「闇の人生航路」のストーリー

トーマス・ブレイクは妻シリアとの間に生れたフリーダ、ルース、ダグラスの三人の子供達も成長し、幸福に中流の生活を営んでいる。ただ一つ、嘗てブレイクが所有していた工場が、今は人手に渡っていて彼はその雇人であることが不満である。トーマスはある日偶然、大資本家ナイトと知合いになったが、ナイトはトーマスの立場に同情して、ブレイク一家を豪壮なナイト邸に招いて御馳走する。そこで長女フリーダは金持の青年ボビー・ヒュウィットに恋する。ナイトはトーマスに金を貸したので、トーマスは、事業主となり、ナイト邸を譲り受けて移り住む。フリーダは社交界に出、ルースはパリへ勉強に行き、ダグラスはケンブリッジで化学を研究し、別居していた祖母を同居することとなる。ところがトーマスは不景気で思わしくないので、ナイトに相談すると、絶対損はせぬからといって、株式投機をすすめられる。その揚句ずるずるに深みに落ちて、トーマスは手形偽造の罪を犯す。しかも驚いたことにナイトは、稀代の悪漢であることがバレて、トーマスが捕縛されると、ナイトは自殺して了う。豪壮な邸宅は売払われ、トーマスは一年の刑に服する。この災難にシリアは夫トーマスを励まし二女ルースも、長男ダグラスも、ブレイク家の名誉を挽回するために働く、ただフリーダだけは虚栄の生活を捨てきれないでいると、ボビーは彼女を捨てて金持ち令嬢と結婚して了うが、ようくしたものでフリーダはコギー・セルビーという金持青年と知合い結婚する。トーマスが一年の刑期を終えて出獄すると、シリアは出迎えて、もとのブレイクの家へ伴い帰る。こうしてブイレク一家は再び中流の生活を幸福と愛情と共に送る。