侯孝賢プロデュース&俊英シャオ・ヤーチュエン監督。バブルに揺れる台湾で少年が選ぶ道「オールド・フォックス 11歳の選択」

 

侯孝賢プロデュースにより、バブル時代に大人たちの間で揺れ動きながら成長していく少年を描き、第60回台北金馬映画祭4冠に輝いた俊英シャオ・ヤーチュエン監督作「オールド・フォックス 11歳の選択」が、6月14日(金)より新宿武蔵野館ほかで全国公開。ポスターと予告編が到着した。

 

 

バブルに揺れる1989年の台湾。11歳のリャオジエは父と二人で、台北郊外に慎ましく暮らしている。自分たちの店と家を持つことを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰し、リャオジエは現実の厳しさと不条理を知ることに。そんな中で現れたのが、オールド・フォックス(腹黒いキツネ)と呼ばれる地主のシャだった。優しく誠実な父と違い、生き抜くためには他人など見捨てろと彼は言い放つ。果たしてリャオジエが選ぶ道とは──。

侯孝賢の「フラワーズ・オブ・シャンハイ」で助監督を務めたシャオ・ヤーチュエン監督が、自身の⻑編4作目として撮り上げ、昨年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映された本作。主人公リャオジエを「Mr.Long ミスター・ロン」のバイ・ルンイン、父を「1秒先の彼女」のリウ・グァンティン、シャを名脇役アキオ・チェンが演じる。さらにシャの秘書役で「怪怪怪怪物!」のユージェニー・リウ、裕福だが空虚な日々を送る人妻ヤンジュンメイ役で門脇麦が登場。感動のヒューマンドラマに期待したい。

 

 

〈コメント〉

門脇麦
台湾映画でしか感じられない色彩や湿度、空気感がどうしたって強烈に昔から好きで、これまで沢山の台湾の作品に触れてきました。
台湾映画に出演できるなんて信じられない!と夢心地で現場に向かい、スクリーンに映る自分を観ても、やっぱり信じられない!と夢心地で、幸福すぎる時間を過ごさせていただきました。
その場にただ居さえすれば全てが成立する現場の空気、監督の言葉以上に何かが伝わる眼差し、今思い出しただけでも胸が震えるような、そんな経験をしました。
日本での公開、とても嬉しいです。1人でも多くの方にこの作品が届きますように。

シャオ・ヤーチュエン監督
他人を思いやることですべての社会問題が解決できると思うほど、私も単純ではありません。しかし思いやりがなければ、社会的な格差と矛盾は拡がっていくことでしょう。では現代社会に向き合い、私は父親として、思いやりが人間としての基本であることを、子供にどう説明したものでしょうか?「オールド・フォックス」このストーリーは、私が子供から十年以上も受け続けた問いが発端となっています。かつて私は両親から価値観を与えられました。しかし世界は変わっていきます。私自身にも新たな学びが必要です。それによって私は自分の子供たちに、変わっても良いもの、変えてはいけないものが何なのかを、伝えられるのではないでしょうか。

 

 

「オールド・フォックス 11歳の選択」

出演:バイ・ルンイン、リウ・グァンティン、アキオ・チェン、ユージェニー・リウ、門脇麦
監督:シャオ・ヤーチュエン
プロデューサー:ホウ・シャオシェン、リン・イーシン、小坂史子
原題:老狐狸/英題:OLD FOX/2023年/台湾・日本/112分/シネマスコープ/カラー/デジタル/字幕翻訳:小坂史子
配給:東映ビデオ
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公式サイト:https://oldfox11.com/

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