「クレオパトラ(1963)」のストーリー

紀元前48年、エジプト王国は内乱につぐ内乱を重ね、新興ローマの覇勢に滅亡寸前のありさまだった。幼いプトレマイオス14世をを立てる一派は、王の姉にあたる18歳のクレオパトラ(エリザベス・テイラー)を王宮から追放する。そのころ、アレキサンドリアに遠征していたローマの将シーザー(レックス・ハリソン)は砂漠のスフィンクスで初めてクレオパトラに会い。その虜になってしまった。シーザーはクレオパトラを伴い、アレキサンドリアに侵入、激しい戦闘を重ねて勝利を収め、クレオパトラは、エジプトの王に即位した。やがてローマに凱旋したシーザーは、独裁者としての勇威を高めていった。クレオパトラはそのシーザーを追ってローマへ渡った。しかし、2人の喜びも束の間、シーザーはブルータス(ケネス・ヘイグ)達暗殺団の手にかかり、その短い生涯を閉じた。クレオパトラは不穏なローマを逃れてエジプトに帰った。そして、3年の月日が流れた。ローマの権力者となったアントニー(リチャード・バートン)は財政の窮乏を救うため、エジプトに活路を求めた。アントニーを迎えたクレオパトラだったが、たちまち2人に恋の焔が燃え上がる。アントニーがクレオパトラと結婚し、彼が死んだらエジプトの土になるという遺書を認めてローマ元老議員は激昂した。そしてアントニーは、ローマとの戦いに敗れて、自ら命を絶つ。捕らわれたクレオパトラは、「アントニーの側に葬って……」と遺書を書き、アスプ(毒蛇)を隠した果物篭に自らの手を差し入れたのだった。