「リーザの恋人」のストーリー

スペインの観光都市マラガ。失恋の痛手を負った金持娘リーザ(クラウディア・モーリ)は、アメリカの若い小説家ポール(モーリス・ロネ)と知りあった。彼は将来を嘱望された新進作家だったが、作品が書けないことから酒に溺れ、今では年上の恋人コレットに養われている身だった。一方リーザには彼女の父マックスと共同で事業をしているグンテルが求婚していた。そんなある日、マックスは秘書兼恋人のニコルをつれてやってきた。リーザは、母を捨て、若い秘書のいいなりになる父に不信感を抱いていた。リーザはポールを愛し、次第に昔の元気を取りもどした。ある夜、マックスの別荘でパーティーが開かれた。席上酔ったポールはグンテルと激しく口論し、年上の女に養われていることなどすべてリーザの知るところとなった。彼女はそれまでのポールの優しさが、単なる遊びにすぎないことを知った時、乱れた心のまま自殺をはかった。一命はとりとめたものの、力になりたいと熱心に看護するのはグンテルだった。全快したリーザはポールと再会した。真実の愛を告白し、生れ変った気持で小説を書くというポールをリーザはふりきった。過去の経験はあまりに苦かったのだ。出版者との交渉に失敗し、リーザにもすてられ、そしてコレットにも見放されたポールはまた酒に親しむようになった。恋を忘れようとグラスを傾けているポールの前にリーザが再び現われた。彼がいい小説を書くために自分が必要だと悟ったのだ。