ビクトル・エリセの新作「瞳をとじて」が2月9日(金)より公開されるのを記念し、同監督の名作「ミツバチのささやき」(1973)と「エル・スール」(1983)が、2月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次上映される。

 

 

エリセの長編第1作「ミツバチのささやき」は、日本では1985年にシネ・ヴィヴァン六本木で上映されて大反響を呼び、ミニシアターブームを牽引した不朽の名作。撮影時5歳の可憐なアナ・トレントに、多くの観客が心を奪われた(アナ・トレントは「瞳をとじて」にも出演)。

長編第2作の「エル・スール」も1985年に日本公開。現在神奈川・鎌倉市川喜多映画記念館で開催されている特別展〈映画監督・是枝裕和のまなざし〉(来年1月14日まで開催)では“是枝監督が影響を受けた映画“の1本に選ばれるなど、多くの作家や監督に愛されている。貴重な再上映をお見逃しなく。

 

「ミツバチのささやき」

監督:ビクトル・エリセ 脚本:ビクトル・エリセ、アンヘル・フェルナンデス=サントス
撮影:ルイス・クアドラド 音楽:ルイス・デ・パブロ
出演:アナ・トレント、イザベル・テリェリア、フェルナンド・フェルナン・ゴメス、テレサ・ジンベラ
1973年/スペイン/99分/カラー/DCP/提供:アイ・ヴィー・シー
配給:ギャガ、アイ・ヴィー・シー
©2005 Video Mercury Films S.A.

Story
フランコ独裁政権下のスペインの村。父、母、姉と暮らす6歳のアナは、巡回上映で観た「フランケンシュタイン」に魅せられ、呼びかければ現れる精霊の存在を信じて探し始める。そして、姉が見つけた廃屋に精霊を感じて通う中、内戦で負傷した脱走兵に出会い、食料や衣料を届けるが……。

 

「エル・スール」

監督・脚本:ビクトル・エリセ 原作:アデライーダ・ガルシア・モラレス
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ 音楽:エンリケ・グラナドス
出演:オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングーレン、イシアル・ボジャイン、オーロール・クレマン
1983年/スペイン・フランス/95分/カラー/DCP/提供:アイ・ヴィー・シー
配給:ギャガ、アイ・ヴィー・シー
©2005 Video Mercury Films S.A.

Story
スペイン北部に暮らす8歳のエストレリャ。振り子で水脈を見つけて村人に尊敬されていた父は、故郷である南=エル・スールを離れた暮らしに何を思っていたのか。少女が知ることのなかった一面を垣間見た頃、彼は突如家を出てしまった。15歳となったエストレリャは、父を回想する……。

 

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