「食器を洗う男」のストーリー

学校を卒業して5年、会社の仕事も覚え、生活パターンも確立したさとしは、恋人がいないということ以外、ごく普通の時間を送っていた。毎日のように自炊をして食器を洗う日々を繰り返していたさとしは、ある日曜日、暇を持て余して出かけたついでに買い物に寄ったスーパーで、先輩の彼女の松本に出会う。久しぶりの再会にちょっぴり下心も手伝って、さとしは一緒に食事をしようと、自分の部屋に松本を招待する。夕食も終わって、そろそろ帰ろうとする松本に、さとしは突然、覆いかぶさった。必死で抵抗する松本の様子に、やがてさとしは諦める。松本が帰った後、ひとり残されたさとしは、いつものように黙々と食器を洗った。