ある兄妹の不思議な体験を描き、2005年に第133回直木賞を受賞した朱川湊人の短編集『花まんま』が、鈴木亮平と有村架純を主演に迎え、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「そして、バトンは渡された」の前田哲監督により映画化。2025年春に全国公開される。ファーストビジュアルが到着した。
大阪の下町に二人きりで暮らす俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)の兄妹。俊樹は死んだ父との約束通り、どんなことがあってもフミ子(有村架純)を守ってきた。やがてフミ子の結婚が決まり、俊樹の肩の荷は下りるはずだったが、遥か昔に二人で封印したフミ子の《秘密》が今になって甦り……。
《花まんま》とは、子どもがままごとで作る“花のお弁当”のこと。兄妹の思いがあふれる物語に注目したい。
〈コメント〉
鈴木亮平(加藤俊樹 役)
本作は、兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品です。
また、時代が変わっても僕たちが「結婚」というものに感じる不思議な感情の正体を、自分でも見つけてみたいと思って臨みました。
演じた俊樹はぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間です。
関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした。
同じ関西人である有村さんや前田監督ともたくさんコミュニケーションを取り合い、『花まんま』の世界を一緒に作り上げることができたと自負しています。
有村架純(加藤フミ子 役)
ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて。
兄やんとの日々はとても不思議でした。
生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました。
花まんまが導く大きな家族の物語。皆さんに届くと良いなと思います。
前田哲(監督)
小説『花まんま』に出会ってから15年余りの年月が経ちます。
ずっと心から離れない「大切な愛しい人を思い続ける」切なくも優しい物語を、
映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました。
映画では小説にある小さな兄妹のその後も描いています。
初顔合わせの二人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、
数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、
スクリーンの中で存在しています。
撮影は春に実際の舞台となる近畿圏で終えて、今は仕上げの真っ最中です。
しばし完成まで、楽しみにお待ちください。
朱川湊人(原作)
私が書いた『花まんま』は八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です。
「花まんま」
出演:鈴木亮平、有村架純
原作:朱川湊人『花まんま』(文春文庫)
企画協力:文藝春秋
監督:前田哲
脚本:北敬太
配給:東映
©2025「花まんま」製作委員会
公式サイト:https://hanamanma.com