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「青年時代より歌は響けり」のストーリー
五年振りに懐かしい郷里に帰って来たジョージには尽きぬ思い出があった。ジョージはアネッテと幼馴染で大の仲良しであったが伯爵の令息ポールが其の地位を利用してアネッテの子供心を引きつけるのを心よくは思わなかった。歳月は流れて三人は若い血に燃える頃となった。ジョージとアネッテとは恋仲であった。そうして堅く将来を誓い合った。都の学校を卒えて帰郷したポールはふとアネッテの美しさに、或る目的を抱き彼女の意を迎えようとした。美々しい貴公子振りは処女心を乱すのに充分であった。嵐の日、森の木樵小屋で貴公子と処女とは偶然遭った。処女は弱かった。ポールは他の女に心を移した。アネッテの父は怒って放火した。火は燃え移ってアネッテが危うくなった時ポールは救おうとして焼死した。心を痛めたのはジョージであった。かくて郷里を去って五年再び踏んだ故郷の土は懐かしかった。そうして恋人も忘れてはいなかった。ジョージとアネッテとは夫婦の契を結んだ。