カンヌでグランプリ受賞! 巨匠アスガー・ファルハディの新作
- アスガー・ファルハディ , 英雄の証明
- 2022年02月16日
ベルリンとカンヌの両国際映画祭で数々の賞に輝き、「別離」と「セールスマン」で米アカデミー賞外国語映画賞を2度も制した世界的巨匠アスガー・ファルハディ。その新作であり、ソーシャルメディアの功罪を問うヒューマンサスペンス「英雄の証明」が、4月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテなどで全国順次公開される。
本作は第74回カンヌ国際映画祭でグランプリ&フランソワ・シャレ賞、第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー脚本賞、外国語映画賞などを受賞し、第79回ゴールデングローブ賞非英語映画賞にノミネート、本年度米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストにも選出された。
倫理観という普遍的テーマの追求にあたり、SNSやメディアの絶大な影響力に着目した「英雄の証明」。振れ幅の大きな主人公の運命を通し、真実の曖昧さや社会に潜む欲望とエゴを、予測不可能の展開であぶり出す。
英雄に祭り上げられる主人公を捉えた本編映像解禁
借金のために服役しているラヒムは、休暇中に拾った金貨を返却したことがマスコミで話題となり、「正直者の囚人」と讃えられる。そして借金返済に向けたチャリティ協会主催の支援会が開かれ、息子と一緒に舞台に立ったラヒムは、たくさんの寄付や、新しい職の支援があることを伝えられ、立派な盾を渡される。喜びを隠せないラヒムだったが、「私は金貨を売る誘惑に駆られました」と正直に告白。しかし売りに行った店で数々のハプニングがあり、「これは何かの啓示で、私の行いは誤りであり、金貨は返すべきなのだ」と、金貨を返すに至った思いを話すと、その行いに感銘を受けた支援者たちから「素晴らしい」との声とともに大きな拍手が!
ラヒムはたくさんの支援を受けて無事に社会復帰できるのか……?
Story
大きな正義感と小さな嘘で狂ってゆく人生の行方は──。借金にあえぐ男に舞い込んだ千載一遇のチャンス。
イランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で服役している。そんな彼の婚約者が、偶然にも17枚の金貨を拾う。借金を返済すればその日にでも出所できる彼にとって、まさに神からの贈り物のように思えた。
しかし、罪悪感に苛まれたラヒムは落とし主に返すことを決意。そのささやかな善行は、メディアに報じられると大反響を呼び、“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。ところが、SNSを介して広まったある噂をきっかけに状況は一変。周囲の狂騒に翻弄され、無垢な吃音症の幼い息子をも残酷に巻き込んだ大事件へと発展していく。
「英雄の証明」
監督・脚本・製作:アスガー・ファルハディ
出演:アミル・ジャディディ、モーセン・タナバンデ、サハル・ゴルデュースト、サリナ・ファルハディ
2021年/イラン・フランス/ペルシア語/2.39:1/5.1ch/127分/原題:GHAHREMAN/英題:A HERO/日本語字幕:金井厚樹/字幕監修:ショーレ・ゴルパリアン/後援:イラン・イスラム共和国大使館イラン文化センター、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:シンカ/提供:シンカ、スカーレット、シャ・ラ・ラ・カンパニー、Filmarks
文部科学省選定 一般劇映画(青年・成人向き)令和3年12月21日
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