誰かに教えたくなるシネマ<6月号>


毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開ながらの傑作など、様々な掘り出し映画との出会いを提供します!

 

6月リリース作品

 

ラストは達成感&スカッと感! 『マイ・プレシャス・リスト』

マイ・プレシャス・リスト松竹より5月22日リリース

(C)2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【STORY】

NYに暮らすキャリーは、ハーバード大学を飛び級で卒業するも仕事につかず、友人もいないコミュニケーション能力ゼロの屈折女子。ある日唯一の話し相手であるセラピストから、6つの課題が書かれたリストを渡される。

 

【オススメCOMMENT】

「6才の時何してた?」と聞かれれば「石油会社に抗議の手紙を書いてた」と答えるパンクな女の子キャリー。同級生とは気が合わず、クズな大学教授(イケメン)のせいで恋愛にも臆病な彼女が、幸せになるためのあるリストをこなしていく。基本ふてぶてしい彼女だけど、ペットの金魚に話しかける姿は少しあどけないギャップがあって可愛い。不器用ながらも懸命にリストをクリアしていく姿にも元気をもらえます。そして最後に成し遂げたある出来事には、拍手&ガッツポーズです!

 

とりあえず真面目に生きよう 『暁に祈れ』

暁に祈れハピネットより6月4日リリース

(C)2017 - Meridian Entertainment - Senorita Films SAS

【STORY】

イギリス人ボクサーのビリーはタイで麻薬中毒になり、稼いだ金をドラッグに費やす日々を送っていたが、逮捕され収監されてしまう。凶悪な囚人たちで溢れかえる刑務所で生き抜く中で、ムエタイとの出会いが彼を変えていく。

 

【オススメCOMMENT】

いっそ死んだほうがましだ、と思わせる圧倒的な生き地獄感が恐ろしい。しかし、そんな所であっても、一般房や、凶悪な者たちの房、主人公ビリーが辿りつくムエタイチームの房などがあって、暴力と恐怖によって支配を敷く凶悪犯たちとは対照的に、ムエタイの男たちは、ストイックで相手へのある種の敬意と仲間意識が厚い。まったく次元の異なる世界が同居する混沌に酔う。もがきながらムエタイに出会ったビリーから次第に険しさが消え、何かを悟ったような面構えになる終盤に感動。

 

罪と愛が混じりあう悲恋の島 『軍中楽園』

軍中楽園マクザムより6月4日リリース

(C) 2014 Honto Production Huayi Brothers Media Ltd.
Oriental Digital Entertainment Co., Ltd.
1 Production Film Co. CatchPlay, Inc. Abico Film Co., Ltd All Rights Reserved

【STORY】

1969年、中国と台湾が対立していた時代。台湾の青年隊・バオタイは、砲弾が降り注ぐ攻防の最前線にいた。「特約茶室」を管理する831部隊に配属になった彼は、「軍中楽園」と呼ばれる娼館で、どこか影のある女と出会う。

 

【オススメCOMMENT】

40年間にわたって公然の秘密だった軍公認の娼館が舞台。戦争の緊張を包み込むかのように存在する娼婦の島は、どこか牧歌的で温かい。娼婦のニーニーと友情を紡いでいくバオタイだが、彼女にはある秘密があり、拭いきれないその罪の重さがふたりの間を阻む。小悪魔な娼婦と未来を約束しようとする老兵が、愛ゆえに引き起こす惨劇も衝撃的だ。想い合っていながらも結ばれない男女の関係が、哀しくて美しい。『モンガに散る』の監督×イーサン・ルアンのタッグが再び見られる艶やかな群像劇。

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