」(1991)が、監督の監修による4Kレストアで新生。2月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかで全国順次公開される。カンヌ国際映画祭特別ビジュアルと場面写真が到着した。

 

 

平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス)とウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は、週末のドライブ旅行に出発。すると立ち寄った店の駐車場でテルマが男に襲われ、助けに入ったルイーズは護身用の拳銃で男を射殺する。ルイーズにはレイプ被害のトラウマがあったのだ。トラブルが重なって指名手配された二人は、メキシコを目指して逃避行を続ける中で、自分らしい生き方に目覚めていく──。

1992年のアカデミー賞で6部門にノミネートされて脚本賞に輝き、2016年にはアメリカ国立フィルム登録簿にリスト入りした本作。女性の性被害と自由をテーマとし、二人を結ぶのは友情か愛かで議論を巻き起こすなど時代を先取りした。また、短い登場ながら印象を残したブラッド・ピットの出世作でもある。

到着したビジュアルは、2023年の第76回カンヌ国際映画祭で発表されたもの。テルマとルイーズの乗った1966年型サンダーバードが、コロラド川を望むデッド・ホース・ポイントを走るラストシーンを捉えている。夕陽とのコントラストで生まれる映像美は、“映像の魔術師”リドリー・スコットならでは。

そもそも「テルマ&ルイーズ」はカンヌ国際映画祭と縁が深く、1991年の第44回ではクロージング作品に選ばれている。2016年の第69回では公開25年の記念上映が行われ、スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスが登場、映画産業での女性の影響力を高めたとして〈ウーマン・イン・モーション〉賞が贈られた。

“90年代の女性版アメリカン・ニューシネマ”であり、今も輝くシスターフッド映画の金字塔。生まれ変わった画質で鑑賞したい。

 

 

「テルマ&ルイーズ 4K」

監督・製作:リドリー・スコット 製作:ミミ・ポーク・ギトリ 脚本:カーリー・クーリ 撮影:エイドリアン・ビドル 音楽:ハンス・ジマー
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット
1991年/アメリカ/129分/THELMA&LOUISE/カラー/シネスコ/5.1ch
配給:アンプラグド
Thelma & Louise © 1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:unpfilm.com/thelma_louise

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