異端にして伝説。ブラジル発のクィア・ギャング映画「デビルクイーン」が日本初公開
- デビルクイーン , アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ , ミルトン・ゴンサルヴェス , オデッチ・ララ , ステパン・ネルセシアン , ネルソン・シャヴィエル
- 2024年06月18日
ギャング、同性愛者、ドラァグクイーン、娼婦など軍事独裁政権下のブラジルで最も疎外された人々を、強烈なサウンドと極彩色の美術、暴力とクィアネスを融合して描いた「デビルクイーン」(1973)が日本初公開。8月10日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次上映される。ビジュアルと予告編が到着した。
リオデジャネイロの裏社会を支配するデビルクイーン。ヴィヴィッドなアイシャドウを塗り、部下のギャングたちに恐怖を、自身の王国の “ドールズ” にキャンディをばら撒き、愛用のジャックナイフで脚をシェーブし、裏切り者を切り裂く。
ある日、ハンサムなお気に入りが警察に追われていると知り、キャバレーシンガーのイザのヒモである世間知らずのべレコをスケープゴートとして巻き込むが、思わぬ展開に……。
1974年カンヌ国際映画祭に出品され、「ラテンアメリカのファスビンダー」と評された本作。以後カルト的な人気を博しながらも世界的に上映機会に恵まれなかったが、制作から50年目の2023年に4Kレストアが実現。同年のベルリン国際映画祭で上映されると「アシッドロックの旋律に乗って殺し合うスコセッシ的モンタージュ」「色彩あふれる陶酔的なカーニバル」と熱狂を呼んだ。
デビルクイーンをブラジルの伝説的俳優ミルトン・ゴンサルヴェスが演じ、キャバレーシンガー役でシネマ・ノーヴォとボサノヴァのミューズであるオデッチ・ララが登場。
監督のアントニオ・カルロス・ダ・フォントウラは「Copacabana Me Engana」(1968)で劇映画デビューし、サイケロックバンドのムタンチスやシンガーのガル・コスタなどトロピカリア・ムーヴメントを代表するアーティストのドキュメンタリーも手掛けている。
ブラジル映画史の最も抑圧的な時代に検閲をくぐり抜けた、異端にして伝説のクィア・ギャング映画に注目だ。
「デビルクイーン」
監督・脚本:アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
撮影:ジョゼ・メデイロス
編集:ラファエル・フスト・ヴァルヴェルヂ
美術・衣装:アンジェロ・ヂ・アキーノ
音楽:ギリェルメ・マガリャンイス・ヴァス
メイクアップ:カルロス・プリエト
プロデューサー:ロベルト・ファリアス、アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
出演:ミルトン・ゴンサルヴェス、オデッチ・ララ、ステパン・ネルセシアン、ネルソン・シャヴィエル
1973年/ブラジル/100分/カラー/原題:A RAINHA DIABA
配給:ALFAZBET
公式サイト:https://alfazbetmovie.com/devilqueen