沼落ち必至のタイBLドラマ『2gether』に注目！ 3月の「誰かに教えたくなるシネマ」

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2021年02月21日

毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開でありながら傑作といった、様々な掘り出し映画との出会いを映画専門家レビューと共に提供します！

※今回はアジアTVドラマも含みます

素晴らしきタイBLの沼にようこそ

アジアTVドラマ『2gether』

コンテンツセブン／ＴＣエンタテインメントより　セル：2月21日／レンタル：3月3日リリース

アジアTVドラマ『2gether』あらすじ

大学の新入生タインは、女の子にモテたくてチアリーディングチームへの入部を決めるが、ゲイの同級生・グリーンに一目惚れされ猛アプローチを受けてしまう。タインは偽装彼氏を作って諦めてもらう作戦を立てるが……。

アジアTVドラマ『2gether』映画専門家レビュー

世界中を沼に落とした大人気作が遂にパッケージ化！　タインが彼氏役に選んだのは、彫り深めで色気漂うサラワット。ギターが弾けて、ちょっとツンデレで、突然タインを独占しようとするその言動にドキドキが止まらない。ポッキーキスやふたりきりのロッカーなど、少女漫画のツボを押さえたような展開が最高。偽装から始まった関係性の中で意識し合っていく過程や、互いを想い合う優しさが丁寧に描かれていて、胸キュンの透明度が果てしない。一度観たら沼落ち必至のタイBL。

前作を観ていなくてもOK！

映画『モンスター・ハント王の末裔』

ファインフィルムズより2月19日リリース

映画『モンスター・ハント王の末裔』あらすじ

かつては息子として妖怪の王子であるフーバを育てるも、彼と別れた妖怪ハンターの天蔭と小嵐。ふたりがフーバを案じる中、当の本人はペテン師・四谷と行動を共にしていた。やがて、思わぬかたちで彼らは顔を合わせるが……。

映画『モンスター・ハント王の末裔』映画専門家レビュー

中国で爆裂ヒットした「モンスター・ハント」の続編が登場！「え、前作を観てないんすけど」なんて方もおられるでしょうが無問題。幼児のごとく泣いて甘えてキャッキャッしたりと、前作に続いて登場する妖怪の王子フーバの可愛さに引き込まれます。もちろん、キュンキュンさせてばかりではなく馬車ならぬ妖怪車で路地裏をぶっ飛ばすチェイス、妖怪も妖怪ハンターもビュンビュンと飛びまくるワイヤーアクション駆使のバトルとアガる見せ場も連打。ラストもエモくて◎！

悪い血の連鎖、親子という証

映画『いつくしみふかき』

ギャガより3月3日リリース

映画『いつくしみふかき』あらすじ

母が進一を出産中に、母の実家に盗みに入った父・広志。父は“悪魔”として村から追い出され、進一にとって触れてはいけない存在に。30 年後、進一は自立できない大人となって、村の空き巣事件の濡れ衣まで着せられていた。

映画『いつくしみふかき』映画専門家レビュー

渡辺いっけいが最凶のクソ親父を怪演。問題ばかり起こす父親と、その父を知らずに育った息子が気付かぬうちに再会を果たしながら、自分を形成する〝悪の血〟に直面していく物語だ。実話が基になっていると知ると驚きも増す。父親と同じ血を否定しながらも、父が作った負の連鎖から抜けられない不幸な息子像を遠山雄が静かに体現。このシーンを撮るために本作を作ったという監督の想いがにじみ出る、父子のお風呂の場面は必見。眞島秀和さんなどの豪華な配置もニクい。

いつ死んでも悔いない人生を！

映画『グッバイ、リチャード！』

キノフィルムズ、木下グループ／ハピネット・メディアマーケティングより3月3日リリース

映画『グッバイ、リチャード！』あらすじ

ある日、末期ガンと診断された大学教授のリチャード。追い打ちを掛けるように妻から不倫の告白もされた彼は、余命半年という残りの人生を思うままに過ごそうと決意し、その思いがけない言動が周囲に影響を与えていく。

映画『グッバイ、リチャード！』映画専門家レビュー

末期ガンであることが分かり余命半年の男。作り込んだ役の多いジョニー・デップが軽やかに演じて新鮮でもあり、彼の演技力が改めて高いことを再発見できます。オフビートでシニカルな感じと相俟って、死を覚悟した男の破天荒な行動の数々が良く、安易に泣かせようとしないで、誰にでも死は訪れること、だからこそもっと真摯に生きてみなよと、考えるきっかけをくれる本作。ジョニーの奥深い演技と、周りの役者の確かな演技も楽しめ、ラストの文学的な締め方も余韻があって◎。

記憶を亡くした男の正体は？

映画『フラッシュバック』

アルバトロスより3月3日リリース

映画『フラッシュバック』あらすじ

自動車転落事故から救助されるも、記憶を失った男。車のトランクから女性の遺体が発見され、世間を騒がせている連続殺人犯ではないかとの疑いが掛けられる。男は自身の正体と事態の真相を掴もうと逃亡を繰り広げるが……。

映画『フラッシュバック』映画専門家レビュー

自動車事故で記憶喪失に陥って名前すらも思い出せない男。だが、その車のトランクには女性の惨殺遺体が……。“掴みはOK”を地でゆくオープニングからグイグイと引き込まれる92分！　なんだかんだと怪しい記憶喪失の男、彼の逃亡に巻き込まれる看護師の運命、なにやらワケありな保安官、突如として現われて男や周囲の者たちの命を狙う襲撃者。キャラの際立ち具合も、静謐かつ重厚感に溢れた雰囲気もイイ感じで、失われた記憶が一気に回収されるラストはガチで鳥肌もの！

少女が恐るべき悪女に変わるまで

映画『レディ・マクベス17歳の欲望』

アットエンタテインメントより3月3日リリース

映画『レディ・マクベス17歳の欲望』あらすじ

19 世紀後半の英国で、裕福な商家に嫁いだ17 歳のキャサリン。年の離れた夫に興味を示されず人里離れた屋敷で孤独な生活を送っていたが、夫の留守中に若い使用人と関係を持つと、抑えていた欲望が解き放たれてゆく。

映画『レディ・マクベス17歳の欲望』映画専門家レビュー

愛情のない夫や舅とも馴染めず、寒々しい家から出ることも禁じられ鬱々と抑圧された日々を送る若い妻。演じるのは話題作の出演が続くフローレンス・ピューで、まだ若手でキャリアが浅いにも関わらず、すでにベテランの風格が漂うまったく隙のない演技。幼い少女が初めは同情を禁じ得ない状況から、やがて自らのために進んで許されない行為をする、恐るべき悪女に変貌していく姿を圧倒的な存在感で見せる。台詞は極力抑え、彩度の低い画の構図も素晴らしい堂々たる悪女誕生物語。

■前回の誰シネはこちらから