ペルー革命は何をもたらしたのか? 半世紀を経て問い直す「革命する大地」

 

1969年ペルーで、ベラスコ大統領率いる軍部革命政権が公布した農地改革法。その記憶と影響に、インタビュー、アーカイブ映像、数々のペルー映画の映像を織り交ぜて迫り、同国の革命を問い直すゴンサロ・ベナべンテ・セコ監督作「革命する大地」が、4月27日(土)より新宿K’s cinemaほかで全国順次公開される。ポスタービジュアルが到着した。

 

 

ペルーの土地と市民権をめぐる闘争を変えた農地改革。実施したベラスコ大統領を、先住民を半奴隷状態から解放した英雄と見る者も、地主寡頭制の解体への不満とともに独裁者と見る者もいる。

スペインからの独立後も続く、半封建主義的な社会構造。ペルーの国民的作家マリア・ホセ・アルゲダスや農民リーダーらが、当時を振り返り告白する。そして1968年のクーデターに始まる革命から、ベラスコ政権の瓦解まで、描き出していく。

 

 

作中に引用される映画は、ペルー革命を起点に社会の問題と矛盾を描いたアルマンド・ロブレス・ゴドイ監督作「みどりの壁」(1970)、そして記録映像の破棄が進んだ革命後にネガフィルムを盗み出し、ブエノスアイレスで完成させたフェデリコ・ガルシア監督作「コンドルがうまれたところ」(1977)。

映画は2016年DAFO長編ドキュメンタリープロジェクト部門グランプリ、2019年ペルー映画記者協会最優秀ドキュメンタリー賞、2019年リマ映画祭最優秀ペルー映画賞&審査員特別賞を獲得。本国公開時にはドキュメンタリーながら9万人以上を動員するヒットとなった。

 

 

知識人たちが「農地改革は全員が市民になれる手段だった」と証言する一方、その後のペルーに訪れたのが暴力の時代だったのも確か。「民主的であるなら多様性への寛容さが必要だ」と、警鐘が鳴らされる。歴史を検証し、未来へ繋げる注目作だ。

 

 

「革命する大地」

監督:ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
脚本:グレシア・バルビエリ、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
撮影:エラルド・ロブレス
編集:チノ・ピント、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
2019年/ペルー/111分/スペイン語・英語/原題:La Revolución Y La Tierra
後援:日本ペルー大使館、日本ペルー協会
配給:ブエナワイカ
©2019 Autocinema
公式サイト:https://www.buenawayka.info/re-tierra

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