テレンス・マリック監督が20世紀初頭のテキサスの農場を舞台に、人間の弱さと脆さを美しい映像で描き、第32回カンヌ国際映画祭監督賞、第51回アカデミー賞撮影賞などに輝いた「天国の日々」(1978)。マリック自身の監修による4Kレストア版となり、4月4日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開される。アザービジュアルおよびレストア前後の比較映像が到着した。

 

 

アザービジュアルは、シカゴの工場でトラブルを起こして追われたビル(リチャード・ギア)が、恋人のアビー(ブルック・アダムス)らと共に汽車でテキサスへ向かうシーンを捉えたもの。

 

 

比較映像では、1日わずか20分の“マジック・アワー”に撮影された麦畑や人物の輪郭が、鮮やかに甦ったことが明らかに。ここ数年で急増した4K素材と従来の2K素材の違いについて、国立映画アーカイブの主任研究員・岡田秀則氏は「画面の肌理が違う。デジタルスキャンによる解像度は、4Kでようやく化学分子からなる35mmフィルムのレベルに達する」と解説している。さらに、フィルム映写機とDCP(現在主に使用されるデジタル上映素材)の違いについては「劇場の暗い環境で鑑賞することで、グラデーションの違いがよく分かる」とも。ネストール・アルメンドロスのカメラが捉えた本来の光を、設備の整った劇場で味わいたい。

 

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配給:アンプラグド

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