2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえます。それを記念して、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げる定期連載記事を、本キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時配信いたします。
衛生劇場の協力の下、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する番組「グレイト余生映画ショーin日活ロマンポルノ」の過去の貴重なアーカイブから、公式書き起こしをお届けしたします。(隔週更新予定)
2011年11月放送、第2回のテーマは「巨乳」
どうも、みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の第二弾は、「巨乳」を特集したいと思います。
もそもその「グレイト余生」というのはどういう意味であるか?ということなんですが、余生は何も年寄りの用語ではなく、全ての人間は生まれた瞬間から死のカウントダウンが始まってると言うことですね。でも、そんなこと言っちゃ、あまりにも寂しい気持ちになるのでグレイトとつけていくといいのではと思いましてね。そういうマイナスのことを考えなく絶えず前向きでいいこうという映画ショーなのです。よく意味が分からない人もおられると思いますけども(笑)。
今、よく「セックスレス」とか言う人いますでしょ?飲み屋でそういうこと言うと逆にカッコイイみたいですけど、僕これからは「SEXです」ということがはやってくると思うんです。だから、この特集見て絶倫になっていただき、日々楽しんで貰えたらとね。
今回のテーマは、国境を越える究極のフェティシズム「巨乳」!大スクリーンを躍動した極上ボインちゃんを、徹底分析!ゆれてヨーシ。もんでヨーシ。この世の男たちを惑わせる芳醇な黄金比率に迫る!!ちっちゃいのが悪いわけではない、ただ、デカければデカいほうがいい~!
巨乳なんて名称は70年代の終わりの頃ですかね。かってはボインとか呼んでいたものですが。でも、今のようにオッパイも大きく、クビレを出してる方などなかなかおられなかったてわけで。そこは、やっぱり日活ロマンポルノに出演されていた女優さんの体の素晴らしさっていうのが世の男性の目を引いたもんです。
巨乳がなぜ良いか?と言うとね。縛られてあげられた時の、持ち上げられ、さらに大きく見えることですよね。ここでSM講義することでもないんですけど。どう縛りますか?あなたなら? 当然はじめは(図に描き表して)、横にこう縛るのが正しいんだと思いますね。後ろに回して、こっちも回しましょう。そして後ろから回ってきた縄を肩からも入れまして、そしてここに引っ掛けて、後ろに回して結ぶ。これは荒縄じゃなく、安全ロープって言うもんなんですけど、そこいらのショップでは普通に買えますよ。素人のロープは、当然余りますんで、それを後方に回して誤魔化してね。
あと、洋風のボンデージというのもあるでしょ。巨乳の扱い方には各国で考えたんでしょうね。あくまでも合意の元の話ですけどね。昨今はバイブレーターっていうのも普通に量販店でも扱っているところがありますが、女性のため、喜ばすためにあるものなので、コントローラーは男が握っているということで、昔からコントローラーは男が握ってますがね。そこもジェントルな態度が望まれます。
今月の厳選巨乳作品『SEXダイナマイト マドンナのしずく』
今回紹介する作品は、『SEXダイナマイト マドンナのしずく』です。菊池エリさん主演で、みなさんご存知ですね。AVの初期の頃だったと思いますけど、色々な名前で出演されてましたが、当然、AV時代の「シスター L」という作品が代表作ですよね。修道女が中野D児(AV監督/ミューシャン)さん演じる調教師によってSMに目醒めって話でした。後に僕は中野D児さんをディスク・コレクターの師として崇めるようになるがね。その話はまたの機会に。
菊池エリさんは巨乳もさることながら、眉間のシワがいいんです。かつて僕が大好きになった谷ナオミさんや麻吹淳子さんの匂いが菊池さんにはありましたね。最近でも、菊池さんの熟女作品を僕はいまだに買っていますから。
今月の厳選巨乳作品『団鬼六 女教師縄地獄』
この『団鬼六 女教師縄地獄』は麻吹淳子さんのベスト2に入ります。すごく好きな作品です。2週間前に、まだ十分にヌケることが分かった次第です(笑)。時代性関係なくまだイケるって、本当スゴイですね。
デビュー当時、麻吹淳子さんのことを、団鬼六さんは「緊縛のマリリンモンローは谷ナオミ。麻吹淳子は、SM 界のイングリッドバーグマンだ」っておっしゃっていたのを何かの雑誌で読んだことが知的なイメージがあったからでしょう。そんなお顔立ちで、痴的ときちゃ堪らんですよ、ホント(笑)。この物語は地下に牢屋作っている男が出てきてね。そこで女教師を調教するわけですが、SMチェアーの下からバイブが出てきたり、麻吹さんもボンテージ衣裳でね。あくまで洋風。堪りませんよ(笑)。最終的に団鬼六さんの原作は因果応報。いやらしい男はひどい目に会います。ハメを外したプレイの後には地獄が待ってるって言う事を教えてくれます。
今月の厳選巨乳作品『巨大バスト99 Dカップの女』
今はですね新宿のゴールデン街で、中村酒店というバーをやっている中村京子ちゃんですが、当時雑誌の巨乳グラビアの代表曲でしたね。女相撲取りとしても有名で、香港で行われた女相撲大会世界大会では優勝されたと聞いてます(笑)。
この「巨大バスト」の表記からして、まだ「巨乳」という呼び方がなかったんですよね。そういや、日活って昔から「巨」という字が大好きで、唯一の怪獣映画のタイトルも『大巨獣ガッパ』(1967年)。巨乳はこの流れかも知れませんね。この作品はあっけらかんとした現代風なおっぱいの大きい女の子が大活躍するもので、SMにある哀愁はありません。でも当時を知るには貴重な映像だと思います。
※各作品はFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です
今月は、4本。巨乳が大暴れです。みなさんはその中からとりわけ好きな巨乳を見つけて下さいね。
次回の特集は、「海女特集」です。お楽しみください。それではあなたもグレイト余生を!
衛星劇場「グレイト余生映画ショーin日活ロマンポルノ」
出演・構成 みうらじゅんプロデューサー 今井亮一
ディレクター 本多克幸
製作協力 みうらじゅん事務所・日活
2020年12月 放送予定【衛星劇場】(スカパー!219ch以外でご視聴の方)
・『ベッド・パートナー』(HD初放送)
・『婦人科病棟 やさしくもんで』
・『肉体保険 ベッドでサイン』
・『ベッド・イン』
【衛星劇場】(スカパー!219chでご視聴の方)
・『ベッド・パートナー』(R-15版)
・『愛獣 赤い唇』(R-15版)
・『ラブハンター 熱い肌』(R-15版)
あわせて、衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ♯91」を放送!
※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集!
日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。
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