「心の指紋」のストーリー
ナヴァホ族出身の前科6犯の強盗殺人犯ブルー(ジョン・セダ)は16歳で、末期ガンの患者。UCLA医療センターの医師マイケル(ウッディ・ハレルソン)は、ガン科部長への昇進も嘱望されるエリート。運悪く彼は、医療センターに連れて来られたブルーの診療をすることに。マイケルはブルーを肝臓ガンの末期と診断、院長は国立ガン研究所での実験的な延命治療に回すことに決める。マイケルは反対できず、研究所まで彼を届ける役目を引き受ける。ところが護送中ブルーは脱走、マイケルを人質に故郷のアリゾナのナヴァホ族居留地を目指す。その奥地には伝説の山があり、そこの伝説の湖で泳げばあらゆる病が治るという。マイケルは次第に彼を放っておけない自分に気づいた。彼は少年時代に最愛の兄をガンで失っていたが、実は苦しむ兄に懇願されて生命維持装置の電源を切ったのは彼だった。それが彼が医師になった動機だったが、いつしか金と出世のためにその初心を彼は忘れていたのだ。アリゾナにたどり着いたとき、乗って来た盗難車のバッテリーがあがり、二人はヒッチハイク。乗せてくれた中年女性レナータ(アン・バンクロフト)は神秘思想の信奉者で、マイケルを徹底的にばかにし、自分も博士号をもっているという。逃避行を続けるなか、ブルーの病状は悪化、マイケルは処置をするにも薬もなく、ブルーの拳銃をもって近くの病院の薬局に強盗に入る。その姿が防犯カメラに映り、ブルーとマイケルは警察に追われる身に。その報道に妻ヴィクトリア(アレクサンドラ・タイディングス)は心を痛める。ナヴァホ居留地の玄関、ユタ州境のモニュメントバレー。道路は検問で封鎖されているが、二人の乗ったキャデラックは馬の放牧をするナヴァホの青年たちに偽装されて検問を突破する。だが居留地に住むとブルーの言っていた祈祷師は、不動産詐欺で警察に追われて姿を消している、とその孫娘(タリサ・ソト)に言われる。彼女から聖なる山の場所を聞き、二人は山脈に分けいる。その二人を警察のヘリコプターが追う。追跡を振り切った二人の前に、祈祷師が現れる。もはや力尽きようとしているブルーを彼に託し、マイケルは自分が囮になってヘリコプターの尾行を引き寄せる。聖なる山にたどりついたブルーは、その湖へと走って行く。湖水に分け入ったとき、彼の姿は静かに、飛び立つように消えて入った。マイケルは逮捕され、ロサンゼルスに護送される。手錠姿の彼は晴れやかな顔で、空港に迎えに来たヴィクトリアを抱き締めた。