「ジキル博士の二つの顔」のストーリー

一八七四年のロンドン。ヘンリー・ジキル博士(ポール・マッシー)は人間には常に相反する二つの性格があることを学会に発表したが笑殺された。そこで彼は人間の性格をかえる薬を発明し、自から試験台に立とうと考えた。友人リタウア博士はその計画中止を忠告し、妻のキティ(ドーン・アダムス)を可愛がるよう助言した。キティは冷たい夫を離れて放蕩者ポールと通じていたのである。薬を飲んだジキル博士は青年に変った。自分の第二の性格であるその青年を博士はハイドと名ずけた。ハイドは夜の街に出てスフィンクスというキャバレーに入り、そこで妻とポールに会った。そして蛇使いの踊り子マリアを誘惑して手に入れた。翌朝ハイドはジキル博士邸に出かけ、キティを誘惑した。しかしこれは不成功に終った。ハイドとしての歓楽の生活に酔ったジキル博士は、今後ハイドとして生きようと決心した。そしてポールに案内させて夜の街を遊び廻り、彼に金を貸してキティをゆずりわたすよう要求した。が、証文を示されてもキティはハイドに従わなかった。魔窟を飲み歩ったのち、ジキル博士はついにハイドと訣別する決心をした。けれどいつしかジキル博士は薬を飲まなくてもハイドに変身するようになっていた。完全なハイドとなった彼はマリアの部屋にキティとポールを招待し、二人を殺した。そのうえマリアを殺し、自分の研究室に火をかけた彼は、すべてをハイドのせいにして何くわぬ顔で検死法廷に出頭した。検死は、無事にすんでジキル博士は事件に関係ないことがはっきり証明され法廷から出た。その時苦痛にゆがんだ博士の顔が突然ハイドに変った。博士は殺人罪で警官に逮捕された。