「映画というささやかな商売の栄華と衰退」のストーリー

映画を撮れなくなって久しい映画監督ガスパール・バザン(ジャン・ピエール・レオー)は、金に困ってテレビのエキストラの面接を受ける。白々とした製作プロダクションでは延々とオーディションが続けられている。文節化された言葉を順繰りに辛抱強く発音し続けるエキストラ候補の老若男女。彼らにはその日の報酬が支払われるが、わずかな金額にも、製作デスクは彼らから源泉徴収を差し引くことを忘れていない。いっぽうプロデューサーのジャン・アルメレダ(ジャン・ピエール・モッキー)はガスパールと旧知の仲だが大きな負債を抱えて殺し屋に狙われている。アルメレダの妻ユリディーヌ(マリア・ヴァレラ)は女優になる夢をかねてから抱いており、そのことを深夜のカフェでガスパールに相談する。気のなさそうな彼女の様子をうかがっていたガスパールはそれでも鬼才監督らしくふるまうことで自分を持ち堪えようとする。やがてアルメレダは駐車場で暗殺される。