「エクウス」のストーリー

問題児ばかりの社会復帰訓練センターの精神科医マーチン・ダイサート(リチャード・バートン)の許に、17歳の少年アラン・ストラング(ピーター・ファース)が預けられ、分析と治療を任されることになった。アランは、勤めていた厩舎の馬6頭の目をピックでえぐるという異常な事件を起こしたのだ。この少年を狂気の行動にかりたてたものは何か? ダイサートの真剣な分析がはじまった。しかし、アランは、かたくなに心を閉ざした。アランの家庭は、禁欲的な空気に満ちており、父のフランク(コリン・ブレークリー)は偽善的な男で、母のドーラ(ジョーン・プローライト)は、つつましいが、キリスト教に熱心で過剰な潔癖性だった。アランが、はじめて馬に接したのは海岸でひとりで遊んでいた時で、どこからともなく現われた黒い馬の男に同乗した時だった。それ以来、アランは、馬に乗ると特別の気持ちの昂ぶりを覚えるのだった。近くの厩舎に通い、やがて、彼は、その厩舎に勤める年上の少女ジル(ジェニー・アガター)を知る。彼女はアランに興味を示し、彼に厩舎での勤めを紹介したのだ。そして、ある日、ジルは厩舎の二階で、アランを誘惑し、体を重ねた。アランは途中で馬の存在が気になり、行為に及べない自分に気がついた。ジルに帰るように言うと、彼は狂ったようにピックで馬の目をえぐったのだった。