〈ジャック・リヴェット傑作選2024〉開催。謎と冒険に満ちた魔法の世界が広がる

 

“ヌーヴェル・ヴァーグの発火点”ジャック・リヴェットの特集〈ジャック・リヴェット傑作選2024〉が、4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次開催される。ラインナップは、2022年の〈ジャック・リヴェット映画祭〉でも上映された「セリーヌとジュリーは舟でゆく」「デュエル」に、「地に堕ちた愛 完全版」「彼女たちの舞台」「パリでかくれんぼ 完全版」を加えた全5本。メインビジュアル、予告編、中条省平氏のコメントが到着した。

 

 

今年2月のセザール賞授賞式で、フランス映画界の性加害を告発してきた女優ジュディット・ゴドレーシュが、スピーチの最後に「セリーヌとジュリーは舟でゆく」の台詞を引用するなど、今なお映画人に影響を与えるリヴェット。その貴重な作品群が4Kデジタルリマスター版で上映される。

「地に堕ちた愛」は、昨年亡くなったジェーン・バーキンとチャールズ・チャップリンの子女であるジェラルディン・チャップリンが主演した心理劇。限られた空間を縦横無尽に駆け回るカメラワーク、主演二人の洒脱なスタイルも魅力だ。

「彼女たちの舞台」は、演劇学校に通う女性たちが事件に巻き込まれるさまを描写。現実と虚構が溶け合うミステリーであり、若手女優たちの個性が弾ける青春映画でもある。学校の先生役はリヴェット作品に欠かせないビュル・オジエ。

「パリでかくれんぼ」は、三人のヒロインがパリを冒険するミュージカル。シャンソン歌手のエンゾ・エンゾがクラブ歌手役で登場し、リヴェット作品へは「修道女」以来約30年ぶりの出演となったアンナ・カリーナも歌声を披露する。

 

 

中条省平(フランス文学者、学習院大学教授)コメント
ジャック・リヴェットこそヌーヴェル・ヴァーグの発火点だ、とトリュフォーは言った。
リヴェットは自分の長編第1作を『パリはわれらのもの』と名づけた。リヴェットのパリは、ヌーヴェル・ヴァーグで唯一の神秘都市だ。華やかな風景で観客の目を奪うが、その外見の下に、幻想世界の淵が開く。主な登場人物は、パリをさまよう美しい妖精のような娘たち。彼女らは、神秘都市の舞台で、細く敏捷な体に、目も絢な衣装をつけて、自分という役を探求する役者なのだ。
だが、パリではいつも怪しい陰謀が舞台を包みこむ。彼女らは、仲間と手を組んで、その陰謀の謎を解こうと奔走する。こうして、リヴェットの映画は予想もつかない冒険ミステリーとなる。
『地に堕ちた愛』の異界に通じる館、『彼女たちの舞台』の閃光のような列車、『パリでかくれんぼ』の突然階段で踊りだす娘たち……。あらゆる細部が、純粋な映画の快楽で私たちを魅了する。

 

〈ジャック・リヴェット傑作選2024〉

提供:マーメイドフィルム、Respond
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本
公式サイト:jacquesrivette2024.jp