ザ・ポーグズのフロントマン、シェイン・マガウアンのパンクな音楽人生

アイリッシュ・パンク(ケルト音楽とパンク・ロックが融合したジャンル)という一大ジャンルを築き上げ、ヨーロッパで人気のクリスマス・ソング「ニューヨークの夢」などのヒットで知られる伝説のパンク・バンド「ザ・ポーグズ(THE POGUES)」。そのフロントマンで、多くのミュージシャンが愛して止まないシンガー、シェイン・マガウアンの型破りすぎる音楽人生を、30年来の友人ジョニー・デップ製作でドキュメンタリー映画化した「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」が、6月3日(金)より渋谷CINE QUINTOほかで全国順次公開される。

 

© The Gift Film Limited 2020

強烈に厄介な天才シンガー!

5歳から飲酒・競馬・タバコを嗜み、10代で移住したロンドンでドラッグ地獄に転落したシェイン。そこから這い上がるように始めたバンドで、絶大な人気を集め瞬く間に英ロック界のスターに。一方でライブ中に泥酔して退場、素行が悪すぎてバンド追放、長年にわたる酒と薬の濫用で50歳にして全歯を失うなど、音楽シーンの内外で仰天事件を連発した。

映画は爆弾発言だらけのシェインのインタビュー映像に加え、貴重なライブ映像や、米国の作家ハンター・S・トンプソンとのコラボで知られるイラストレーター、ラルフ・ステッドマンによるアニメーションを交えながら、彼の半生を丸裸にしていく。さらに、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーや製作のジョニー・デップらがインタビュアーとして出演し、現在のシェインの心の内を聞き出すことに成功。アイルランドでの子供時代からロンドンのパンク・シーンでの活動へ至る軌跡を通じて、彼の情熱、ユーモア、深い音楽知識、歴史、ポップカルチャーが紐解かれる。

監督はデヴィッド・ボウイ出演の「ビギナーズ」(86)、そしてセックス・ピストルズを追った「セックス・ピストルズ/グレート・ロックンロール・スウィンドル」(79)をはじめ数々の音楽ドキュメンタリーを手掛けた巨匠ジュリアン・テンプル。

本作は第68回サン・セバスチャン国際映画祭で審査員特別賞を受賞。米映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家・観客ともに96%(2022/3/3時点)の高評価を獲得し、「自由奔放でめちゃくちゃな映画だ。しかし荒れ果てた美しさに満ちている」―TheWrap 「ジュリアン・テンプルはシェインの伝説を見事なまでに復活させた」―Daily Telegraph(UK)と称賛を浴びた。日本では、ピーター・バラカンが字幕監修を担当している。

 

20世紀の最も重要なアーティストの一人であり、人々に愛された詩人でもあるシェインの決定版な映画を製作できることを光栄に思います。

──ジョニー・デップ

 


酒とタバコを抱えたキリスト風ビジュアル!

ポスタービジュアルは「みっともねえ最高の人生」というコピーとともに、イエス・キリスト風のシェインを真ん中に大きくレイアウト。シェインのマストアイテムである酒とタバコを両手に抱え、周囲にはライターやマイクを持つ天使が飛び交う。さらに、あばら骨にはポーグズのファーストアルバムのタイトル「赤い薔薇を僕に」をイメージした薔薇の花が敷き詰められている……!

併せて解禁された場面写真は、ボロボロの歯で不敵な笑みを浮かべる姿、マイクを握る若き日の姿が切り取られている。

©ANDREW CATLIN
©ANDREW CATLIN

 

「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」

製作:ジョニー・デップ
監督:ジュリアン・テンプル
出演:シェイン・マガウアン、ジョニー・デップ、ボビー・ギレスピー、モーリス・マガウアン、シヴォーン・マガウアン、ヴィクトリア・メアリー・クラーク、ジェリー・アダムズ、ボノ他
2020年/アメリカ・イギリス・アイルランド/130分/英語/日本語字幕:髙内朝子/字幕監修:ピーター・バラカン R18+
英題:Crock of Gold: A Few Rounds with Shane MacGowan
© The Gift Film Limited 2020
配給:ロングライド
公式サイト:https://longride.jp/shane/