「恋におちたシェイクスピア」のストーリー

芝居熱が過熱するエリザベス朝のロンドン。ローズ座は人気作家ウィリアム・シェイクスピア(ジョゼフ・ファインズ)のコメディが頼みの綱だったが、彼はスランプに陥っていた。なんとか書き出した新作コメディのオーディションにトマス・ケントと名乗る青年がやってくる。実はトマスが裕福な商人の娘ヴァイオラ(グウィネス・パルトロウ)の男装した姿だった。商人の館にもぐり込んだシェイクスピアは、ヴァイオラと運命の恋に落ちる。その日から堰を切ったように劇作を書き始めたが、トマスから親が決めた結婚のためもう会えないというヴァイオラの別れの手紙を受け取り、納得できずまた館へ。そこでトマスがヴァイオラの仮の姿だと知る。心のままに結ばれたふたりはその後も忍び逢いを続け、この恋が次第に運命の悲恋物語「ロミオとジュリエット」を形づくっていく。ヴァイオラは、トマスとして劇場の皆を欺き芝居の稽古を続けていた。初演を待つばかりの日、トマスが実は女性であることがバレ、劇場の閉鎖が言い渡される。女性が舞台に立つことが許されない時代だったのだ。ライバル劇場のカーテン座の協力で初演を迎えたが、同じ日ヴァイオラはいやいや結婚式を挙げていた。式の後劇場に駆けつけたヴァイオラは、突然声変わりが起こって出演できなくなった少年の代わりに、ジュリエット役を演じることに。ロミオ役はシェイクスピアだ。詩に溢れた悲恋劇は大喝采を呼ぶが、芝居好きのエリザベス女王の許しで劇場閉鎖は免れたものの、ヴァイオラの結婚は無効にはならず涙ながらにふたりは別れることに。結婚して新天地アメリカに赴いたヴァイオラを思い、シェイクスピアは新たなコメディ「十二夜」を書き始める……。