なぜ同性愛は禁じられたのか?「ハーヴェイ・ミルク」の監督が自由と尊厳を問う「ナチ刑法175条」

 

かつてのドイツ、とりわけナチス政権下で〈刑法175条〉により男性同性愛者が弾圧されていた事実に、「ハーヴェイ・ミルク」のロブ・エプスタイン監督と同作スタッフだったジェフリー・フリードマンが迫ったドキュメンタリー「ナチ刑法175条」(1999)が、3月23日(土)よりK's cinemaほかで全国順次公開。予告編が到着した。

 

 

同性愛を禁じる刑法175条により約10万人が捕まり、1万〜1.5万人が強制収容所で労働や医学実験に使われ、生き延びたのは約4000人、映画製作時に生存が確認できたのは10人にも満たなかったという。映画は同性愛者たちの証言とアーカイブフッテージを通し、その実態に迫っていく。ナレーションは同性愛者であることを公表している俳優のルパート・エヴェレットが担当。

 

 

映画はベルリン国際映画祭最優秀記録映画賞・審査員特別賞、サンフランシスコ国際レズビアン&ゲイ映画祭最優秀記録映画賞、サンダンス映画祭監督賞などを受賞。日本では2001年山形国際ドキュメンタリー映画祭コンペティション部門に選出され、2023年7月に刑法175条を題材とした劇映画「大いなる自由」が公開された際には「刑法175条」のタイトルで特別上映された。なお、今回はデジタルリマスター版での上映となる。自由と尊厳を問う貴重な一本。

 

 

「ナチ刑法175条」

監督:ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
アメリカ/1999年/英語・ドイツ語・フランス語/カラー/81分
原題:Paragraph 175
配給:パンドラ
公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/paragraph175/

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