「サン・スーシの女」のストーリー

1981年、パリ。オルリー空港に、世界人権擁護委員の代表、マックス・ボームスタイン(ミシェル・ピッコリ)が降りたち、久方ぶりに妻リナ(ロミー・シュナイダー)に再会した。パリ滞在の目的は、パラグアイで投獄されたイギリス女性の解放要求のための会議に出席することだ。ホテルでくつろいでいたマックスに会議のための書類が届けられた。その中の二葉の写真を見た瞬間、マックスの表情は硬ばった。翌日、彼はパラグアイ大使を尋ねた。--本名ルパート・フォン・レガート(マチュー・カリエール)、1933年当時、パリのドイツ大使館で書記官を勤めた男だ。マックスはドイツ語で二、三の質問をした後に、確認したような面持ちでピストルを手にし、ルパートに向けて発砲し射殺した。留置場を訪ねたリナにマックスは語り始めた。--1933年のべルリン。10歳だったマックスは、ナチスの仕打ちで父を失い、自らも片足を負傷し、家族の友人夫婦エルザ(R・シュナイダー二役)とミシェル(ヘルムート・グリーム)の許に引き取られた。エルザはオぺラ歌手、ミシェルは反ナチ派の出版社の経営者だ。幸福に暮らす三人だったが、ナチスの魔の手が忍び寄り、ミシェルひとりを残して二人はパリに旅立った。ゲシュタポに追われるミシェルは、二人を追った列車の中で遂に捕えられ、その直前に列車に居合わせたモーリス(ジェラール・クライン)に金を託し、パリにいるエルザに渡して欲しいと頼んだ。そのころ、エルザは“ラーヤ”というナイトクラブで歌手として働き、ミシェルに会える日を夢みてマックスと共に暮らしていた。なんとかエルザを探しあてたモーリスは彼女の美しさに惹かれ“ラーヤ”に通った。もう一人、エルザに魅せられて通う人物がいた。ルパート・フォン・レガート。ミシェルを救い出すことのできる唯一の男だ。彼女は、ルパートに身をまかせれば、ミシェルが自由になることを知っていた。ミシェルヘの想いはつのる一方だ。酒に溺れてゆくエルザ。そんな彼女をなぐさめようとするモーリス。だがエルザはルパートと一夜を過ごす決意をする。ミシェルは釈放された。駅での再会。そして亡命者たちが集まるカフェ“サン・スーシ”に着いて車から降りた彼らを迎えたのは、二発の銃声だった。走り去る事の中にマックス少年の見たものは、ルパートの冷たい顔だった。--1981年のパリ。マックスは無罪になった。しかし、その後マックスとリナは自宅前で何者かによって暗殺される。

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